ヒューマンサクセスサイエンスユニバーシティについてご案内しています。

五代友厚さんと三浦春馬さん
「地位か名誉か金か、
いや、大切なのは目的だ」
～映画『天外者（てんがらもん）』～
　
　前回のメルマガでは渋沢栄一さんに触れましたが
「東の渋沢」に対して「西の五代」といわれるのが
江戸時代末期から明治時代中期にかけて活躍した
薩摩藩士であり実業家の五代友厚さん。

瓦解寸前だった大阪経済を立て直した
大阪経済界の重鎮の一人です。

　映画『天外者（てんがらもん）』では、
彼の生き様が紹介されています。

本映画は第94回「キネマ旬報ベスト・テン」で
読者選出日本映画ベスト・テン第1位や
読者選出日本映画監督賞など数々の映画賞を受賞しています。

　友厚氏役を演じるのが故三浦春馬さん。

昨年（2020年）7月18日に自死により
自宅マンションで亡くなられたと報道があった名優です。

その死因には少々不審なこともあったということで、
一時はSNS上でさまざまな憶測が飛び交い、
時にはＤS説にまでつながったことも……。

しかし人の噂も75日。
いつしか語る人もほとんどいなくなってしまいました。

　とはいえ春馬さんの演技の素晴らしさには
定評があり、まっすぐな生き方の姿勢に
深く共鳴していたところ、下高井戸の小さな映画館で
本映画を上演していると知り鑑賞にいきました。

映画名の「天外者」とは、
「すさまじい才能の持ち主」という意味だそうですが、
五代友厚氏の通称は「才助」。

その類まれなる才能を発揮し、行き先不透明な時代、
日本の未来に希望を抱き、坂本龍馬、高杉晋作、
勝海舟、大久保利通、寺島宗則、西郷隆盛、
トーマス・グラバー、大隈重信たちと交わり
明治維新や近代日本に大きな影響を与えるべく奮闘されてきました。

その真摯な姿が春馬さんの素晴らしい演技の中で展開していきました。

　映画のクライマックスで、
「金も名誉もいらない。
私は夢のある未来か欲しいただけだ。男も女も関係なく、
みんなが夢を見られる国を作りたい！」
と叫ぶ姿には、劇場内のいたるところからすすり泣きの声が……。

友厚氏のおかげで、
今の私たちの生活が築かれているのだと思うと、
心の底から感謝の念がわいてきました。

　友厚氏は、商売人にとって
「信用」は最も大切であるとし、不正を糾弾することで
信用を勝ち取るという信念の持ち主。

商人である前に「正義」や「大儀」を重んじる
一人の武士でもあり、不正を見逃すことも、
国益を損なうこともできない性分だったといいます。

そこにも春馬さんの生き様が重なります。

　本映画は2019年に制作され、春馬さん亡き後、
2020年12月11日に封切られました。

撮影中、春馬さんはどのような思いで、
取り組んでいたのでしょうか？

「利己的ではなく、利他的に生きたい」と
ラオスの子供たちのチャリティー活動にも熱心に取り組み、
明るい未来の創造を夢見ていた春馬さん。

49歳で亡くなった友厚氏の葬儀には
約5,000 人ほどの参列があったといいますが、
30歳で亡くなった春馬さんの葬儀は
コロナ禍ということもあり、当時の発表では
2021年の7月をめどに「お別れ会」を催すということになったそうですが……・

　映画が終わった後、劇場内では
号泣の中で大きな拍手が沸き起こりました。

春馬さんのご冥福を祈り、
友厚氏の偉業に改めて感謝しつつ、
まさに今、私たちの「生きる目的は何なのだろう？」と
深く考えるきっかけとなりました。
 
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　　　プロフィール
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宮西ナオ子(みやにしなおこ)

生き方研究家・Ph.D.（博士/総合社会文化）、
総合社会文化ライター・作家、
エッセイスト・インタビュアー、女性能楽研究家、
愛玩動物飼養管理士、
アルケミスト認定ユニバーサルヒーラー、
アルケミスト認定アニマルコミュニケーター。
上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒業後、
広告代理店、旅行代理店を経、
トラベルライターからフリーライターに。
環境問題、美容と健康関連、生き方についての
記事を新聞・雑誌・単行本等に執筆・講演。
経営コンサルタントの船井幸雄氏関連の
仕事と産経新聞の夕刊特集担当、
がん専門誌の記事執筆に携わる。
2001年には日本大学大学院総合社会情報研究科文化情報専攻入学。
2003年修士取得、2006年、女性が演じる能楽について
研究しPh.D.（博士/総合社会文化）取得。
同時に当時注目された書籍
『朝2時間早く起きれば人生が変わる!』や
『男性更年期はリニューアルの時』
『発酵のチカラ』『眠る前の7分間』
『女性と能楽』など関連のテーマで地方自治体、
倫理法人会ほか各地で講演活動などを行う。
また大手企業に「誉める技術とコミュニケーション」
「聞く力」などのセミナーも行う。
2013年、東久邇宮文化褒章受章。
東京新聞でペットと有名人のコーナーを担当し、
アニマルコミュニケーションやエネルギーワークなども学ぶ。



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