【日美の手帖】なぜテーブルにビニールシートを掛けるのか?
あなたの家のテーブルは、ビニールシートを掛けていますか?
戦後の日本が復活し、生活が洋式化に変わっていく中で
いつの間にかテーブルにはビニールシートが掛けられていました。
子どもの時、なんでわざわざビニールシートを掛けるんだろう?
と不思議でした。
だって、別にベニヤ板ではなく、ちゃんとした(?)テーブルなのに。。
今も、一般的な家庭ではシートを掛けているんでしょうか?
私の実家では、掛けています^^
私の祖母から聞いた事があるんですが
その昔、ビニールシートって高価なものだったらしいんです。
石油製品ですから、昔は原油も高く、加工も大変だったのでしょう。
高度成長期に入り、大量に出回って安くなっても
”高価”というイメージが残ったのでしょうか?
私の実家や親せきの家を思い出してみても
やたらなんでもカバーを掛けていたように思います。
それこそ高価なTVはもちろん、電話機・・
車のシートは必ず・・
そんなもんしか思いつかない。。
あと、何かありましたかね^^;
日本は、布団や座布団にもカバーを掛けています。
畳だって、畳表というのは、カバー のようなものです。
畳表・・・ってもしかして、、知らない?
知らない人は、調べてみてくださいね!
とにかく、なにか”カバーを掛ける”って
日本の風習なのでしょうか。。
その流れで、テーブルにビニールシートを掛けていたのかも。。
だけど、、、
ビニールシートが出現したのは、歴史の中で考えれば
ごく最近の事。
それ以前と何が変わったのか・・・。
もちろんそれは、戦後の工業化
工業によって一気に復興したのですから
工業製品は、人々にとって”輝かしい物”でした。
”希望”であり”誇り”でした。
建築や家具の材料では、合板が普及し
さらには、表面に、木目や石柄をプリントした
”プリント合板”というものが作られはじめました。
それを家に使う事、それを使った家具を持つ事は
時代の先端だったし、自慢だったのだと思います。
『 新建材 』 そう言われ、憧れだったのでしょう。
しかし・・・
今の製品からみれば、はるかに品質が悪く
プリント合板が使われたテーブルの天板は
傷が付く、濡れる 事には、、、「弱かった」
という面もあると思います。
ただ、、、
工業製品=自慢のもの
だから、
カバーを掛ける=ビニールシートを掛ける
という事になったのだ、、、と思います。
つまり、製品としての品質が低くても 「守られた」
わけです。
1980年頃・・・
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」
というのが流行語になりました。
今思えば、日本を象徴していたのかもしれません。
悪い点があっても、全体行動の中で埋もれてしまうという事です。
それからもう40年近く経とうとする現在
変わったのでしょうか・・・・
建築材料は、工業製品として進化しつづけています。
ただ、未だに それが目指す方向性に
『傷つかない』 『よごれない』 があります。
それは、誰にとっても好ましい事だとは思います。
でも、、、
そうゆう材料で作られた 家 は
本当に私達にとって好ましいものなのでしょうか?
ビニールシートは減ったかもしれないけれど
変わりに”新しい技術”で カバー をしています。
材料の本質に直接触れる事はありません。
では、、、
生身の私達は、同じように変化したのでしょうか?
していません。
40年前と何も変わっていません。
私達と、私達を囲う世界は
どんどん離れて行っているのではないでしょうか。。
少なくても 家 は
それでいいのでしょうか?
私は、違うと思います。
生身の”私”が住む 生身の”家” であって欲しい。。
ともに歳をとれる家がいいと思うのです。
それが、
無垢の木を床に使う理由でもあります。
杉板を例として、その事をブログに書きました。
▼信頼できる素材でつくる家の安心感
http://blog.goo.ne.jp/homeroom-goo/e/bdccfcd4ba5bd2cdd7505dcc5924405f
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志田茂建築設計事務所
志田 茂
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