神戸大過去問ー自由連想法と拡充法
2021年09月25日
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○○○○さん、こんにちは。
コロナ禍の中、来月からは行動緩和の見通しが少しずつ立ってきているようで、まだ油断はできないものの、嬉しいです。
さて、今回は、フロイトとユングの理論についての過去問を取り上げました。
ユング心理学を専門とする大学院が多いなか、ユングについて述べる際は、必ずといっていいほどフロイトの理論との比較が求められます。
両者の違いをおさえておくことは重要ですね。ぜひ参考にしてください。
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フロイトは精神分析療法において自由連想法(free association)を用い、ユングは夢分析において拡充法(amplification)という連想方法を用いた。まず自由連想法、拡充法について説明し、次に、連想というものがなぜ心理療法において重要であるかを説明しなさい。
(神戸大学大学院 2017年)
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【ポイント】
・フロイトの理論とユングの理論の根本的相違点を理解しておくこと(無意識の捉え方の違いは重要)
・両者の共通点として、問題で問われている「連想」の臨床的意義について述べるとよい。
【フロイトの自由連想法】
・無意識を意識化するための方法
・精神分析療法において、クライエントが、分析中に、頭に浮かんでくる事がらを抑え込むことなく、浮かんだまま言葉にするよう求められるもの。
・これによって自我によって抑圧されている無意識の部分が明らかになる。
具体的には、
・カウチに横たわって行う。
・頭に浮かんだことは浮かんだまま言葉にする
・1回45分~60分で頻度は週4回以上
【ユングの拡充法】
・ユングが考案した、夢を分析する方法
具体的には....
・クライエントが思い浮かぶことをできるだけ多く引き出す。
そこから多角的な連想を広げる。
・連想する際、昔話や神話との共通点から拡充させていく。(例えば、鬼が出てくる夢を見た場合、鬼=怖い、鬼=悪者、鬼=支配者・・・・)
・放射状に連想を広げ、その夢のメッセージを類推していくという意味で「拡充法」と呼ばれる。
・セラピストも同時に思い浮かぶことを語る対話のなかで、両者の中に何等かの意味が浮かび上がる過程を重視。
→ユングは、夢を無意識、特に「集合的無意識」が「意識」に対して送るメッセージと捉えており、
「意識」の偏りを補うために、夢は補償的に作用すると考える。
拡充法によって、夢の連想を、人類に共通の普遍的なイメージ(「集合的無意識」の領域にあるイメージ)と関連付けることで、クライエントの創造的無意識の活動を促進させることができる。
そうすれば、集合的無意識からのメッセージである夢と向き合うことができ、「意識」と「無意識」とのつながりを再構築し深めていくことで、人は「個性化」に至ると考えた。
【両者の違い】
自由連想法は、「意識」から排除された「無意識」内にある抑圧された記憶や葛藤を呼び起こそうとするもの。つまり、心には無意識というダークサイドがあって、その中に真実が隠れている(その真実が悪さをして症状を呈している)。自由連想法はその真実を解明していこうとするもの。
原因があってそこを、解釈して操作することによって治療していくという方向性がある。(原因志向)
一方で
ユングの拡充法は、原因は求めない。夢を材料にして連想を広げ、クライエントの無意識のイメージ世界の活性化をはかる。イメージ自体のもつ統合指向性という治療的作用に絶対的な信頼をおいている。イメージが豊かに盛んになっていけば、自然に心がバランスを取り戻していくという考え。治療者側の操作はしない。(未来志向)
【心理療法における連想の意義】
・連想は、無意識を探求するための手段。気づかなかった自分に出会うための手段(気づかない部分が、意識に統合されていくプロセス)。
・それによって、意識がより高度な次元へと成長していく。
・自己治癒力の活性化
などが挙げられるかと思います。他にもいろいろ考えてみてください。
【補足】フロイトとユングの違い
〇無意識の捉え方
<フロイト>
無意識を個人の心理過程と捉え、個人の成育史や記憶に帰するものと考えている。
無意識とは、個人史の中で抑圧された経験、葛藤、願望が眠る領域。原始的、衝動的で混沌としている領域。
<ユング>
無意識を個人の心理的過程としての「個人的無意識」と人類に普遍的な「集合的無意識」の2つに分ける。つまり、個人を超える無意識を想定した。
集合的無意識とは、人類が連綿と受け継いできた心的内容。集合的無意識を形成する象徴的イメージとして元型がある。
意識と無意識は相補性をもつ。意識と無意識のバランスが崩れ相補性が保てない場合に心理的問題が起きる。「自己」を中心に、「無意識」の深層を「意識」に統合して、心の「全体性」を回復していくことが重要と考える。その過程を「個性化」と呼ぶ。
〇夢のとらえ方
<フロイト>
夢は、願望充足。無意識に眠る抑圧された願望が、睡眠状況下で抑圧が緩むことによって検閲を受けながらも意識にあがってきたもの。
<ユング>
夢は意識に対して補償的に作用する(心のバランスの回復のために)。
それは一面的な自我の在り方に対する補償であり元型の表現である。
※以上あげたものはごく一部です。ユングとフロイトの違いは他にもありますので、ユングがよく出題される大学院を受ける方はおさえておきましょう。
ここまでお読みくださりありがとうございます。
お役に立てば幸いです。
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