【日美の手帖】 ある大工（50代）の話し
ある大工さんと話しをしました。
向こうは、私が建築関係者だとは
まったく知りません。
「素人」である（と思われた）私に
とっても丁寧に話しをしてくれました。
職人不足・・・なのは
現役の職人さん達も実感しているそうです。
さらに
元々、職人も高齢化してるし
若いのが減っていき
この先がどうなるのか、、、。
私が
「 でも（止めずに）残れば、価値が上るでしょう？ 」
と言うと、、、、
「今の建築の作り方と、昔の作り方は
全然違うので、残ったとしても
価値があるのかどうか・・」
とその大工さんは言います。
確かに、
建築の基準とか法規とか、性能の事とか
２０年前と比べてもぜんぜん違います。
その大工さんが言います。
「リフォームにしても、古い家ならぼくらはわかる。
でも若い人（職人）にはどうかな・・・」
宮大工 というレベルじゃなくて
一般の木造建築がわかる大工が
将来、いなくなるのかもしれません。
「職人を大切にしない世界はダメですよね」
と私が言うと すこしうれしそうな顔してくれて
「今はまだ、そうゆう事を理解してくれ人がいるんです。
そうゆう人達は、できるできないの理由を
理解しょうとしてくれ。
もちろん、お金出したんだからなんとかしてよ と
いう人もいますけどね。。」
リフォームの話しで
「古い家を頼まれ、見ると
正直、”手抜き” のような事ってあるんです。
でも、私はそう断定もしません。
もしかしたら、それしかできな理由があったかもしれない。
やる選択 やらない選択
があります。
その理由をちゃんとお客さんに説明したのかもしれないし、
しなかったかもしれない。
だから ”これはひどいですね”
とは言わないんです。
世間は狭いですから、もしかしたら
親方や兄弟子の仕事かもしれないし。。」
ちょっと身につまされる話しでした。
そんなふうに言ってしまった時もあります。
でも、確証もないのに、
人の仕事をどうのこうの言わないようにしています。
その時のいきさつなんて
わからないのですから。。
近い歳の大工さんでしたが、
物をつくる事にちゃんと向き合って
熱い気持ちを持っている人で
なんだかうれしかったです。
50代、、40代中くらいまで？は、
どの世界にも
徒弟制みたいな部分がありました。
いいか悪いかはわかりませんが
そうゆう人間関係の中で得たものは
今もなくならないと思います。
その大工さん・・・
「大工をやってる事がバカらしく思える時があります」
と言ってました。
利益をけずられ、
大工じゃなくていい事までやらされ
”物作りの自信と誇り”
なんて、なくなってしまいます。
私は、リノベーション（リフォーム）が好きです。
それは、単に 家が生まれ変わって
施主に喜んでもらえる事だけではなく
職人さん達の、経験とかアイデアを
出して・・・生かしてもらえる
と思うからなのです。
＊＊
新築でもリフォームでも、
あなた自身の家の工事をする時は
ぜひ現場に行き
職人達と話しをしてみて欲しいんです。
おしゃべりな職人ばかりではありません。
でも、作る事が大好きな人達です。
その仕事を見てあげてください。
「すごいな～」
と思う事があったら、それを口にしてください。
褒めてください。
彼らは、
あなたの家を一生懸命に作ってくれます。
＊＊
LWH002 ウッドデッキ施主工事
完成したようです。
そこまする？
っていうくらいの事してます。
そこまでやりきると
「自分が作った」感が出て来るのでしょうね～
「もうこれで終わり」
みたいな雰囲気出してますが、、、
絶対に終わりませんから
安心してください・・・？
▼完成工事（８）（了）
http://houseforone.blogspot.jp/2016/04/blog-post_12.html
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Renovation for Life and House
人と家とのよりよい関係を作ります
志田茂建築設計事務所
志田 茂
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