GCA magazine  #5   

2025年9月号

 

ガーデンキュレーター協会のメルマガ「GCA magazine」は、設立総会や講座、ワークショップ等にご参加いただいた方や、お仕事の相談があった方等にお送りしております。

 

10月の「ガーデンキュレーター即戦力キャンプin北海道」は申込締切が9/25となっています。北海道の緑に関わる方はもちろん、他県からの参加も受け付けています。この機会をお見逃しなく!

 

 

【目次】

・column「一枚の写真から」by 山本紀久

・column「The Day Osaka デジタルツインプロジェクト 始まりました!」by 小島理恵

・「追分・矢指市民の森の生きものたち 」 by上原健

・協会からのお知らせ(10/4・5開催!即戦力キャンプin北海道)

求人情報(柳沢林業)

・おすすめの美術館「台東区立朝倉彫塑館」

 

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 ▷ column「一枚の写真から」 vol.4  by 山本紀久 

 

‘バイオネスト’はカブトムシの幼虫などの繁殖場となり樹林の生態系の多様性を高める 

 

‘バイオネスト’を発想し、初めて世に紹介したのは、今から13年前に発刊した「造園植栽術」の中で、その時に使用した写真は更に5年前の2007年に初めて埼玉県立大宮公園で実施しものである。

 

バイオネスト(BIO-NEST)の名の由来は、ギリシャ語で生命体を意味する‘BIOS’と、鳥の巣‘NEST’からの合成語で、名付け親は造園家の田瀬理夫氏である。それが今や全国各地で当たり前のよう使われるようになってきたのは、 環境時代を迎えて、森林、公園、庭園などの緑の拠点における自然環境や生物多様性の保全が共通の目標となってきた背景があり、その具体策として欠かせない「間伐」や「下刈」の必要性が認識され始めたことである。これを具体するための最大の課題は、間引、剪定、下刈、除草などの残滓の集積と搬出に手間と費用がかかることであった。

 

‘バイオネスト’はその解決策として提案したもので、の利点は、 ①伐採木、落ち葉や下刈残滓や抜いた雑草などをその場で処分できる  ②カブトムシなどの幼虫や昆虫の恰好の棲みかとなり樹林の生態系の多様性を高める ③継年的な樹林地管理で発生する間引き樹木や剪定枝葉などを持続的に受けいれられる ④綺麗に組みあげたバイオネストは自然地のモニュメントとしての価値を持つ ⑤老若男女の参加による協働制作を通じて緑の管理の楽しさと重要性が理解される ⑥不要になった場合もそのまま放置すれば自然に土に帰る・・・ などである。

 

この写真は、2024年10月8日に撮影したもので、長年関わってきた、防風林に隣接する、北海道の押谷ファームガーデンのバイオネストから、堆肥を搬出した際に確認した大量のカブトムシの幼虫の写真である。自身で言っていたことを確認できた感動の写真である。

 

 

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▷ column by 小島理恵 vol.5

「The Day Osaka デジタルツインプロジェクト 始まりました!」

この春からキュレーション業務をさせていただいている、大阪市の舞洲にあるホテル The Day Osakaにおいて、新たな測量プロジェクトを開始しました。

 

デジタルツイン(Digital Twin)とは、現実世界から収集した情報を、仮想世界(コンピュータ上)に双子であるかのように再現する技術です。今回は、UAV (Unmanned Aerial Vehicle:ドローン)および、TLS (Terrestrial Laser Scanner:地上型レーザースキャナー)によって点群データを取得し、現況図を作成します。

ちょっとわかりにくいですが、簡単に言うと、敷地全体を空中と地上から丸ごとスキャンして、仮想空間としてPC上に表示することができるようになるイメージです。これによって、樹木の間引き計画や、動線計画の見直しなどを施主にわかりやすく説明することができるようになると考えています。

 

このプロジェクトは、協会の顧問である鈴木先生(筑波大学芸術系 名誉教授)・東京農業大学 國井研究室・株式会社ユニマットリック様のご協力により、共同研究という形で進めさせていただいています。

 

そもそも、ガーデンキュレーションの現場において、「現況図が無い」現場が大半であり、年間管理業務の予算管理などがスムーズに進まないといった問題があります。また、その現況図作成に時間と費用が掛かることもあって、なかなか進まない現状がありましたが、今後、この技術を皆で活用できるようにして、キュレーション業務の効率アップと、アドバイス内容の向上につなげていきたいと考えています。

このプロジェクトの途中経過については、10月に開催予定のガーデンキュレーター即戦力キャンプにて、鈴木先生の講義の中でも紹介していただける予定です。

 

 

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▷  「追分・矢指市民の森の生きものたち」 by 上原健|vol.5

暑さに負けて8月中に追分市民の森へ出かけたのは4日間だけでした。何とかオオブタクサだけは引っこ抜きたいと思っていたのですが、熱中症が怖くて全然作業できませんでした。雨もぜんぜん降らなかったのでトンボ池では水が枯れて、カナムグラに覆われて無惨な状態。台風15号の影響でようやく雨が降った翌日の9月6日に様子を見にいくと、池近くの柿や梨の木が植わっている丘でノシメトンボ を見つけました。トンボの調査をしているE君から横浜市ではとても希少だと聞いていたのでじりじり近づいて写真に収めることができました。チョウではサトキマダラヒカゲやアゲハの仲間が目立ちますが、翅は擦れて傷んでいる個体がほとんどです。

暑さを乗り切れ、野の生き物たち!

 

 

*「ここの自然や生きものに関しては、世界で一番詳しい」という事務局長、上原が写真で綴る「旭区 追分・矢指市民の森ファンページ 」。季節と共にうつろう生き物たちの奥深い魅力を感じられます。ぜひフォローをお願いします。

https://www.facebook.com/oiwakeyasashi.shiminnomori

 

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● ガーデンキュレーター即戦力キャンプ 2025 in 北海道

人とガーデン、そして、デザイナー・オーナー・施工者をフラットに繋ぐガーデンキュレーター®養成のための講座を、北海道にて行います!

日時 :2025年10月4日(土)・5日(日)

場所:ノーザンホースパーク

(北海道苫小牧市美沢114−7 https://www.northern-horsepark.jp/

 

スケジュール

1日目(10/4) 集合11:00

午前 [見学]

北海道ならではのランドスケープを学ぶ

13:00 ランチ(合同) 

午後 [座学]

講師 山本紀久先生(ガーデンキュレーター協会塾長 CLA顧問)

   鈴木雅和先生(ガーデンキュレーター協会顧問 筑波大学芸術系名誉教授)

17:00 終了予定

※1日目の夜は懇親会(参加自由)

 

2日目(10/5)  集合 9:00 

午前・午後とも [ワークショップ] 主にK’s Garden の刈り出し作業

ランチ(各自)を挟みます。

15:30 終了予定  (空港までの無料バス 最終:16:00)

 

※プログラム内容は、変更になる場合もございます。

 

対象者

・山本紀久著「造園植栽術」を実践に落とし込みたいが、独学では難しいと思っている

・新しい形の植栽管理について知識と技術を習得したい

・草花も樹木も将来的にはどちらも専門的に取り扱っていきたい

・ビオトープなどガーデン以外の分野も仕事に活かしたい

・自身の持っている構想を具体化していくためのネットワークが欲しい

 

応募資格

・ガーデン・造園・農業・林業・建築・ディベロッパーなど、現場で緑に関連する業務を行っている方

・実務経験3年以上の方

 

参加費  

60,000円(消費税込み)

〈内訳〉受講料55,000円 + ノーザンファーム内の団体バス利用料及び1日目と2日目の昼食代:5,000円

※参加費に含まれないもの:開催場所までの交通費・宿泊費、懇親会費(参加自由)、2日目のランチ

 

申し込み及び、応募資格等に関する詳細はこちらをご覧ください。

https://g-curator.org/post/news/id2253/

 

参加申し込み

https://forms.gle/KrPe6JiGuDqPUxm77

 

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▶︎  求人情報 

 

このコーナーでは、協会に関わる企業や個人事業主の方から求人情報を集めて発信いたします。やりがいのある、より良い仕事を求める人のお役に立てればと思います。

求人・採用情報掲載の希望がある方は info@g-curator.org 宛てにご連絡をください。

 

今回は、信州松本平に根差して55年の林業会社、柳沢林業の求人を掲載します。ガーデンキュレーター協会設立総会の第二部シンポジウムにご登壇いただいたゲストのお一人、原薫さんが代表取締役を務めている会社です。ご紹介、情報のシェアも歓迎いたします。

 

【会社名・場所】

株式会社柳沢林業

(本社:長野県松本市岡田下岡田774-1)

 

【募集要項】

■主な業務内容:山林調査、立木の伐採及び材木の搬出、加工、販売、付帯する事務作業

■勤務地:長野県松本市を中心とした地域

■雇用形態:正社員 ※3ヵ月の試用期間あり

■勤務時間:8:00~17:00

■年齢制限:45歳まで

■応募資格:林業経験者、普通自動車免許(AT限定不可)、柳沢林業の理念に賛同してくれる方

 

【会社の特徴】

■経験者の方の育成も丁寧に行います。

・会社業務全般を把握できるよう会社案内を行います。

・基本的な〈伐倒・集材・採材〉作業の説明を丁寧に行う研修時間を用意します。

■未来に残す山づくり

・皆伐や間伐作業後の山作りも踏まえて施業を進めています。

・伐採・搬出作業だけではなく、次世代に残すための植栽作業や下刈りなどの育林作業も行います。

・施業した山林のデータ化を行い、資源の把握や活用に活かしています。

■所有機械

・チェーンソーは一人に一台貸与します。

・伐倒機械はハーベスターがありますが、基本的には造材使用です。

・グラップルは複数台所有。単胴式や複胴式のウインチを持つ物があります。

 

詳細を確認する → https://yanagisawa-ringyo.jp/news/post-7404?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

現在のスタッフ紹介 →https://yanagisawa-ringyo.jp/member

 

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▶︎  おすすめの美術館

 

「台東区立朝倉彫塑館」

「東京に行くのですが、おすすめのガーデンはありますか?」と聞かれた場合、私は必ず、「朝倉彫塑館」と答えます。そうすると、「ガーデンのことを聞いているのに、美術館を教えられた」と思われるのか?大抵、相手の方にはちょっと引かれて、実際には、あまり行っていただけていないようです・・(汗)

 

ここは、建築も素晴らしいですが、なんといっても、中庭である「五典の池」(https://www.taitogeibun.net/asakura/overview/goten/#)が素晴らしい。基本的に水と石で構成されており、四方見の庭ですが、どの角度から見ても完璧で、いつ行っても、手入れも素晴らしく、是非、一度は観ておいていただきたい庭です。また、建築当時としては珍しい屋上庭園もあり、これは、植物の世話を通して土に親しみ、自然観照の目を育むこと、触覚をはじめとする感覚を研ぎ澄ませることを目的とした、朝倉文夫独自の教育論に基づき、朝倉彫塑塾の園芸実習の場として利用されていました。

折しも、9月13日より、「生誕100年 ASAKURA Kyoko」という特別展が開催されます。朝倉の次女で、女流彫刻家の第一人者として活躍された朝倉響子さんの様々な作品を、ご自身が育った空間とともに堪能しに、私も行きたいと思っています。(小島)

 

朝倉彫塑館(東京都台東区谷中7丁目18-10)

開館時間:午前9時30分~午後4時30分 (入館は午後4時まで)
休館日:   月・木曜日(祝休日と重なる場合は翌平日)・年末年始・展示替え期間
入館料:    一般500円(300円) 小・中・高校生250円(150円)

括弧内は20人以上の団体料金
https://www.taitogeibun.net/asakura/

 

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編集後記

 

先月のメルマガでご紹介した、おすすめの展覧会。国立科学博物館・竹中大工道具館共同企画展「植物×匠 めぐるいのち、つなぐ手しごと」を観に行ってきました。企画展の展示内容もさることながら、久しぶりに常設展も堪能。感想はSNSに掲載しています。わずか630円でこれだけの展示が観られるってすごい!生命の不思議を学びなおすのに最適な場の一つだなと感じました。今回紹介された朝倉彫塑館もかなり昔に一度行ったきり。その頃は文夫の哲学など全く知らなかったので再訪したいと思います。

(メルマガ・SNS担当A) 

 

GCA magazineは毎月9日に発行しています。

 

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発行元

ガーデンキュレーター協会 事務局

〒235-0003 横浜市磯子区坂下町9-10-302

tel:045-750-0858(Q-GARDEN内)

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