ヒューマンサクセスサイエンスユニバーシティについてご案内しています。

　米国、ハーバード大学の政治哲学者
マイケル・サンデル（Michael Sandel）教授の新著
『実力も運のうち　能力主義は正義か？』（鬼澤忍訳　早川書房）がこの4月に発売されました。

すでに教授の前著
『これからの「正義」の話をしよう』は
世界各国で大ベストセラーとなり、
日本でも累計100万部を突破しています。

ほかに『それをお金で買いますか』
『ハーバード白熱教室講義録＋東大特別授業』（以上早川書房刊）などの著作も注目されています。

　サンデル教授は、1980年代の
リベラル=コミュニタリアン論争で脚光を浴びて以来、
コミュニタリアニズム（共同体主義）の代表的論者として
知られており、ハーバード大学の学部科目
“Justice（正義）”では延べ14,000人を超す履修者数を記録しています。

そのあまりの人気ぶりに、同大では建学以来
初めて講義を一般公開することを決定したほど。

　日本でもNHK教育テレビ（現Eテレ）で
『ハーバード白熱教室』（全12回）として放送されました。

また2013年2月22日には、
東北大学百周年記念として
「マイケル・サンデル白熱教室＠東北大学」が開催され、
東北大学の学生約500人を含めた
約1,100人の人々が参加し、
東日本大震災の経験をもとに
「自分の命と職務への責任どちらを優先するか？」
「復興に必要なのは強いリーダーシップか、話し合いか？」などが論じられました。

私も動画で拝見しましたが、
白熱した議論が繰り広げられ、
教授の人間味あふれるファシリテーターぶりにも
感動しました。

　さて、今回の新刊書では、
これまで経済成長に重きを置いて築かれてきた
「能力主義」が招いてしまった分断は解消できるものなのか。

能力主義に変わるものはあるのか。

そして、誰もが尊厳を保てる社会とは
どういうものなのかなどについて言及しています。

　先日、見たANNnewsCHでは、
サンデル教授にリモート取材をしており、
直接、インタビューに答える教授のお人柄に
触れることができて大いに共感しました。

パンデミック・コロナ禍で人々の繋がりが
一層少なくなっている今、
より鮮明になった社会の分断や格差。

　ここで教授が考える民主主義における条件の平等とは、
すべての人が同じ収入を得ることではなく、
誰もが尊厳を保ち、尊重されること。

自分の家族、コニュニティ、
「共通善」に貢献することに対するリスペクトだといいます。

目指すべきは、それぞれの教育水準や収入にかかわらず、
誰もがお互いに尊敬できる社会です。

私たちはみな、
お互いに依存して生きているわけですから、
改めてそれに気づき、感謝することは
経済と密接に関係してくるといいます。

　特に能力主義の中で恵まれてきた人は、
運の役割や支えてくれた人々の労働に感謝し、
謙虚さを持ちたいというのです。

謙虚さは私たちにより深い人間関係の扉を
開けてくれるからです。

一人一人が謙虚に生き、
現状の分断が埋まった先にどのような未来が展開するのか……。

そのようなお話には希望を感じることができました。
 
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　　　プロフィール
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宮西ナオ子(みやにしなおこ)

生き方研究家・Ph.D.（博士/総合社会文化）、
総合社会文化ライター・作家、
エッセイスト・インタビュアー、女性能楽研究家、
愛玩動物飼養管理士、
アルケミスト認定ユニバーサルヒーラー、
アルケミスト認定アニマルコミュニケーター。
上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒業後、
広告代理店、旅行代理店を経、
トラベルライターからフリーライターに。
環境問題、美容と健康関連、生き方についての
記事を新聞・雑誌・単行本等に執筆・講演。
経営コンサルタントの船井幸雄氏関連の
仕事と産経新聞の夕刊特集担当、
がん専門誌の記事執筆に携わる。
2001年には日本大学大学院総合社会情報研究科文化情報専攻入学。
2003年修士取得、2006年、女性が演じる能楽について
研究しPh.D.（博士/総合社会文化）取得。
同時に当時注目された書籍
『朝2時間早く起きれば人生が変わる!』や
『男性更年期はリニューアルの時』
『発酵のチカラ』『眠る前の7分間』
『女性と能楽』など関連のテーマで地方自治体、
倫理法人会ほか各地で講演活動などを行う。
また大手企業に「誉める技術とコミュニケーション」
「聞く力」などのセミナーも行う。
2013年、東久邇宮文化褒章受章。
東京新聞でペットと有名人のコーナーを担当し、
アニマルコミュニケーションやエネルギーワークなども学ぶ。



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