2026年最初のメルマガです。本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
昨年の大みそかの日に、Gardens Illustratedの『THE NEW BEAUTIFUL』という本が手元に届きました。副題は「Inspiring gardens for a resilient future」。
「レジリエント」とは、「回復力のある」、もしくは「困難に強い」といった意味でしょうか。
ページをめくっていくと、グレートディクスターに、枝を積んだ大きな昆虫のハビタットがシンボリックに据えられていたり、シシングハーストでは、もう灌漑を行わない方針に切り替えたりと、有名な庭園が、かつて自身が見学に行った時と違う姿をしているということを知ります。
また、全体的に、支柱が無い・(伝統的でアイコン的なものを除いて)刈込やエスパリエなどの仕立物がほぼ無い、そして、春から初夏の花と新緑の美しい写真が大半を占めているのが特徴といえるでしょう。
かつてガーデンデザイン界を席巻していた、冬枯れのフォルムを逆光で撮るというグラフィックは、ほぼ無くなりました。
個人的には、日本においてグラス類(イネ科植物)は、箱根の仙石原や阿蘇などの萱場のススキの景色、もしくは、伝統的な棚田の稲穂の光景に勝るものはないと考えているので、様々な園芸品種のグラス類を用いてガーデンをつくるという流行のようなものを日本でも取り入れるということに、実は、どうしてもなじむことができずにいました。また、植栽に集う虫たちの姿を見ていても、やはり、様々な品種の花が咲いていると、様々な品種の虫(ハチだけでも何種類も)がやってくるということで、生物多様性に寄与するという点で、様々な品種の花ものを組み合わせることは自然の理にかなっていると考えます。
編集者による序文にこのようなことが書かれています。一部を引用します。
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設計してすぐに作り、次の庭に持ち越す「インスタントガーデン」の時代は終わりました。「アフターケア」や「メンテナンス」という考え方から、スチュワードシップという考え方へ移行し、熟練した芸術的な庭師が、細心の注意と軽いタッチで庭を育むことの価値がますます認識されるようになっています。
この新しい波において、生物多様性は最も重要です。
〈中略〉
かつては多くのデザイナーがスタイルを実質よりも重視し、環境に配慮した多くの庭師がスタイルよりも実質を重視していると非難されることもありましたが、今では両者の境界線は曖昧になり、両方を実現する方法を模索する活発なグループが存在します。
Stephanie Mahon (Google翻訳)
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私は、自身でデザインしたガーデンのみならず、他の優れたデザイナーの方がデザインしたガーデンの手入れをしてきた経験から多くのことを学びました。
その中で、これからのガーデンに最も必要だと考えたことは、デザイナーと庭師、研究者など、ガーデンや生態系に関わる人々の垣根をなくし、共に活動していくということでした。
昨年1月に設立したガーデンキュレーター協会は、まさに、優れたデザイナーと優れた庭師を繋ぐ組織です。定期的に行っているワークショップでは、何か新しいものを植えるのではなく、今ある余計なものを取り除くことで、その空間の美しさを引き出すという実践と研究を行ったりもしています。
さらに、今年2月の総会では、事業協同組合の設立と、今後の活動についてご報告できる予定です。
本年も、様々なところで皆さまとご一緒できたら嬉しいです。
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