ヒューマンサクセスサイエンスユニバーシティについてご案内しています。

　フリーアナウンサーとして人気を博してきた古舘伊知郎さんが仏教に関心を持ったのは、お姉さまが亡くなったことがきっかけだったそうですが、以来、「生きる意味」を考え始めたといいます。
現在はご本人のYoutube「古館伊知郎チャンネル」で仏教に関するさまざまな情報を提供されています。

　先日、京都府京都市上京区上小川町にある実験寺院寳幢寺の松波龍源僧院長と対談している番組を見て、それがとても興味深く、感動しました。
この実験寺は、京都の織物工場の跡地に作られたもので、起業家、医師、学生、主婦、経営者、会社員などさまざまな方が集まっているということです。

　画面で見る松波総院長は、髭を生やして堂々とした雰囲気。
1978年生まれという46歳。
大阪外国語大学（現：大阪大学）外国語学部卒・同大学院地域言語社会研究科博士前期課程修了。
学生時代に武道と仏教に出会い、武術を深めるため単身で中国北京に渡り、5年間の武術修行を行ったといいます。

　帰国後、縁を得て仏門に入り、真言律宗総本山西大寺にて四度加行、伝法灌頂を受法されます。
ここで、さまざまな伝統的伝授を受けられますが、同時にミャンマーやチベットなどの高僧にも師事され山岳修行、霊地巡礼などの修行を積み、「21世紀の日本と世界にフィットした仏教修行のあり方を模索している」とおっしゃいます。

　現在では日本国内よりもミャンマー、台湾、米国などの海外での評価が高いともいわれています。

　私が見た番組は、「そもそも『悟り』とはどういうことか～『悟る』とはどういうことか？『お寺』の定義とは。仏教と科学。
工場跡地にある御寺で松波龍源さんに訊く（全編）」と「仏教で未来を変えられる～生死とメタ視点。
仏教から考える社会制度。
人間と他の動物との違い（後編）」というものでしたが、これらの番組が面白くてついつい見入ってしまいました。

　特に面白かったのは量子力学的の考え方に似ている話。
真言宗では宇宙そのものを表す仏様で、最高位の大日如来様と一対になる仏様が仏眼仏母という女性の仏様。

　仏眼仏母は、密教では、仏の智を象徴する眼を神格化した仏様で、大日如来の化身とされているそうです。
そこで大日如来様の輝きも威力も仏眼仏母様の「観測」なくしては、発揮されないというような話の流れになり、俄かに古舘さんが、量子力学の「観測」についての考察を提示しました。

　量子力学では、粒子の状態は「波動関数」と呼ばれる数学的な関数を用いますが、「観測」が行われるまでは複数の状態が重なり合った「重ね合わせ」の状態です。
でも「観測」されると、波動関数は特定の状態になります。
これが「観測されるまで存在しない」という現象といわれています。

　実際、量子力学のことについては、私も詳しくはわからないのですが、興味があって、勉強したいなと思っている状況ですから、古舘さんのおっしゃる説とマッチして、妙にわくわくしてしまいました。
さすがに松波総院長は、それを肯定も否定もしませんでしたが、仏教の教えにはさまざまな哲学的、物理的、科学的な側面が存在するのは確かなようです。

　このほかにもメタの世界と空の世界のことなども語られていましたが、例えば「亡くなることはログアウトすること」など、まさに今の時代にふさわしく、わかりやすい解説がなされました。
仏教はインターネットの世界やブロックチェーンの考え方とよく似ています。
このような考察の数々は興味がつきることなく、これからの生き方に希望の火が灯る明るい未来を感じることができました。


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　　　プロフィール
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宮西ナオ子（みやにしなおこ）

博士（総合社会文化）著述家　生き方研究家
女性能楽研究家、ジェム・ストーン・エナジー研究家

最新出版書籍
『菜食は素晴らしい~1週1菜の奇跡~」

『秘技の整体　アスリートから神様と呼ばれた安藤道彦』

『一扇　ICHISEN』

（ともにシンシキ出版）




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