GCA magazine #6   

2025年10月号

 

こんにちは。ガーデンキュレーター協会のメルマガ「GCA magazine」は、設立総会や講座、ワークショップ等にご参加いただいた方や、お仕事の相談があった方等にお送りしております。

 

【目次】

・column「一枚の写真から」by 山本紀久

・column「ハワイに行ってきました!」by 小島理恵

・「追分・矢指市民の森の生きものたち 」 by上原健

・協会からのお知らせ(ガーデンキュレーター即戦力キャンプ2025 in 北海道 開催報告)

・イベント情報「心地よい緑を探す旅 vol.3   既存の草地を活かす 7年の変化 — のはらとコミュニティ —」

 

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 ▷ column「一枚の写真から」 vol.5  by 山本紀久 

 

多彩な分枝形態を持つ ‘ウツクシマツ’ の自生地

 

ウツクシマツ’は、現地の解説によれば「滋賀県湖南市平松の美松山の斜面一帯約2ヘクタールに亘り、唯一日本に自生するアカマツの変種で、その特異な形態から1914年3月に国の天然物に指定されている。劣性遺伝により、地際に近い部分から幹がいくつかに分技して低い傘型の樹冠となるのが特徴で、その形態から4タイプに分類されている。

Ⅰ扇型(上方山形)地際から1.5~2mのところで幹が分枝して扇状になり、上部は山形となる Ⅱ扇型(上方やや円形)Ⅰと同型だが、上方がやや丸くなっている Ⅲ傘型(多形型)地際から幹が多数分枝しており、樹冠は傘型  Ⅳホウキ型 幹の分枝のしかたはⅢと同じだが、樹冠が狭いホウキ型になっている。」という。

 

 ‘ウツクシマツ’は、古くから‘タギョウショウ’とともに庭園に植栽されており、以前からその違いに疑問を持っていたが、自生地を見た上で、改めて文献などで調べてみると、その違いに諸説あることがわかった。

 

自身の結論としては、学名が両者ともに同じ(Pinus densiflora f.umbraculifera)であり、自生地にはⅢタイプのようにタギョウショウと類似した樹形の松が多く成立していることから、両者は単に形態、繁殖方法、流通による違いであるとの確信が持てた。改めて自生地での観察が重要であることを再確認させてくれた風景である。

 

                 

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▷ column by 小島理恵 vol.6 「ハワイに行ってきました!」

生まれて初めてのハワイは、「キプカを巡る旅」がテーマの旅でした。

キプカ(kipuka)とは、ハワイ語で「溶岩流が流れても、周囲を囲まれて島のように残された古い土地」を指す火山学の用語です。たまたま、溶岩が周囲で固まって、植生が残ったというようなところで、在来種が残されていることが多く、いくつかはハワイ州のトレイルとして整備されています。

今回は、2018年に大噴火したキラウェアの溶岩流の近くのコテージに滞在していたので、冷えた溶岩流を歩いてみたり、キプカのトレイルを歩いたり、世界中から集めた約200品種のヤシのコレクションがある、プライベートガーデンを案内していただいたりしました。

 

さて、ハワイを象徴するココヤシは「カヌープラント」と言われています。これは、ハワイの最初の定住民であるポリネシア人が衣食住に必要な植物を持ち込んだとされるもので、タロイモやサトウキビなどもこれにあたります。

さらに、人気のあるプルメリアやブーゲンビリアなどは、キャプテン・クックが最初のヨーロッパ人として上陸して以降、アジアや熱帯アメリカから持ち込まれたものです。

というわけで、実は、ハワイを象徴する植物は外来種であり、在来種=希少種になってしまっている特殊な植生の島なのです。

 

2018年の溶岩流のところでは、落ち葉だまりなどに早くも在来のシダやランが芽生え始めていました。約4000年前の溶岩流のキプカはやや乾燥しており、ハワイを代表する木であるオヒアやコケモモの仲間が林を形成し、約6000年前の溶岩流のキプカは、大きなコアやシダが生い茂るしっとりとした森でした。

ハワイ島で、森のはじまりから成熟までを一気に見るという貴重な体験をすることができました。

体験してみてから調べてわかったのは、ハワイは世界でも唯一無二の植物相を持つ諸島であるということ。さらに深く調べて、再び確かめに行きたくなりました。

 

 

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▷  「追分・矢指市民の森の生きものたち」 by 上原健|vol.6

9月末、南九州の鹿児島、宮崎を訪れました。10月初旬、今度は北海道の千歳、苫小牧、札幌に行ってきました。日本は広い!そして生物相は多様だ!改めてそう実感して横浜に戻ってきました。こうして少し足が遠のいている間に、私のフィールド、追分市民の森ではちゃんと秋の花が咲き、秋の虫が姿を見せていました。あんなに夏が暑かったのに、いつもの年と変わらずに。多種多様な競争相手や共生相手との複雑な関係性の中で生きている野生の動植物は簡単にはへこたれないようです。一方で人が植えたコスモスには今年の夏の暑さは堪えたようです。愛護会の皆さんの懸命な養生にもかかわらず、花はぱらぱらとしか咲いていません。毎年、短くなる秋、何年もこれが続けば、流石の野生の生き物もそのライフスタイルを変えざるを得なくなるのでしょう。心配です。

 

※写真は杉の切り株から生えていたキノコで種名は不明とのこと。キノコに詳しい方がいらしたら、ぜひ事務局までご連絡ください。

 

*「ここの自然や生きものに関しては、世界で一番詳しい」という事務局長、上原が写真で綴る「旭区 追分・矢指市民の森ファンページ 」。季節と共にうつろう生き物たちの奥深い魅力を感じられます。ぜひフォローをお願いします。

https://www.facebook.com/oiwakeyasashi.shiminnomori

 

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▶︎   協会からのお知らせ 

 

ガーデンキュレーター即戦力キャンプ2025 in 北海道 開催報告

 

2021年から始まった、ガーデンキュレーター養成のための合宿形式の勉強会が、この10月、北海道で初めて開催されました。

 

フィールドはノーザンホースパーク。敷地内に、ガーデンキュレーターである梅木あゆみさんが、デザイン・施工・植栽管理を行っているガーデンがあります。

 

1日目の午前中は、競走馬の生産・育成・調教を行う総合牧場である、ノーザンファームの1630haにおよぶ敷地の一部を、バスで巡りつつファームの担当者の方に解説をいただき、北海道ならではのランドスケープ、スケール感を体感しました。

午後からは、山本先生・鈴木先生の講義。鈴木先生の講義では、先日行った、The Day Osakaでのデジタルツイン構想の測量の実践方法や、現在進行中の図面データについて解説をいただきました。

 

2日目は、K’sガーデンでのワークショップです。ガーデン内をウォークスルーした後に、茂りすぎてしまった灌木の刈り出しと、バイオネストの製作を行い、作業後に再度、ウォークスルーを行って、作業の効果を確認しました。

天候に恵まれ、10月の北海道とは思えない、Tシャツ1枚でいられるほどの陽気に恵まれ、スタッフも含めて40名近い参加者が集い、充実した会となりました。

 

より詳細なレポートは、後日、改めてまとめる予定です。(小島)

 

 

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▶︎  イベント情報

 

心地よい緑を探す旅 vol.3 

「既存の草地を活かす 7年の変化 — のはらとコミュニティ —」

横浜市金沢区の谷津坂第一公園愛護会「のはらぐみ」の活動メンバーのお一人、ガーデナーの平工詠子さんからイベントの案内が届きました。

 

公園を、コミュニティガーデン且つナチュラルガーデンとして、多世代で楽しみながらお手入れしていることで注目されている「のはらぐみ」。各種メディアでの紹介もされているので、ご存じの方もいるかもしれません。今回のイベントでは、のはらぐみ自慢の「草地」に焦点をあてて、活動開始からの7年の記録をまとめた講座と見学&体験会が行われるそうです。午前の部は屋内での講座、午後の部は現地見学と体験になります。

 

「みなさんと一緒に、草地の活用やそこから広がる可能性を探り、体験を通して学びを深めていけたら嬉しいです」と平工さん。

 

※詳細は、下記リンク先の「よこはまseedlings」インスタグラムでご確認くだだい。参加申込はダイレクトメッセージにて承りますとのこと。午前の部は席に限りがあるので、ご予約はお早めに!

 

https://www.instagram.com/p/DOyNtmvD1oP/...

 

日時:2025年10月25日(土)10:00-15:30 

集合場所:能見台通町内会館 (横浜市金沢区能見台通36-1)/谷津坂第一公園から徒歩4分)

主催:よこはまseedlings

 

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編集後記

 

今回のメルマガでは、滋賀県、ハワイ、北海道、九州の鹿児島・宮崎、そして横浜と、様々な地名が登場し、各地を飛び回るガーデンキュレーター及び、ガーデンキュレーター協会らしさを感じていただけたのではないでしょうか。イベントや求人情報など掲載してほしい情報がある場合は、月末までにご連絡ください。感想や質問などもぜひお寄せください。

(メルマガ・SNS担当A) 

 

GCA magazineは毎月9日に発行しています。

 

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