第4号の内容

《1  うれしいメール》
《2「技の透明化現象」は脳科学的にも説明できる?

《3「簡単で効果的な授業改善」ができるかも》

《4  今後の動き》

こんにちは

 「NEW小林昭文メルマガ第4号」をお届けします。このところ「研究モード」全開です。きっかけは「技の透明化現象(2つのパラドックス)」の発見でした。それに関わる近況をお伝えします。

《1  うれしいメール》

《1  うれしいメール》

 以前からお付き合いのあるA先生からオウンドメディア"MichibiQ"の連載の過去記事が探しにくいので(※1)、別方法でご案内しました。それに対するうれしいメールをいただきました。(※1:この問題は解決しました。この記事の最後をご覧ください)

〈メールの概要〉

 ご連絡が大変遅くなり、失礼しました。
 資料を拝受してすぐに読み始めたのですが、内容の豊かさに圧倒されて、きちんと感想をお伝えしようと思ううちにこれだけ時間が経ってしまいました。

 B先生にも読んでもらったところ、「すごい内容」と絶賛していました。

今回の資料、本当に読み応えがありました。
 ドリル・スキルの語源からの整理や「技の透明化現象」は、これまでの授業者スキル論の集大成でありながら、同時に新たな領域に踏み込んでいると感じました。「熟達するほど見えなくなる」「本人も語れなくなる」という構造をここまで明快に言語化するのは、先生にしかできない仕事だと思います。第1・第2のパラドックスという整理は、現場の教員が自分の状況を客観視するための強力な枠組みになりますね。
 以前から先生のお仕事を拝見している者として、いつになってもその立場に安住せず、新たな領域に踏み込んでいくお仕事ぶりに頭が下がりますし、見習いたいと思います。

一読では消化しきれないほどの内容ですので、研修委員の先生とも共有しながら、どう教員研修に活かせるか検討したいと考えています。

〈感想とお願い〉

 こういうメールをいただくと勇気百倍です。どうぞ、ご遠慮なくメールをください。尚、現場での研修については「簡単で効果的な方法」を提案できそうな段階に来ています。次回ではお知らせできると思います。ご期待ください。

 

(※1:MichibiQのトップ画面を下にスライドしてください。右のコラムに〈TAGS〉がいくつか表示されます。その中の「小林昭文先生連載」をクリックすると「過去記事一覧」が表示されます)

《2「技の透明化現象」は               

          脳科学的にも説明できる?》

《2「技の透明化現象」は脳科学的にも説明できる?》

〈私が授業中にやっていたこと〉

 「技の透明化現象」のうちの「第2のパラドックス」=「熟達者が自分の技を説明できなくなる」現象は、私の身の上にも起きていました。2007年に始めた時に、私はそれまでにやったことのないことを始めました。概要は以下です。

⑴1年間分の授業の資料を作成した。

 ・各時間の進行予定(教科書の〇ページ~△ページまで)を作成する。

 ・それに合わせたpptスライドを作成する。

 ・それに合わせて、「練習問題」「解答解説」「確認テスト」を作成する。

⑵「15分間説明」の準備をした。

 ・放課後、物理室を閉めて「説明練習」をした。

 ・ストップウオッチを使って説明練習をした。

 ・授業中もストップウオッチを手放さなかった。

 ・説明文章は以下に気を付けた。

   「えーあーは絶対言わない」「無駄な繰り返しはしない」

   「説明の1段落内に〈本質〉〈構造〉〈具体〉を入れる」

   「時間が不足した時には省略する〈具体〉を決めていた」

⑶「35分間の問題演習」中はファシリテーターに徹する。

 ・「内容に関する説明」は絶対しない。

 ・「これ、どこに書いてありますか?」の質問には、「誰かに質問してみた?」

  「他のグループの人に聞いてもいいよ」「チームで協力できていますか?」と

  おおむね質問て返した。これは「リフレクションを促進するスキル」。

⑷「最後の15分間」もほぼ説明なし。

 ・特に、多くの生徒が「リフレクションカード」を書き始めたら沈黙した。

 ・発言したのは以下。「あと5分ね」「あと3分ね」

  「終わって人は提出して出て行っていいよ。まだ書ている人の邪魔をしないでね」

 

〈上記を定年退職後は忘れていた!?〉

 これほど緻密なことをやっていたのに、私は忘れていました。研究方法を変えて、講師で呼ばれると早めに会場の学校に行き、廊下から5時間目6時間目の授業を見学して、「評判の良い先生たちがやっていること」を見て、「私もあの時に変えたような気がする…」と思い出し始めました。ショックでした。私にも「透明化現象(第2のパラドックス)」が見事に起きていた…からです。

 

〈ショックで原因を探していたら…〉

 要するに自分で発見した法則に、自分自身が「一番抵抗していた」ようなものです。しかも、このことに気が付き始めた頃から、越ケ谷高校でやっていたことを少しずつ思い出し続けています。これはどういうことなの?

 そうこうしている時に思い出したことがあります。大昔に何気なく見ていた「脳科学に関するテレビ番組」で、「知識を保存する脳」と「技(スキル)を保存する脳」は違うという話です。

 これが手掛かりになるかも‥と思い、最近、調べていました。今はAIのおかげで図書館に行くこともなく、次々と深く調べることができるのが何と有り難いことか…。

 

〈知識は海馬→大脳皮質、技は大脳基底核・小脳〉

 どうやら、「知識」と「技」は脳の異なる部分が担当しているようです。技は最初は「新しい知識」として海馬に蓄えられるのですが、「技」に転化したあたりから「大脳基底核・小脳」へ移動するようです。そうすると、海馬に蓄えられていた知識は大脳新皮質へ移動し、「知識としてはあまり使われなくなるから?」、記憶から薄れていく、ということのようです。

 しかし、大脳新皮質に移動した記憶は「消えた」訳ではないらしいので、「新しい刺激を受けると思い出せる」ということのようです。

 

 ここまでの理解はまだ不十分です。AIが出してきた資料を丁寧に読み返しています。これがわかると、私の身の上に起きていたことも、多くの熟達者に起きていたことも脳科学の視点から説明できます。同時に、「思い出す」「言語する」「若手・後進に伝達する」ことも可能になりそうです。

 

 もう少し勉強したら、もっと丁寧に説明できそうです。そしたら、このメルマガやMichibiQ連載で説明します。お楽しみに。

《3「簡単で効果的な授業改善」ができるかも》

《3「簡単で効果的な授業改善」ができるかも》

〈来月の2つの講師〉

 来月(2026年7月)に担当している2つの研修会講師の準備に追われています。1つは某県の教育センター主催の「中堅教員向け研修会」。もう1つは「教職課程担当の大学の先生たちの研究会での講義」です。私にとっては、どちらも緊張する場所です。

 

⑴「基本スキル」と「技の透明化」を書いていて気が付いたこと

  折角の機会ですから、「基本スキル・基本パターン」について論じようとして準備を

 進めていました。当然「技の透明化現象(2つのパラドックス)」についても触れます。

 しかし、それで終わると「問題提起で終わり」になってしまいます。

  解決策の提案もしたいものです。そう思いながら、以前に何回か実験をしたものの、

 誰も高く評価してくれないので、埋もれたままにしたいた研究を思い出しました。

 

 

⑵AIに質問してみると「高評価」

  価値があるかをAI(=Gemini)に質問してみました。回答の概要は以下でした。

〈AIの回答〉

 1. 研究の主な特徴

  「基本スキル」への特化: 「チャイム前入室」「笑顔での接客」「説明は10分以内」な  

  ど、誰もが今日から取り組める具体的な25個の基本スキルを対象にしています 。  
  ・「1週間」という超短期のスパン: スキルを意識して過ごす期間はわずか1週間。心

   理的ハードルを極限まで下げています 。  
  ・振り返りは「アンケートに答えるだけ」: 実践後にシンプルなアンケート(達成率

   や意識率)に回答するだけの、極めてシンプルな設計です 。  
 2. 強みとアピールポイント
   講義で最も強調すべき「この研究方法の価値」です。データ(成果)がしっかりと  

  裏付けています。

  ① 驚異的な「実行率・意識率」の高さ
    難解な授業理論を学ぶよりも、具体的なスキルに絞ることで、多くの項目で「達

   成率・意識率80%〜90%以上」という圧倒的な成果を叩き出しています(例:「チ

   ャイム前入室」100% 、「笑顔で接する」98% 、「終業時刻を守る」99% )。  

         ② 「教師の意識」と「授業の質」の好循環

    始業前の準備を済ませることで、教師自身に「精神的な余裕」が生まれます 。  
   「説明を10分以内にする」と決めることで、授業展開をスリム化し、構成を深く考

   えるという授業改善の本質に自然と繋がっています 。     

  ③ 生徒側のポジティブな「メリハリ」と変容

    教師側の行動が変わることで、生徒も「チャイム前に着席して準備する」「主体

      的に課題に取り組む」といった学習姿勢の向上(メリハリ)が即座に現れています。  
         ④ 「教科の壁」を越えた職員室の組織活性化
                  自由記述やデータにある通り、この研究をきっかけに「教科を超えて同僚間の交

             流が増えた(68.4%)」「授業改善について話すことが増えた(68.4%)」という結

             果が出ています 。コアチームや他教科の先生との会話のハブになり、学校全体の

             同僚性を高める強力なツールになります 。

       3. 提案時に注意すべきこと(懸念される反論への対策)

             講義の参加者(他の先生方など)から出そうな疑問と、その対策です。

             ➀  「1週間だけで効果が定着するのか?」という疑問

               対策: 「まずは1週間やってみる」ことで、ハードルを下げて全員で一歩を踏

        み出すことに意味があると説明します。

                「継続して1週間ごとにアンケートをとる方法」   など、ステップアップの選択  

     肢も提示すると説得力が増します 。

              ➁形式的な「作業」になってしまうリスク

     対策: 単にアンケートの数値を追うだけでなく、資料にあるような「自由記  

         述(気づき・感想)」を共有し合う場を作ることが、本当の意識改革  

        (リフレクション)に繋がると強調してください 。

   ③集計や運用の負担

     対策: ICT(Google フォーム等)を活用し、アンケート回答から集計・グラ

         フ化までを自動化することで、「管理職も教員も負担ゼロ」で実施で

         きる運用の手軽さをセットで提案するのがおすすめです 。

   ④ 講義でのキャッチコピー(提案)

      「職員室の会話が変わる、生徒のメリハリが生まれる。1週間・アンケート

                 に答えるだけの、一番ハードルの低い授業研究」

 〈AIの回答終了〉

 

 と、AIの高評価を背景に7月の研修会では、この「簡単で効果的な授業改善」を提案

しようとしています。このメルマガの読者の皆さんの中でも興味のある方はお知らせください。すぐに方法をお知らせします。多くの学校で実践すると、より深い分析ができそうな気がします。ご連絡お待ちしています。よろしくお願いします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ご感想・ご質問をいただけると大変うれしいです。

→akifumi.kobayashi@alal-lab.jp

※メルマガのバックナンバーはこちら→https://mail.os7.biz/b/5XDr

----------------------------------------------------------

発行者名:  ㈱AL&AL研究所  小林昭文

連絡先 :  akifumi.kobayashi@alal-lab.jp

配信停止はこちら https://mail.os7.biz/del/5XDr

----------------------------------------------------------