GCA magazine  #8   

2025年12月号

 

ガーデンキュレーター協会のメルマガ「GCA magazine」は、設立総会や講座、ワークショップ等にご参加いただいた方や、お仕事の相談があった方等にお送りしております。

 

師走に入り、陽が落ちるのが早くなりましたね。地域によっては、雪の対策も始まっているでしょうか。現在、ガーデンキュレーター協会は、『事業協同組合』として法人化の準備を鋭意進めております。

 

【目次】

・column「一枚の写真から」by 山本紀久

・column「30 by 30とガーデンキュレーター」by 小島理恵

・「ガーデンキュレータが知っておきたい鳥の話 」 by上原健

・NEWS

 (The Day Osakaが自然共生サイトに認定されました)

 (毎日新聞に鈴木雅和先生のインタビューが掲載されています)      

・協会からのお知らせ(第2回総会とガイドツアー)

・イベント情報(小島理恵先生スペシャルセミナー『未来を育む庭づくり』)

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 ▷ column「一枚の写真から」 vol.7  by 山本紀久 

 

 我が家の庭の冬の主役

ヤブツバキ、アスナロ、マンリョウ、ドウダンツツジを従え、ヤツデ(左)と斑入りヤツデ‘紬絞り’ が冬の到来を演出!(撮影日:2025年12月4日)

 

ほとんど雪の降らない暖地の庭は、年間を通しての見どころを用意しておかなくてはならない。特に花や紅葉で春~秋の主役を担う落葉広葉樹が葉を落とす冬の庭は変化が少なく、閑散とした風景が続く。

 

これを救ってくれるのが、耐寒性のある常緑樹である。その見どころは、樹姿、観葉、果実が主体となる。一般的にはアカマツやクロマツ、モッコクやモチノキ、センリョウやマンリョウなどが思い浮かぶが、我家(千葉県)の庭の冬の主役は日本固有種のヤツデである。

 

ヤツデは、茨城県以南の本州太平洋側、四国、九州、沖縄の海岸近くの山林などに自生する。日陰に強く、日当たりの悪い森林の樹下にもよく見られる。そのため 「林の林縁を切り取ったイメージ」 で構成している我家の庭は、耐陰性のあるヤブツバキ、アオキ、アスナロ、マンリョウなどとともにヤツデが冬の主役としてその本領を発揮してくれる。その魅力は先に述べた樹姿、観葉、果実が他の植物に見られない造形美を持っていること。更に、他の植物が休眠期に入る晩秋に、花火のような白い花を群生させて冬の到来を告げてくれることである。

 

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▷ column by 小島理恵 vol.8

「30 by 30とガーデンキュレーター」

この写真は、先月、The Day Osakaで地域の方々と、球根植え付けイベントをしたときの様子

「30 by 30(サーティ・バイ・サーティ)」という言葉、どこかで耳にしたことはありませんか?

 

これは、2022年に開催された、生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択されたグローバルターゲットの一つで、2030年までに、陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようという目標です。

日本においては、国立公園などの既存の保護地域の拡張と管理の質の向上だけでなく、既存の保護地域以外での生物多様性に資する地域を「自然共生サイト」として認定し、管理してもらうことを通して、「30 by 30」の目標に近づけていこうという取り組みが始まっています。

 

ここで重要なのは、「健全な生態系として効果的に保全する」ということと、既存の保護地域の「管理の質の向上」ということです。

今日の日本は、「放置された自然」が自然の大半を占めるようになってきています。これは、昨今話題のクマ問題や土砂災害など、様々な問題が出ているとおり、自然ではあるものの「健全ではない」状態といえるでしょう。生態系を健全に保とうとするために手入れをしていくと、おのずと景観も美しくなっていきます。

 

「30 by 30」の目標に向けて、民間の動きが活発になってくるにつれ、動植物の生態や、樹木の手入についての知識と現場経験のあるガーデンキュレーターが、ますます求められるようになると予想しています。

 

 

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▷  「ガーデンキュレータが知っておきたい鳥の話」 by 上原健|vol.8

クロツバラ(モチノキ科)の棘に刺されたシュレーゲルアオガエル

樹木の手入れをしていて、枝や棘に、芋虫とかバッタとかカエルとかカナヘビなんかが、突き刺さっているのを見たことはありませんか?

誰の仕業なんだろうか?興味を持った方は、スマホで写真を撮って、AIに尋ねてみてください。候補に"モズのはやにえ" が示されたならビンゴです。

犯人は、モズ(百舌鳥、鵙)という小鳥(全長約20cm)でした。

そして、モズによって串刺しにされた獲物、あるいはその獲物の状態こそ"はやにえ(早贄、速贄)"と呼ばれているものなのです。

さらに画像検索してみてください。きゃーーーっ、カマキリにオケラ、はたまたザリガニ、同じ小鳥のメジロまで…ありとあらゆる小動物が串刺しになっている!!

 

"はやにえ"の最盛期はモズが新たな冬の縄張りを構え始める10月から12月頃まで。時期的に"はやにえ"が餌の少ない冬の保存食なのはまず間違いない。

近年の研究によると、"はやにえ"をたくさん食べて栄養が行き渡ったオスは、そうでないオスに比べ、より早口で囀ることができたそうです。つまり、"はやにえ"は、「恋」の効能、メスに求愛する際の「ラブソングとしての魅力」を増やすための栄養食としての側面があったのです。

 

私たちの祖先も、モズが色々な声色や節回しで鳴くことをよく知っていました。「百舌鳥」という字をあてたのがその証。また、秋になると聞こえてくる甲高い声にはちゃんと"モズの高鳴き"という固有の呼び名をつけていた。それだけ、モズは昔から身近な鳥で、昔の人は隣人であるモズのことをしっかり認識していたのですね。

今はネットを通じて、情報は即座に、際限なく、手間をかけずに得られますが、身の周りの自然の事柄についてはやはり、自分の目や耳、いわゆる五感を通じて知っておきたい、肌感覚として身につけておきたい、そう思います。

 

ガーデナーの皆さん、この冬、野外での仕事の際に、モズと"はやにえ"をぜひ探してみてくださいね。

 

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▶︎ NEWS!

 

●The Day Osakaが自然共生サイトに認定されました!

 

今年度より小島がキュレーターとしてかかわらせていただいている大阪のホテル「The Day Osaka」が、2025年9月、自然共生サイトとして認定されました。人工島に立地する宿泊施設の庭園が認定されるのは全国で初めてです。

 

https://theday.osaka/news/565

 

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●毎日新聞に鈴木雅和先生のインタビューが掲載されています

 

被爆樹木を国文化財に 筑波大芸術系名誉教授・鈴木雅和氏」

 

12月7日の毎日新聞朝刊の暮らし面に、アドバイザーの鈴木先生のインタビューが掲載されています。ネットでも記事を読むことができるので、ぜひご一読ください。

https://mainichi.jp/articles/20251207/ddm/013/070/019000c

(会員登録が必要です)

 

.......は被爆樹木を国の文化財にすることを提言しています。保護や管理の法的な担保をするとともに、核兵器廃絶に向けた国の姿勢を示し、世界へのアピールにもなります。

 原爆被害は人為的なものなので天然記念物には該当せず、建物ではないので重要文化財にもなれない。戦争遺跡としての「史跡」であれば、指定の可能性があるのではないでしょうか。.........

 

 

▶︎協会からのお知らせ

 

2026年2月6日(金)に、ガーデンキュレーター協会 第2回総会を行います。


会場は、前回とは少し違いますが、横浜にみなとみらい地区にあるナビオス横浜です。


この日に、現在進めている「事業協同組合」の旗揚げについて、また、共同研究中であるデジタルツイン技術の件などを発表できるかと思います。

また、翌日は、アドバイザーである大橋尚美先生による、横浜の街中植栽(みなとみらい~山下公園あたり)のガイドツアーを計画中です。


詳細は、次回のメルマガで改めてお伝えいたしますが、スケジュールだけは、今から押さえておいてください!

 

 

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▶︎  イベント情報

 

町田アカデミー スペシャルセミナー「未来を育む庭づくり」

先月もお知らせしましたが、インテリアコーディネーター・インテリアデザイナーの専門スクール、町田ひろ子アカデミーのオンライン講座 “mica e-academy"で、小島理恵が講師を務めます。

 

おかげ様で、テーブルありの席は満席となりましたが、椅子のみの席と、オンライン受講は、まだ受け付けております。12/14日締切です!

 

https://mica-e-academy.com/kojima-garden/

 

 

日時:2025年12月20日(土)

   セミナー17:00~18:30 交流会 18:30~19:00

受講形式:来校またはZoomでのオンライン受講(アーカイブ配信あり)

会場:町田ひろ子アカデミー東京校(東京都港区北青山2-12-5 KRT青山3階)

募集締切:2025年12月14日(日)

受講料

来校:一般 4,400円 在校生・卒業生 3,300円(税込)

オンライン:一般 3,850円 在校生・卒業生 2,750円(税込)

定員:来校:先着20名(最少催行人数 8名)

 

 

 

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編集後記

 

最後までお読みいただきありがとうございます。法人設立の準備とともに、協会の広報計画も進行中です。キャンプのレポートや、メルマガのバックナンバー公開、動画の配信なども計画していますが、のんびり亀の歩み。いろいろと状況が整うまで、あたたかく見守っていただければと思います。(メルマガ・SNS担当A) 

 

GCA magazineは毎月9日に発行しています。

 

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