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　今月8日にマウイ島で起きた山火事のニュースには本当に心が痛くなりました。お見舞い申し上げる次第です。

　ハワイ諸島の一つのマウイ島は、広大なハレアカラ国立公園を持ち、ハレアカラ火山、オヘオ渓谷の池や滝、加えて30 マイルにわたって連なる黄金の三日月に例えられるカパルアビーチなどの美しい景観をもつ島です。

　この島の西部にある海岸沿いの町がラハイナです。19世紀前半にハワイ王国の首都が置かれ、その後は捕鯨の拠点港として繁栄し、歴史的な街並みが残っている町でした。

　これまでマウイ島観光に行かれた方も多いと思いますが、このマウイ島のラハイナが火事により壊滅的な被害を受けたということで、このところ連日、ニュースが流れています。

　山火事は、強風にあおられて市街地に急速に燃え広がり、ニュースによると、1週間たった15日になって、死亡が確認された方は106人。
連絡がつかない人は1300人ほど。米国の山火事の犠牲者としてはこの100年余りで最多といわれています。

　壊滅的な被害を受けた観光地のラハイナは、約880万平方メートルが焼失し、映像で見るラハイナの町は、まるで爆撃を受けたように焼けただれています。
PDC（太平洋災害センター）によると、2200棟余りの建物が損壊し、そのうち86％が住宅地で、避難する必要がある人は4500人に上るとのことです。

　この山火事の原因については、さまざまな説がインターネット上に流れており、陰謀論めいたものも見受けられますが、複数のメディアによると、ハワイの南を通過していたハリケーンによる強風で切れた送電線が火元になった可能性を指摘。
そのため住民が電力会社を相手取り、集団訴訟を起こしたというニュースも流れています。

　また山火事が広がった大きな要因と考えられているのが数点ありますが、そのひとつは、5月末ごろから乾燥した日が続いており、急激なスピードで乾燥が進む「フラッシュ干ばつ」に見舞われ、火が燃え広がりやすい状態になっていたのではないかということ。

　さらに、もう一つは、マウイ島をはじめとしたハワイ州の島々で生息面積が広がっている、ギニ（ネ）アキビなどの外来種の植物だということです。
この植物はアフリカとイエメンに自生する大きな多年生の束草で、元々は牧草として島に持ち込まれたといいますが、2016年にマウイ島でサトウキビ栽培が終わり、農地面積が減ることにより、これらの草は耕作をやめた場所を埋めるように広がっていったというわけです。
現地の消防士からは、この5年間に「火事の炎がより高温で速く燃え広がるようになっている」という報告もすでにあったそうです。
そして「これらの草は簡単に着火し、驚くほど速く、高温で燃える」と指摘しています。
米国消防局のトップは火災が極めて速く広がったのは、これらの雑草が火種になって地面に近いところで水平に広がったため、どんな初期消火も追いつかないような速さで建物から建物へと燃え広がったと分析しているのです。

　またューヨーク・タイムズでは、消防士などの話から「火災で水道管が破損し、消火栓から水が出なくなった」ということも伝えています。
このように複数な要因が重なって被害の拡大につながったという見方が大きいですが、確かに大きな出来事が起きるときは、さまざまな原因が重なるものですね。

　いずれにして１日も早く、被害に遭われた方々が、穏やかな日々を取り戻せるようにお祈りするばかりです。


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　　　プロフィール
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宮西ナオ子（みやにしなおこ）

博士（総合社会文化）著述家　生き方研究家
女性能楽研究家、ジェム・ストーン・エナジー研究家

最新出版書籍
『菜食は素晴らしい~1週1菜の奇跡~」

『秘技の整体　アスリートから神様と呼ばれた安藤道彦』

『一扇　ICHISEN』

（ともにシンシキ出版）




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