昨年60歳で会社を定年退職した、普通のサラリーマン。退職金を元にこれから経済的に楽な生活を目指して投資に取り組んできた。

○○○○さん

こんばんは、今日は大阪市内へ、友人の会社の戦略ミーティングでした。
友人はもう３０年以上、TV番組やイベント企画会社を経営している、競争の激しい業界で生き抜いてきた彼の才能と行動力に、しばしば驚くことがある。


今日はその驚いた、というよりマーケティング部門が長かった私も知らなかった、広告制作会社の話です。

メーカーのマーケティング部門は、販売部門やその他部門より消費者を知り、そのターゲットに合致する新製品を開発し、販売計画を達成させる会社の中枢というものだ。よってマーケティング部門の責任者は社長であり、製品や新製品は会社の命であり、どれだけ良い商品をだすかに日々研鑽したものです。

良い商品を作っても、その存在を知らなければ売れることはない。その認知を獲得する手段は広告。その昔、ＳＮＳなどがなかった時代には、広告メディアはＴＶＣＭが一番、雑誌、ラジオ、店頭などいかに狙う人たちに到達するかにしのぎを削るもの。


制作会社というのは、そういったメディア（ＴＶＣＭや雑誌広告コンテンツ、コピー等）を創出する役割で、その良しあしは広告効果に直結する。よって、クライアント（広告主）が伝えるべきコンセプトを具現化するため、色々な発想、手段、アイデアを駆使してクライアントに提案する。選択権はクライアントにある。


その間を取り持つのが広告代理店なのだが、制作会社の立場は代理店から注文をもらって初めてメディアの制作ができるため、どうしてもクライアントや代理店の気にいるもの、より期待にそえるものをつくらなければならない。なぜなら従属関係があり
制作会社の位置づけは代理店の下請けになる、その立場は絶対だ。


例えば制作企画にかかる労力はお金にならない、どれだけクリエイティブ部門が残業しても関係ない、そうクライアントであるメーカー（担当者）にとってそれは費用として見ない。私もかつてクライアントの立場であったのでよくわかるが、制作物を作るプロセスに費用を認めなかった、すべて値引き交渉の対象となっていた。


制作側にとってこれほどつらいことはない、結果のみの対価しかもらえない。これではいくら制作会社がオリジナリティを発揮したくともできない。


ここからが今日初めて知った話だが、海外の制作会社は日本の場合とは逆、海外では制作会社が銀行からお金をかりて、オリジナルのメディア制作を行ない、それをTV局に売り込み、TV局はそれに出資するスポンサーを探すというものだ。これは、日本の制作会社とはまったく逆で、制作会社の制作物で評価されたものは半永久的にお金を（チャリンと）産むということだ。
日本では音楽はこのシステム（ジャスラックによる著作権保護）があるが、制作会社の制作物にはない。

友人は過去に新しい発想で数多くの番組を制作してきたが、それらはすべて彼のもとにはお金をはこんでこない。制作会社はそういった、ビジネス慣行のもとに成り立っている。このことは、その後の彼の会社の方向性転換、生き方に大きな影響を及ぼしたということだった。


日本の制作会社の位置づけが、クライアント（広告主）のいる大手代理店の下請け、という立場が変わらなければ、制作会社が今までにないオリジナルな作品を生み出したとしても世に出ることがないのだろう、と改めて残念だと思ったのでした。


いやー、日本のメディアは海外メディアに勝てないのかもな、それほど衝撃を受けた日でした。

読者の皆さんには、何をいってるの？ってわかってもらえないかもですが、とにかく自分にとっては新しい事を知った日でした。