ヒューマンサクセスサイエンスユニバーシティについてご案内しています。

　みなさんは、かつて「シルバーコロンビア計画」
というのが存在したのをご存じですか？　

これは今をさかのぼること約35年前。
1986年に通商産業省のサービス産業室が提唱したプログラムです。

リタイアした人たちが豊かな「第２の人生」を
海外で送るための計画で、正式名称は
「シルバーコロンビア計画“92”－豊かな第２の人生を
海外で過ごすための海外居住支援事業」というのだそうです。

　ここに「92」が付いているのは、
目標年次を1992年としていたため。

というのもそもそもこの計画の名称
「コロンビア」の由来は、コロンブスにちなんでいるからです。

　彼がアメリカ大陸を発見したのが1492年。
それから500年後の1992年までには、
シルバー世代の人たちが新天地を目指し、
海外に新しいコミュニティを創ろうという試みで
行われたものだといわれます。

　当時の私は大手旅行会社の雑誌をてがけていたために、
このシルバーコロンビア計画にちなんだ
海外長期居住の話を書くチャンスが多々ありました。

そもそも定年退職をした人たちが退職金を利用し、
海外にセカンドハウスを購入し
快適なセカンドライフを送るために、
日本人向けの滞在地を整備するという意図があったようです。

候補に挙がった地は、オーストラリアのパース、
スペインのマドリッド、カナダのバンクーバーなどがあり、
私も実際に足を運んで、快適な人生設計に憧れました。

当時は急速に円高が進んでいた時期でもあり、
「円高メリット」を十分に享受できる
という目論見もあり、物価の安い海外ならでは
比較的ゆとりのある第2の人生を謳歌できる
という狙いもあったようです。

そもそも日本全体がバブル景気で、
贅沢なお金の使い方をしている時代でもありました。

　ところがこの計画は内外からの
さまざまな批判を受けてすぐに頓挫しました。

そして1988年5月には「海外滞在型余暇計画」と
内容を少し変更してまとめられ、
長期滞在型旅行プランなどに落ち着いたようです。

その後、私も書籍や新聞・雑誌記事に
仕事の内容を変えていったために
海外に出ることは少なくなりましたが、
この数年の海外事情などを知るにつけても
時代の変遷を大いに感じます。

　このところ日本はかなり落ち着いてきたものの、
海外でのCOVID－１９の状態は相変わらず
深刻なところも多いですし、まだまだ気楽に
旅行を楽しむという雰囲気ではありません。

　今、豊かな第2の人生を送るための楽しみといったら、
どこかに外に向かって行くというよりも、
自分の内側に向かって可能性を掘り下げていく
旅に出ることかもしれません。

何か芸術にふれること、作品を作ること、
知識を耕していくこと、心温まる友人と語り合うこと、
かけがいのない時間を楽しむこと、
昨日はできなかったことをひとつでも
できるようにすることなど、そのような体験が
豊かな財産となって、魂が永久にもっていける宝箱に
蓄えられていくような気がします。
 
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　　　プロフィール
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宮西ナオ子(みやにしなおこ)

生き方研究家・Ph.D.（博士/総合社会文化）、
総合社会文化ライター・作家、
エッセイスト・インタビュアー、女性能楽研究家、
愛玩動物飼養管理士、
アルケミスト認定ユニバーサルヒーラー、
アルケミスト認定アニマルコミュニケーター。
上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒業後、
広告代理店、旅行代理店を経、
トラベルライターからフリーライターに。
環境問題、美容と健康関連、生き方についての
記事を新聞・雑誌・単行本等に執筆・講演。
経営コンサルタントの船井幸雄氏関連の
仕事と産経新聞の夕刊特集担当、
がん専門誌の記事執筆に携わる。
2001年には日本大学大学院総合社会情報研究科文化情報専攻入学。
2003年修士取得、2006年、女性が演じる能楽について
研究しPh.D.（博士/総合社会文化）取得。
同時に当時注目された書籍
『朝2時間早く起きれば人生が変わる!』や
『男性更年期はリニューアルの時』
『発酵のチカラ』『眠る前の7分間』
『女性と能楽』など関連のテーマで地方自治体、
倫理法人会ほか各地で講演活動などを行う。
また大手企業に「誉める技術とコミュニケーション」
「聞く力」などのセミナーも行う。
2013年、東久邇宮文化褒章受章。
東京新聞でペットと有名人のコーナーを担当し、
アニマルコミュニケーションやエネルギーワークなども学ぶ。



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