このメルマガの説明はありません。

こんにゃろう通信

東京大学過去問☆世代間境界(家族療法)

2024年03月02日


Youtube動画「英語で楽しむ心理学」応援よろしくお願いします。
https://www.youtube.com/channel/UCRezPZStziv61W0kxo2uqqg?view_as=subscriber
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

研究計画書でお困りの方はぜひ、こちらの講座をご検討ください。
一一初めてでもやればできる!『受かる研究計画書完成講座』のご案内一一
https://study-shinrigaku.com/course-research-proposal/

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
過去問添削も行っております。気軽にご利用ください。
https://study-shinrigaku.com/kakomon-tensaku/

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
志望理由書の添削も行っております。
https://mail.omc7.com/l/03BbNA/ZKMYNDul/

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

○○○○さん、

こんにちは。
花粉の季節になりましたね。
鼻がむずむずしております。○○○○さんはいかがですか?


さて、今回は家族療法に関する過去問を取り上げました。

家族療法は、家族をひとまとまりのシステムとみなし、(家族を巻き込みながら)クライエントの理解と支援を行う心理療法です。

虐待、DV、ひきこもりなどを考えるときには、必ず、その家族の抱える葛藤が背景に浮かび上がってきます。家族関係の歪みやこじれを紐解くためには、家族療法の考えはとても大切になります。
受験では必須知識になりますので必ずおさえましょう。

///////////////////////////////////

家族関係の発達において、世代間境界の成立は重要であるとされている。世代間境界の臨床心理学的意義について説明しなさい。

(東京大学大学院 年度不明)
///////////////////////////////////


【家族療法の基本的考え方】

・クライエント(家族療法ではIPと呼ぶ)の症状は家族システムの歪みであるととらえ、家族をひとつの治療単位とする。

・IPという観点
Identified Patient 「患者とみなされる人」
不適応行動や症状をみせている個人を、「クライエント」と呼ばずに、IPとよぶ。

なぜなら・・・
・家族メンバーは相互に関わっており、そこには連鎖反応が存在する。これらの連鎖反応は反復性と予測性をもち、家族の問題は、家族システムに内在するこの連鎖反応の中に存在する。

そのため、問題は、特定の誰かから生じているのではない。IPの問題はその連鎖反応の1側面であると理解する。
(円環的因果律=家族メンバーそれぞれが原因であり結果である。)


【主な代表的学派】

〇多世代派………ボーエン(M. Bowen)、ナージー(Ivan Boszormenyi-Nagy)などにより創始。
家族システムの歴史や発達の過程に着目し重視するアプローチ。個人・夫婦・家族を数世代の拡大家族システムの歴史的枠組みの中で理解する。(象徴神話/世代間伝達)


〇構造派……….ミニューチン(Minuchin,S.)によって創始
家族システムの構造特性を、境界boundary、提携alignment、権力powerの3つに注目して規定する。適切な世代間境界を持つ家族の再構築を目的とする。(下記参照)


〇コミュニケーション派…………ジャクソン(Jackson,D.D.)により創始。
個人や家族の問題はなんらかのコミュニケーションから成り立っていると考える(語用論)。コミュニケーションの機能不全的な連鎖に介入し、それを修正することを目的とする。

⇒今回取り上げた過去問に出ている「世代間境界」は構造派の考え方ですので、多世代派とコミュニケーション派の説明は割愛し、構造派のみ解説します。


【構造派の「世代間境界」】


〇世代間境界とは…
家族システムは世代別に階層化されている。
「親世代のサブシステム」と「子世代のサブシステム」との間には、見えない境界線がひかれている。

〇健全な家庭は…..
この境界が適度にひかれており、親世代が連合し、夫婦がパートナーとして機能している状態である。

〇この境界が曖昧だと….
片方の親(例えば、母)と子どもが連合してしまい、もう一方の親(例えば、父)が子どもと疎遠になり、「両親連合」が破綻する。

⇒片親(母)と子は密着し、子どもの個人システムと片親(母)の個人システムの境界をも侵害し、お互いの自立を奪い合う。

⇒また、子は親の問題に深入りし、夫婦間の問題に巻き込まれ、子としての立場を見失う(親代わりの子どもParental Child)。

⇒このような歪みがやがて、不適応行動として顕在化していく(不登校、ひきこもり、家庭内暴力など)。

〇介入
片親と子の共生的サブシステムを解体し、両親連合をつくりあげることが要となる。
家族の構造の再構築をめざす。

〇技法
ジョイニング/リフレーミング

枠組みづけ/エナクトナント/課題設定/トラッキング/アコモデーション/マイム/再編法/症状焦点化/構造変革 など。(ただし、ここまで受験で覚える必要はない。)


〇意義
・子どもの呈する問題行動に親世代の夫婦関係が与える影響を理解することができる。例えば、不登校などの子どもの問題には、母親の子育てに焦点が向きやすかったが、養育に父親が参加することの重要性や、夫婦関係の改善を促すことで、より多面的で効果的な介入ができる。

・世代間境界を意識することで、家族メンバーそれぞれが、互いの関係の在り方を見直す機会につながる。

・家族全体で適切な対処法を工夫することで、家族の問題解決力をエンパワメントすることができる。

ほかにもいろいろ考えられると思いますので考えてみてください。

ここまでお読みくださりありがとうございました。
お役に立てば幸いです。

記事一覧

今後のメルマガについて

配信解除の希望はこちら⇒解除専用ページURL メールアドレスの変更はこちら⇒変更専用ページURL ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ○○○○さん

2025年03月31日

1 件中 1〜1 件目を表示