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身体をアルカリ性に
炎症を抑え、免疫力を上げる。

　季刊『ライフライン２１　がんの先進医療』という医療雑誌に「山田邦子のがんとのやさしい付き合い方/そこが知りたい」というコーナーがあります。2007年にご自身も乳がんになられたタレントの山田邦子さんがさまざまなドクターたちと対談して、がんの先進医療や転移・再発を防ぐ生活習慣などをお話していく連載です。今回は7月号の取材で、みらいメディカルクリニック茗荷谷院長の浜口玲央先生との対談をされました。

　内容は「ステージ４のがんも長期間の寛解状態に導く　がんをおとなしくさせる食事術」というものです。この雑誌は、基本的には先進医療についての紹介なのですが、昨今、このコーナーで扱う話題は俄然、食事に関するものが多くなっています。

　さて、浜口先生によると、「がんの原因の95％は生活習慣」ということで、決定的な遺伝子の変異が原因となるのは５％くらい。それ以外は環境要因に基づくということですから、どう考えても生活環境は侮れませんし、その中心となる食事の内容や摂取の仕方は大切です。先生は、その考えに基づいた研究による食事法を提唱されているのです。

　大きなポイントとしては、「体内環境をアルカリ性に傾ける」「身体の中の炎症を下げる」「免疫力を上げる」の3点。

　がんにはがん特有の代謝があり、がん細胞は酸性に大きく係っているといいます。正常細胞のpHは7.0で中性ですが、7.0を下回るほど酸性に傾き、高くなればアルカリ性になるということで、これは自宅でも尿をリトマス紙で測定すれば知ることができます。

　食品でいえば酸性に傾ける品目が、乳製品、肉、魚、穀類など。アルカリ性に傾ける品目が果物、野菜など。飲料としては赤ワイン、白ワイン、コーヒーなどが挙げられました。

　先生も野菜や果物を豊富に摂取することを奨励されていらっしゃいました。ここで気になるのが、どのように調理をしたらよいのかということ。ローフードを推薦される先生や、生で食べないほうがよいという先生、野菜スープを推薦される先生などもいらっしゃるので大いに気になるところですが、ここでは調理方法についてはこだわることなく、量が大切とのこと。そしてがん細胞が好む糖分やがん細胞の代謝に関与する塩分は控えることが大切なようです。これはがんのみならず、他の生活習慣病にもいえることではありますね。

　次に身体の炎症を抑えるためには、DHAやEPAなどの必須脂肪酸や荏胡麻油、亜麻仁油などのω―3系の油とオリーブオイルなどω―9系の油を摂取するとよいとのことです。

　さらに炎症に効果があるものとしては夏白菊（フィーバーフュー）のハーブティがあげられました。これにはパルテノライドという成分が含まれており、体内の慢性炎症に関与する生理活性物質「NF-κB」に特異的に結合して、その働きを抑制する作用があるとのことです。また梅の皮と果肉の間に含まれているトリテルペノイドという成分を積極的に摂取するとよいとのことでした。

　最後に免疫力を高める食品はといえば、βグルカンのキノコ類。私が他のページで書いている「コホート研究」や「ヒト臨床試験の研究論文」などをベースにした「宮西ナオ子のがんの生存率・再発率に関する食事・栄養やサプリメント成分の研究比較」でも、常にキノコの成果はあげられています。

　食材に対してあまりに神経質になっても人生の歓びが半減してしまいそうですが、やはり知っておくのは興味深いものですね。

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　　　プロフィール
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宮西ナオ子（みやにしなおこ）

博士（総合社会文化）著述家　生き方研究家
女性能楽研究家、ジェム・ストーン・エナジー研究家
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