就業規則を金庫に眠らせてた会社の結末
社労士で採用定着士の西野です。
中小企業、特に社員10名未満の小さな
会社では、せっかく作った就業規則を
金庫や引き出しにしまいっぱなし…
そんなケースが少なくありません。
まるで「タンス預金」のように。
でも、それ、大きなリスクになり得るんです。
■就業規則には“効力を持たせる条件"がある
就業規則には、次の義務があります。
・作成義務
・労基署への届出(意見聴取)義務
・周知義務
このうち周知義務がポイントです。
例えば、社員10名以上の会社は、
就業規則を「作成し」「届出し」
「周知する」ことが法律上の義務です。
周知していないと労働基準法違反に
なります。
一方で、社員10名未満の会社は、
就業規則の作成も届出も義務では
ありません。
なので違反にはなりません。
でも、ここで勘違いが起きやすい。
周知されていない就業規則は、効力が
ない=「ないもの」とみなされる。
つまり、どれだけ立派な内容でも、
社員に周知していなければ「ただの紙
切れ」なんです。
■実際にあった、ある会社のケース
ある社員が、度重なる職務怠慢で取引先
に迷惑をかけました。
過去にも何度も注意してきたので、
社長はついに懲戒処分を検討。
就業規則に沿って、懲戒通知書も作成し、
準備万端——
…のはずだったのですが。
ふと確認すると、就業規則が社員に
周知されていなかったことが発覚。
懲戒処分は「就業規則に基づいて」
行う必要があります。
周知されていない就業規則では、処分
ができません。
仕方なく、まず就業規則を改めて周知し、
次に同様の問題が起きたときに、
正式な懲戒処分を実施しました。
ちなみにその時は、「けん責処分」=
始末書を提出させる軽い処分。
口頭注意とは違って、本人には
かなりのインパクトがあったようです。
■就業規則は「使える状態」で整えて
おくことが大事です
就業規則は、「作っただけ」では意味が
ありません。
ちゃんと周知し、運用できる状態に
しておくことが大前提。
でなければ、いざという時に問題社員
に対して適切な対応ができない——
という事態を招きます。
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