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　先日、浪曲師であり歌手の澤雪絵さんの取材をしました。
実は雪絵さんとはかなり前に会ったことがあり、お互いに存在は知っているものの、どこでお目にかかったか……。
久々にお目にかかってお話を聞き、感動しました。

　雪絵さんは、これまで浪曲師として17年間、活躍してきましたが、なんと、昨年は歌手デビューを果たしたといいます。
現在は、2足のわらじで人気を博しているのです。

　それでは浪曲とは、どのような芸能でしょうか？
落語や講談とともに「日本３大話芸」のひとつといわれ、明治時代の初期から始まった演芸といわれます。
「浪花節」といえば、わかりやすいかもしれません。
もともとは800年前の浄瑠璃や説経節、祭文語りなどが基礎になった大道芸が始まりともいわれます。

　三味線を伴奏に、七五調のリズムを使った独特の節と語りで「泣き」と「笑い」の物語を展開。
その語り芸は、平均約30分ほど。

　最盛期の昭和初期には日本全国に約3000人の浪曲師がいたといいますが、時代の変化とともに衰退してきたようです。
とはいえ思い起こせば、私の祖父も晩年、毎日、病床で浪曲を聞き、最後、浪曲を聞きながら亡くなったと聞いたことがあります。

　そんな伝統芸能に雪絵さんが興味を示したのは、娘さんが三波春夫さんの浪曲を聞いたときに、とても興味を示したからだといいます。
歌謡界で活躍し、「お客様は神様です」という台詞で有名な三波春夫さんも演歌歌手であると同時に浪曲師だったのです。

　これをきっかけに雪絵さんは浪曲に興味を抱き、ウェブで検索。
さまざまな浪曲師の中から、魅力を感じたのは澤孝子師でした。
雪絵さんは、孝子師の浪曲を聞いて「まさに、魂から湧いてくるような声」に魅了され、孝子師の門下に入門したのが、2006年10月。

　以後、熱心な取り組みをして、半年が経過した翌2007年の5月には、孝子師の菩提寺にて初舞台。
翌6月には木馬亭定席にて初口演となりました。
その後、雪絵さんの活躍は大きく飛躍していき、2020年第75回文化庁芸術祭では大衆芸能部門 「春日局」「姿三四郎恋暦」で新人賞受賞を受賞し、ますます浪曲会もたくさん催すようになりました。

　ところが2022年5月21日、孝子師が脳出血のため、千葉県柏市の病院で急逝してしまったのです。
享年82歳でした。
突然、師が亡くなって呆然とした雪絵さんは、今後、どのようにして浪曲の技術向上をしていくのか。同時に1人でも多くの人に浪曲を知ってもらうためにはどうしたらよいのだろうと考えあぐねていた時に、歌手デビューを勧められ、新曲を用意してくれた恩人に会いました。

　そして2023年2月22日　雪絵さんは「風の演歌節」で歌手デビューをはたします。
この年は9月と11月にイベントも開催。浪曲をはじめとして、ジャズやゴスペルまでさまざまな歌を歌いました。
そして今年2024年の5月26日には浅草木馬亭にて「Soul of 浪花節　澤雪絵　木馬亭の会 vol1」として第1回目を開催します。
この会を開催するきっかけになったのは、師匠からの切なる願い。
「浪曲の灯を絶やさないでほしい」という生前の言葉を守りたいという雪絵さんの願いでもありました。
同時にこの日は、歌手としての新曲「Soul of 浪花節　～阿波踊り編～」の発表の披露と配信も行います。
これからの雪絵さんの活躍が楽しみです。

お問い合わせは
モモアンドグレープスカンパニー℡０８０５０２８１２６１。


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　　　プロフィール
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宮西ナオ子（みやにしなおこ）

博士（総合社会文化）著述家　生き方研究家
女性能楽研究家、ジェム・ストーン・エナジー研究家

最新出版書籍
『菜食は素晴らしい~1週1菜の奇跡~」

『秘技の整体　アスリートから神様と呼ばれた安藤道彦』

『一扇　ICHISEN』

（ともにシンシキ出版）






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