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経営者のためのZEI-Kメルマガ

【ZEI-Kメルマガ】「タダでもらった株」に税金がかからない仕組み

2025年10月06日

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【経営者のためのZEI-Kメルマガ】Vol.204
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○○さん、おはようございます。
京都の税理士、加藤博己です。

今週のメールマガジンをお届けします。
ZEI(税金)と様々なK(経営・経理・効率化など)に
まつわる情報を皆様のお手元に。

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★先週のブログ記事
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専門家によるコミュニケーション、相手との「情報量」の違いを意識する
https://katoh-tax.com/2025/10/05/information-gap/

収益事業を行わない公益法人等が、株式投資を行うと法人税がかかる?
https://katoh-tax.com/2025/10/02/capital_gains_tax/

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■今週のコラム:
「タダでもらった株」に税金がかからない仕組み
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メルマガのタイトルを見て
「怪しげな節税の話か?」
と怪訝に思われた方も多いかもしれません。

今回のお話は、最近ソニーが行った
「パーシャルスピンオフ」
という制度に関するものです。

ソニーが、ソニー生命やソニー銀行を運営する
子会社であるソニーフィナンシャルグループ
(以下、ソニーFG)の株式を、先月
「現物配当」としてソニーの株主に分配しました。

株主としては、配当として「お金」ではなく
「株式」を受け取ったということになります。

私もごくわずかですがソニー株を持っていたため
ソニーFGの株を受け取りました。

今回の件、普通に考えれば
「タダで株式をもらったのだから、
 所得税がかかるんじゃないか?」
と思いますよね。
私も最初はそのように考えました。

ところが、今回のソニーFG株の受取については、
所得税はかからない扱いになっているようです。

「えっ、タダでもらっておいて
 税金がかからないなんて、ずるい!」
と感じるかもしれませんが、
話はそんなに単純ではありません。

例えば、私がソニー株を100株、1株4千円
(合計で40万円)で買っていたとします。

今回ソニーFG株を受け取ったことで
私のソニー株を買ったときの値段(取得価格)が
自動的に修正されることになります。

具体的には、元のソニー株の取得価格40万円が
・ソニー株:317,600円
・ソニーFG株:82,400円
という具合に分割されます。

つまり、タダでもらったように見えますが
実際は持っているソニー株の価値の一部が
ソニーFG株に変わったということです。

株を受け取った時点では税金はかかりませんが
もし今後、ソニー株を売却するときは
売却価格から40万円ではなく約32万円しか
引くことができません。

売ったときの利益は増えますので
当然その分税金も増えることになります。

今回のパーシャルスピンオフに関する株主側の取扱いは
例えばリンク先の証券会社のウェブサイトなどで
わかりやすくまとめられていましたので
詳細を知りたい方はご参照ください。

松井証券:ソニーグループのパーシャル・スピンオフについて
https://support.matsui.co.jp/faq/show/52919?site_domain=faq

メルマガで難しい税金の話を深掘りするのは
このあたりで止めておきますが
今回の経験から改めて感じたことがあります。

「税理士とはいえ、全ての税制に詳しいわけではない」
ということです。

私も自分で株を受け取らなければ
ここまでこの制度について調べることは
しなかったでしょう。

日々の実務でも、お客様から質問を受けてから
必死に調べる、ということはよくあります。

もし皆様が税理士に個別にご相談をされる際は、
今回のパーシャルスピンオフのように
「どういった内容について相談したいか」
について、ざっくりとした概要だけでも
事前に伝えておくと、より正確で迅速な回答が
得られやすくなります。

専門家を上手に活用する際のヒントとして
いただければ。

【補足】
今回のケースは、前提としてソニーが
法律上の要件を満たす処理を行っているため
株主が株式を受け取った時点では
税金がかからない扱いとなっています。
会社側の処理が要件を満たさない場合は
株式を受け取った時点で株主にも
税金がかかるケースがあるのでご注意ください。

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編集後記
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先週、会場参加型のセミナー受講のために
大阪まで行ってきました。

セミナーのために大阪まで行くのは
かなり久しぶりでしたが
感想は「電車乗るの、メンドクサイ」。

オンライン型セミナーに慣れてしまうと
ここまでズボラになるものかと
我ながら驚きました。

適度に出かける用事を作った方が
よいのかもしれません。

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