ヒューマンサクセスサイエンスユニバーシティについてご案内しています。

みなさんは、本多 静六（1866年8月11日1952年1月29日）さんをご存じでしょうか？

｢人生即努力、努力即幸福｣をモットーとして、戦中戦後を通じ「働学併進」の簡素生活を続けた方です、生涯で３７６冊もの著作を残し、
蓄財と投資による「巨万の富」を得るも、仕事を退官すると同時に、ほぼすべての財産を寄付しました。さらに林学者、造園家としても有名で、日本国内の多くの公園を設計。北は北海道から南は九州、韓国や台湾の公園までも携わっています。私たちになじみのある日比谷公園や明治神宮、大宮公園、奈良公園などをはじめとしてその数は限りないほどで、日本の「公園の父」といわれました。

　さて、それでは本多静六さんの生い立ちから見てみたいと思います。彼は埼玉県久喜市に住まいする折原家の第６子として誕生しました。子供時代は学問には無関心なガキ大将だったそうで、ひたすら楽しく遊んでいたそうです。ところが９歳のときに父が脳溢血で急死すると多額の借金が舞い込み、極度の緊縮生活を余儀なくされることに……。

　ここで静六さんは、家運を挽回しようと向学心を高め、「自覚的努力」の第一歩が始まったといいます。

　１４歳からは農閑期の半年間は上京し勉学に励み、農繁期の残り半年間は帰省して農作業に勤しむ生活を繰り返しました。そして苦学の末に官立の東京山林学校に入学します。

　ここでは先生の励ましから「努力しさせすれば人並み以上、天才近くにもなれる」という大いなる信念を抱き、その後も猛勉強を続け、東京山林学校を主席で卒業します。

　25歳の時に、元彰義隊隊長・本多晋さんの一人娘、栓子さんと結婚。東京山林学校の卒業とともにドイツに留学し、林学を追究するという幸運に恵まれますが、なんと、今度は本多家が詐欺に遭ってしまうという事件に遭遇。留学中の送金が途絶えてしまいます。

　そこで静六さんは４年間の課程を２年間で修了しようと考え、毎晩３～４時間睡眠という猛勉強を果たし、ミュンヘン大学博士号を取得しました。これもすごいことですね。

　さて1892年にドイツから帰国すると東京農科大学（現在の東大農学部）の助教授に就任しました。当時でも大学を卒業して間もなく、まだ25歳という若さでの就任は異例のことだったといいます。そしてこの年の９月から85歳で亡くなるまで、著述原稿として価値をもつだけのクオリティの原稿を１日１ページ書き続ける行ないを実践します。

　同時にこの時から「月給4分の1天引き貯金」を行い、それを元手に投資をして巨万の富を得、株式投資家としても有名になり「蓄財の神様」といわれるようになります。

　当時の静六さんは多忙でした。通常の講義だけでなく演習林の管理や大隈重信からの依頼で東京専門学校（現在の早稲田大学）の講師を嘱託されるなどしていたからです。そのほか日比谷公園の設計、明治神宮の造林、国立公園や大学演習林の創設に携わるといった大きな業績を次々と残していくのです。

　そして1927（昭和２）年の停年退職を機に、家族に最小限度の財産のみを残し、学校や育英・公益の関係諸財団へ匿名で寄付。その２５年後、1952年1月29日、満85歳で死去。

　数多くの処世訓も残されました。「経済の自立なくして自己の確立はない」「職業の道楽化」「見栄を捨て生活を合理化する」など多数あります。著書に『私の財産告白』『私の生活流儀』『人生計画の立て方』『本多静六自伝　体験八十五年』（実業之日本社）『わが処女の秘訣』（ 三笠書房 知的生きかた文庫)などがあります。ぜひとも読んでみてくださいね。

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　　　プロフィール
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宮西ナオ子（みやにしなおこ）

博士（総合社会文化）著述家　生き方研究家
女性能楽研究家、ジェム・ストーン・エナジー研究家

最新出版書籍
『菜食は素晴らしい~1週1菜の奇跡~」

『秘技の整体　アスリートから神様と呼ばれた安藤道彦』

（ともにシンシキ出版）




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