社員の副業を認める前に考えるべきこと
社労士で採用定着士の西野です。
社長から受ける相談の中で、比較的
多いのが副業に関すること。
「社員の副業を認めるべきですか?」
数年前から、厚生労働省のモデル
就業規則も、原則副業可となり、
大きな流れとして国もその方向に
持っていきたいと考えているように
思えます。
私は、副業は許可制にするのが
いいと考えていますが、下記の点を
押さえることが重要です。
1. 本業に支障が無いこと
18時で勤務終了後、毎日日付が変わる
まで別の仕事をしていたら、本業にも
支障をきたすことが予想されます。
2. 競業避止と秘密漏洩
競合企業で副業されては、たまったもの
ではありません。また、そうでなくても
会社の機密情報が漏洩するのは大問題
ですので、これらの点も押さえて
おきたいところです。
3. 会社の名誉や信用を失墜しない
以前、私の知人の周囲であった話ですが
ある保育園の先生が、夜の仕事をして、
客として現れた園児の父親にバレて
大問題になったことがあるそうです。
まあ、その父親も家庭で大問題に
なったかもしれませんが笑
副業を許可する場合は、これらを
押さえた上で、逆に言えば、これらの
点をクリアしているにもかかわらず、
副業を禁止するのは、職業自由の原則
に反することになります。
一般的な考え方としては以上ですが、
私なりにもう1点付け加えたいと
思います。
ある社長から受けた相談で、
若手社員が副業の希望を伝えてきた
ようです。
もちろん、3つの点はクリアしています。
「許可しないといけないですかね?」
社長の表情から、本音としては許可
したくないようです。
若手社員が副業を希望する理由として、
残業が少ない会社なので、終業後の時間
がたっぷりある。
しかも若くて体力を持て余している
ので、副業をしてお金を稼ぎたい。
社長としては、残業無しの結果が副業に
つながることに、腑に落ちないものを
感じているようでした。
色々を聞いていくと、
「若いんだから、もっと自分磨きに
時間を使ってほしいんだよね。」
ここって、すごく重要なことだと
思うんです。
余暇を使って自己啓発というのは、
大企業の社員には当たり前の考え方
です。
それが未来の自分の立場や収入にも
影響することなので。
ところが、中小企業の社員の方には
このような考え方があまりありません。
実は、私自身の20代もそうでした。
社長には、このような考え方を伝え、
指導していただくようアドバイス
しました。
副業して得られるのは、ほんの小銭笑。
でも、自分磨きをすることで、将来
何倍にもすることが可能です。
もちろん、会社側もキャリアパスを
準備しておくことが必要です。
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西野社労士事務所・株式会社チーム力アップ
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