ヒューマンサクセスサイエンスユニバーシティについてご案内しています。

現実？　仮想空間？
そんなテーマを取り上げたのが、1998年の米国映画『トゥルーマンショー（The Truman Show）』。
ジム・キャリー扮するトゥルーマン・バーバンクは、保険会社に勤める男性で、離島シーヘブンに住み、生まれてから1度も島を出たことはありませんでした。
そして本人だけは知らないのですが、これまでの人生全てを24時間ずっと撮影されており、それが、そのままリアリティ番組『トゥルーマン・ショー』として世界220ヶ国で放送され続けていたのです。

彼の住む世界は巨大なドーム状のセットの中、太陽や月、星なども機械仕掛けの照明装置でした。
雨や雷などの気象現象も人為的な演出で、トゥルーマン以外の人物は全て俳優やエキストラ。
そんな壮大な舞台に住んでいることを知らずに生きてきた彼ですが、徐々に違和感を持つようになり、真実を知るためにヨットで島から出ようと試みます。

やがて突き当たったのは海の果て、書割の空。
ついには扉を抜けてセットの外の世界へと踏み出し、画面から去っていくという物語でした。なぜか他人事とは思えない、不思議な魅力を持つ、忘れられない映画です。

翌1999年には米国のSFアクション映画『マトリックス（The Matrix）』が話題を呼びました。真実を知らず仮想世界マトリックスで人生を送る主人公（キヌア・リーブス）は、大手ソフトウエア会社でプログラマーをする一方、同時に天才ハッカーの「ネオ」という顔も持っています。
ネオは、起きているのに夢を見ているような感覚に悩まされ「今生きているこの世界は、もしかしたら夢なのかもしれない」という漠然とした違和感を抱いていました。
そのような時にある男と出会い、「あなたが生きているこの世界は、コンピュータによって作られた仮想現実だ」と告げられます。
そしてこのまま仮想現実で生きるか、現実の世界で目覚めるかの選択を迫られ、「現実」の世界で目覚めることを選択します。

ネオは仮想空間と現実を行き来しながら、人類をコンピュータの支配から解放する戦いに身を投じ、仲間の信頼を得ながら才能を開花させて行くというストーリーでした。

両映画とも2000年のミレニアムを前に、「仮想空間」のテーマが取り上げられていましたが、そもそもこの世はサンスクリット語で「マーヤー」です。
その意味するところは「幻影」。

インド哲学では、「現実世界のマーヤー（幻影）が、真実の世界を覆い隠している」と考えられています。
昨今では俄かにメタバース （Metaverse) の概念も注目されています。
これはコンピュータやコンピュータネットワーク内に構築された3次元の仮想空間。
現実世界とは異なるバーチャル空間の一種ですが、2021年以降、オンライン上に構築された3DCGの仮想空間には世界中からさまざまなアバターが自身の分身として参加し、相互に買い物したり、サービス内での商品の制作・販売をするなどして経済活動を行なっています。
今後、この空間を、もう一つの「現実」として新たな生活が送られることも想定されているといいます。

かつては自分の意識している「この世界」こそが「現実」だと思っていました。
でも「現実世界」は、「幻影」であり「仮想空間」だったのかもしれません。
今後、さらなる仮想空間に足を踏み入れる時代がくるわけですから、まさにラテン語で子宮を意味する『マトリックス』。
ここから今までになかった全く新しい何かが生まれてくるような気がします。

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　　　プロフィール
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宮西ナオ子(みやにしなおこ)

生き方研究家・Ph.D.（博士/総合社会文化）、
総合社会文化ライター・作家、
エッセイスト・インタビュアー、女性能楽研究家、
愛玩動物飼養管理士、
アルケミスト認定ユニバーサルヒーラー、
アルケミスト認定アニマルコミュニケーター。
上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒業後、
広告代理店、旅行代理店を経、
トラベルライターからフリーライターに。
環境問題、美容と健康関連、生き方についての
記事を新聞・雑誌・単行本等に執筆・講演。
経営コンサルタントの船井幸雄氏関連の
仕事と産経新聞の夕刊特集担当、
がん専門誌の記事執筆に携わる。
2001年には日本大学大学院総合社会情報研究科文化情報専攻入学。
2003年修士取得、2006年、女性が演じる能楽について
研究しPh.D.（博士/総合社会文化）取得。
同時に当時注目された書籍
『朝2時間早く起きれば人生が変わる!』や
『男性更年期はリニューアルの時』
『発酵のチカラ』『眠る前の7分間』
『女性と能楽』など関連のテーマで地方自治体、
倫理法人会ほか各地で講演活動などを行う。
また大手企業に「誉める技術とコミュニケーション」
「聞く力」などのセミナーも行う。
2013年、東久邇宮文化褒章受章。
東京新聞でペットと有名人のコーナーを担当し、
アニマルコミュニケーションやエネルギーワークなども学ぶ。




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