ヒューマンサクセスサイエンスユニバーシティについてご案内しています。

　飼い主とその愛犬はよく似てくると思いませんか？
私も今まで30数年間、歴代の犬を飼ってきており、現在は4代目の愛犬がいますが、なんと顔も性格も似ていると思わざるを得ませんし、友人からもよくいわれます。

　しかもこれまで飼ってきた愛犬は犬種も性別も、入手先も全て異なっているのに、不思議なことに、どの犬も徐々に私に顔はもちろん性格までが似てくるわけです。

　見渡してみれば、私のみならず、友人の愛犬家にも同様の現象が起きているようです。

　これは不思議だと長い間、思っていたところ、ある人が「飼い主の遺伝子が犬に飛ぶ」という説を語っているのを聞いて、それはあり得るような話だけど、でも、どうして自分の遺伝子が犬のところに飛ぶのか不思議でしたし、もし、そうならば、そのメカニズムを知りたいと思っていました。

　そのような時、薬剤師の友人がマイクロバイオームの話をしてくれて、妙に得心してしまったのです。
遺伝子は約３０億対の塩基配列で構成されていますが、細胞内にある４６本の染色体に収められていて、その解読が長い間、行われてきました。

　ところが２００３年にこの研究を「完全な形で解読した」という発表が、米国立ヒトゲノム研究所などの国際チームにより科学誌『サイエンス』に掲載され、ヒトゲノムの研究は終わり、次なる研究の中心が、マイクロバイオームになったということです。

　マイクロバイオームとは多様な微生物が集まったコミュニティのこと。
土壌や水中にはそれぞれの環境に適応したマイクロバイオームがありますが、同様に人体にも、口の中や皮膚、腸内をはじめとして女性の膣内にもマイクロバイオームが形成されています。

　多種多様な微生物から構成されたマイクロバイオームは微生物同士が微細なバランスをとりながら周囲の環境に影響しています。

　そこでその機能を解析することで、病気発症のメカニズム解明や予防・治療法の開発、ヘルスケア貢献することができると期待されているわけです。

　その中で最も注目されているのが腸内フローラともいわれる、腸内のマイクロバイオーム。
約1,000種、約100兆個の細菌が存在しており、食事や年齢、運動、抗生物質の使用などによって影響を受け、健康状態、肥満、糖尿病などの生活習慣病などにも大いに関連を与えるといいます。

　さて、ここで愛犬と飼い主が似ている話に戻りますが、薬剤師の友人は、飼い主の皮膚に常在しているマイクロバイオームが、常に一緒に行動している愛犬に飛んでいき、その微生物の遺伝子が発動することによって、愛犬と飼い主が似てくると考えられるというわけです。
彼女はマイクロバイオームのことを勉強しているとはいえ、研究者や専門家ではありませんから、この説については、信憑性があるともいえません。

　簡単ではありますが、私もざっと調べたところ、そのようなことが書かれている文献もありません。
でも私についている常在菌の遺伝子が犬に影響を与えるという考察を聞き、長年の疑問が氷解していくような気がして、なんとなく嬉しくなったのです。

　今後、研究が進めば、そのようなこともわかってくるかもしれないと密かに期待しているところです。



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　　　プロフィール
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宮西ナオ子（みやにしなおこ）

博士（総合社会文化）著述家　生き方研究家
女性能楽研究家、ジェム・ストーン・エナジー研究家

最新出版書籍
『菜食は素晴らしい~1週1菜の奇跡~」

『秘技の整体　アスリートから神様と呼ばれた安藤道彦』

『一扇　ICHISEN』

（ともにシンシキ出版）




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