9月25日は「主婦休みの日」 「おうち時間」に注目される家事の価値
女性のための生活情報紙を発行している
サンケイリビング新聞社では、2009年から年に3回、
1月25日、5月25日、9月25日を
「主婦休みの日」として記念日にしています。
このコンセプトは日々、
家事や育児で休む時間もない主婦が
リフレッシュできる日を創ることで活気を取り戻し、
家族が元気になることで、日本を元気にしようという目論見。
さらにはふだんは家事を
免除されているかもしれない夫や子ども達も
積極的に家事にチャレンジする日として、
多くの啓蒙活動やイベントが企画されるようです。
私は2019年までは家事とは全く無縁な生活をしていました。
家事をするのは他の人（笑）。
1975年に「私作る人、僕食べる人」という
ハウス食品工業のCMが流れたとき、
「性別役割分担の固定化につながる」ということで
婦人団体から抗議を受け物議をかもしたことがありますが、
私はまさに「食べる人」だったわけです。
家では洗濯機も炊飯器も使い方を知らず、
料理も出されたものを食べるだけという生活でした。
そのため仕事や勉強だけに専念できたので、
それは、それで有難く幸せな日々だったのです。
ところが2019年からは自分で家事をしなくてはならず、
今ではその大変さと楽しさを味わいつつあるところです。
しかも昨今ではCOVID-19の影響で
「おうち時間」が多くなっているために、
ますます家事と向き合う時間が増えてきました。
最初は慣れていないものだから要領も悪く、
時間もかかり、いまだに食洗器などは使えない有様ですが、
とにかく新しいことに挑戦するのは楽しいものです。
そして家事が命や生き方に
大きくかかわっていることを感じるようになりました。
例えば料理をするときは、
食材の命をいただくことに感謝しますし、
自分の健康についても深く考えるようになります。
掃除や洗濯をすることにより、
生活上でのデトックスや清潔な環境づくりに留意できます。
特に水回り関連の家事は浄化を促します。
これほど有意義な家事ですが、今までは、
どちらかというと軽んじられていたのではないでしょうか？
日本では1950年代後半の高度経済成長期以降に
「専業主婦」が誕生しましたが、
そもそもは資本主義の発展により、
男性たちがサラリーマンとして
市場に出るようになる一方で、
育児を含む家事労働全般を女性が担うようになったことから、
外でお金を稼ぐほうが家の中で家事をすることよりも
尊重される風潮が生まれたのかもしれません。
その後、1980年代には、
DINKS（ダブル・インカム・ノー・キッズ）などの
ライフスタイルが注目されたりもしましたし、
昨今の若いカップルの間では家事の分担も
当たり前になってきているように思われます。
家事の評価の仕方には
OC法（Opportunity Cost method、機会費用法/
主婦が家事にあてた時間を市場の報酬に換算して計算する）
RC-S法（代替費用法スペシャリストアプローチ/
無償労働の内容を料理や掃除、保育などの項目に分けて、
同じような専門職につく人の賃金で評価する）
RC-G法（代替費用法ジェネラリストアプローチ/
家事代行サービスを専門とする人の賃金から評価する）という
3パターンがあるといいますが、これに加えて
家族に対する愛や思い、
自分自身に対する生き方の尊厳なども含まれてくるのかもしれません。
新しい時代になって、
新しい家事の価値についても注目していきたいものです。
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プロフィール
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宮西ナオ子(みやにしなおこ)
生き方研究家・Ph.D.（博士/総合社会文化）、
総合社会文化ライター・作家、
エッセイスト・インタビュアー、女性能楽研究家、
愛玩動物飼養管理士、
アルケミスト認定ユニバーサルヒーラー、
アルケミスト認定アニマルコミュニケーター。
上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒業後、
広告代理店、旅行代理店を経、
トラベルライターからフリーライターに。
環境問題、美容と健康関連、生き方についての
記事を新聞・雑誌・単行本等に執筆・講演。
経営コンサルタントの船井幸雄氏関連の
仕事と産経新聞の夕刊特集担当、
がん専門誌の記事執筆に携わる。
2001年には日本大学大学院総合社会情報研究科文化情報専攻入学。
2003年修士取得、2006年、女性が演じる能楽について
研究しPh.D.（博士/総合社会文化）取得。
同時に当時注目された書籍
『朝2時間早く起きれば人生が変わる!』や
『男性更年期はリニューアルの時』
『発酵のチカラ』『眠る前の7分間』
『女性と能楽』など関連のテーマで地方自治体、
倫理法人会ほか各地で講演活動などを行う。
また大手企業に「誉める技術とコミュニケーション」
「聞く力」などのセミナーも行う。
2013年、東久邇宮文化褒章受章。
東京新聞でペットと有名人のコーナーを担当し、
アニマルコミュニケーションやエネルギーワークなども学ぶ。
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