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新しい年が明け、徐々に日常生活に慣れ始めてきた日本時間の1月15日午後1時10分頃、トンガの首都ヌクアロファから北に60キロ余の「フンガトンガ・フンガハーパイ」海底火山が噴火しました。

米海洋大気局の人工衛星が撮影した画像で見ると噴煙は半径260キロにも広がり、まるで海面に花が咲いたようです。それに伴う地震や津波でトンガ国内では建物の浸水被害や、国際電話・インターネットの通信障害などが発生しました。

同時に世界各国でも津波が観測され、日本でも15日夜から16日にかけて、鹿児島県奄美市で1・2メートル、岩手県久慈市で1・1メートルを観測しました。
この津波は漁業にも影響を与えたようです。鹿児島県・種子島の沖合で養殖されていたブリの稚魚約7万～8万匹が死んでいるのが見つかったといいます。

理由は津波により生け簀の網に押し付けられたり、魚同士で接触し合ったりして衰弱死したためと考えられており、被害額は3000万円以上とのこと。

また沖縄県の宮古島では、モズクを養殖する網に被害が出、モズクそのものも含めて、被害額は450万円にのぼるとも……。　

さて、この噴火は今後の気象現象にも影響を与えそうだと懸念されているようです。

気温研究の大家、近藤純正東北大名誉教授の論文によると、過去300年間を調べてみると成層圏に届くほど大きく世界的な大規模噴火の直後の夏とその次の夏に、東北地方で冷夏による大凶作が起きる確率が高いと考察しています。また噴火当年を含む3年間のうち、少なくとも一回は大冷夏に見舞われるということです。

この話を聞いて、今から30年前、1991年にフィリピンのピナツボ山で起きた大噴火の影響を思い出しました。

93年の夏に日本では記録的な冷夏に見舞われ、東北地方では例年と比較して2～3℃も低温となったために稲作に大打撃を与えました。
結果、その年の秋の収穫量は減少し、日本国内ではお米が売り切れ。「平成米騒動」といわれるほどで、市場には古米や古古米しか見当たらなくなり、政府はタイ米を輸入して急場をしのいだのです。

過去の歴史をひも解いてみると、天明３年（1783年）には「天明の大飢饉」がありました。江戸時代当時、東日本のどの藩も軒並み大飢饉に見舞われ、最終的には人肉食まで起きたといいます。

その原因のひとつが、この年に噴火した浅間山の天変地異といわれます。

さらに日本のみならずアイスランド南部に位置するラキ火山が1783年に大噴火し、大量の溶岩と火山灰が噴出しました。火山灰が空を覆い尽くして降り注ぎ、多くの人が命を落とした上に家畜にも大きな被害を与え、飢饉を引き起こしたといいます。

この火山灰はイギリスにまで降り注ぎ、噴火による旱魃や悪天候が食糧価格の高騰を引き起こし、一説によればフランス革命の遠因になったともいわれます。さらに火山灰やガスが北半球のほとんどを覆い、天明の大飢饉にも影響を与えたというわけです。

こう考えると、今、世界的に見られる地球の活発な動きが生活に与える影響が、今年はますます注視されそうです。

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　　　プロフィール
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宮西ナオ子(みやにしなおこ)

生き方研究家・Ph.D.（博士/総合社会文化）、
総合社会文化ライター・作家、
エッセイスト・インタビュアー、女性能楽研究家、
愛玩動物飼養管理士、
アルケミスト認定ユニバーサルヒーラー、
アルケミスト認定アニマルコミュニケーター。
上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒業後、
広告代理店、旅行代理店を経、
トラベルライターからフリーライターに。
環境問題、美容と健康関連、生き方についての
記事を新聞・雑誌・単行本等に執筆・講演。
経営コンサルタントの船井幸雄氏関連の
仕事と産経新聞の夕刊特集担当、
がん専門誌の記事執筆に携わる。
2001年には日本大学大学院総合社会情報研究科文化情報専攻入学。
2003年修士取得、2006年、女性が演じる能楽について
研究しPh.D.（博士/総合社会文化）取得。
同時に当時注目された書籍
『朝2時間早く起きれば人生が変わる!』や
『男性更年期はリニューアルの時』
『発酵のチカラ』『眠る前の7分間』
『女性と能楽』など関連のテーマで地方自治体、
倫理法人会ほか各地で講演活動などを行う。
また大手企業に「誉める技術とコミュニケーション」
「聞く力」などのセミナーも行う。
2013年、東久邇宮文化褒章受章。
東京新聞でペットと有名人のコーナーを担当し、
アニマルコミュニケーションやエネルギーワークなども学ぶ。



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