樹木の手入れをしていて、枝や棘に、芋虫とかバッタとかカエルとかカナヘビなんかが、突き刺さっているのを見たことはありませんか?
誰の仕業なんだろうか?興味を持った方は、スマホで写真を撮って、AIに尋ねてみてください。候補に"モズのはやにえ" が示されたならビンゴです。
犯人は、モズ(百舌鳥、鵙)という小鳥(全長約20cm)でした。
そして、モズによって串刺しにされた獲物、あるいはその獲物の状態こそ"はやにえ(早贄、速贄)"と呼ばれているものなのです。
さらに画像検索してみてください。きゃーーーっ、カマキリにオケラ、はたまたザリガニ、同じ小鳥のメジロまで…ありとあらゆる小動物が串刺しになっている!!
"はやにえ"の最盛期はモズが新たな冬の縄張りを構え始める10月から12月頃まで。時期的に"はやにえ"が餌の少ない冬の保存食なのはまず間違いない。
近年の研究によると、"はやにえ"をたくさん食べて栄養が行き渡ったオスは、そうでないオスに比べ、より早口で囀ることができたそうです。つまり、"はやにえ"は、「恋」の効能、メスに求愛する際の「ラブソングとしての魅力」を増やすための栄養食としての側面があったのです。
私たちの祖先も、モズが色々な声色や節回しで鳴くことをよく知っていました。「百舌鳥」という字をあてたのがその証。また、秋になると聞こえてくる甲高い声にはちゃんと"モズの高鳴き"という固有の呼び名をつけていた。それだけ、モズは昔から身近な鳥で、昔の人は隣人であるモズのことをしっかり認識していたのですね。
今はネットを通じて、情報は即座に、際限なく、手間をかけずに得られますが、身の周りの自然の事柄についてはやはり、自分の目や耳、いわゆる五感を通じて知っておきたい、肌感覚として身につけておきたい、そう思います。
ガーデナーの皆さん、この冬、野外での仕事の際に、モズと"はやにえ"をぜひ探してみてくださいね。
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