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　来週の2月23日は天皇誕生日の祝日です。
長年の慣習から「あれ？　天皇誕生日は12月23日ではなかったの？」と思うかもしれませんが、2019年（令和元年）5月1日に上皇陛下が退位され、今上天皇が即位されて、元号が平成から令和へと変わりました。

　こうして令和の時代になると、天皇誕生日も今上天皇の誕生日である2月23日に移ったのです。
したがって昨年の12月23日は祝日から外され平日になっています。

　日本の歴史を振り返ってみると、「天皇の誕生日を祝う」という習慣は古く、すでに8世紀には「天長節」として祝われた記録が残っています。
これは「天は長く地は久し」(老子)からとった言葉で、「天地が永久であるように天皇の治世も長く続くように」という意味が込められているといいます。

　この天長節が「国の祝日」になったのは1873年（明治6年）のこと。
さらに1948年（昭和23年）には「国民の祝日に関する法律」が制定され、天長節は「天皇誕生日」という名称になり、歴代の天皇の誕生日は、これまでと違う呼称で国民の祝日になりました。

　1912年に崩御された明治天皇の誕生日は11月3日。
1927年には「明治節」という祝日が制定されましたが、1948年の「国民の祝日に関する法律」制定により、「明治節」は廃止され「文化の日」になりました。

　大正天皇の誕生日は8月31日ですが、こちらは祝日には定められませんでした。
大正天皇の在位が短かったことなどの理由で休日にはならなかったそうです。

　多くの人にとって懐かしいのが、昭和天皇の誕生日の4月29日ではないでしょうか？

　かつてはゴールデンウイークの先駆けになる日でもありましたが、現在も「昭和の日」と名称を変えて祝日に制定されています。

　昭和天皇が崩御すると、天皇誕生日は明仁上皇の誕生日(12月23日)に移動しますが、４月29日は昭和天皇が自然を愛していたことから「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」という意味合いを込めて、「みどりの日」として祝日になりました。
その後、「みどりの日」は2005(平成17)年の祝日法改正で「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」ということから、「昭和の日」と名称を改められたのです。なんと、これは戦前の「天長節」から数えると3回目の名称変更となります。

　一方、18年間続いた「みどりの日」は2007年の「改正祝日法」に伴い、5月4日に移動しました。
そこで4月29日の「昭和の日」と共に、さらにゴールデンウィークを構成するありがたい祝日に追加されたのです。

　それでは平成天皇の誕生日、12月23日は、なぜ祝日にならないのかというと、現在、ご存命中の上皇陛下の誕生日を祝日にすると、今上天皇との間で「二重権威」が生じる懸念があるためといわれます。
そのためご逝去後に検討する可能性はあるとしても、少なくとも上皇陛下がご存命中は祝日にならない見込みのようです。

　さて、このような歴史の流れを味わい、2月23日は改めて天皇陛下のお誕生日をお祝いすると共に、日本独自の祝日の意味合いを味わいながら、これまで無事に生きてこられた日々に感謝したいものですね。

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　　　プロフィール
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宮西ナオ子（みやにしなおこ）

博士（総合社会文化）著述家　生き方研究家
女性能楽研究家、ジェム・ストーン・エナジー研究家

最新出版書籍
『菜食は素晴らしい~1週1菜の奇跡~」

『秘技の整体　アスリートから神様と呼ばれた安藤道彦』

『一扇　ICHISEN』

（ともにシンシキ出版）




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