GCA magazine  #11   

2026年3月号

 

こんにちは。ガーデンキュレーター協会のメルマガ「GCA magazine」は、設立総会や講座、ワークショップ等にご参加いただいた方や、お仕事の相談があった方等にお送りしております。

 

 

【目次】

・column「一枚の写真から」by 山本紀久

・column「ガーデンキュレーター協会が事業協同組合になった理由」by 小島理恵

・「ガーデンキュレータが知っておきたい鳥の話 」 by上原健

・協会からのお知らせ

 ①YouTube公式チャンネルはご覧になりましたか?

 ②ガーデンキュレーター即戦力キャンプ2026 in大阪  

・書籍紹介 

 初心者はこの1冊だけ読みなさい!

   協会アドバイザー鈴木雅和先生オススメ!

 「 剪定の「コツ」の教科書 副題 名人庭師のCODIT理論で基本が身につく!」

 

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 ▷ column「一枚の写真から」 vol.9  by 山本紀久 

 

管理は芸術

 "三つ葉透かし" で手入れされたシャリンバイ 京都天龍寺庭園 初夏

 

「管理は芸術」は、2026年2月の総会での講演の演題である。

 

「造園植栽管理」の目的は  "対象とする植物の見どころを最大限に発揮出来る空間を提供し、その空間に適した植物の見どころを顕在化させること" である。そのためには、個々の植物の魅力を最大限に発揮させるための「植物管理」が不可欠である。

「ガーデンキュレーター」の造園植栽管理についての役割は、植物管理による芸術性の高い植栽風景への誘導にある。

 

今回は、通常は庭の脇役であることの多いシャリンバイの魅力を、庭師の伝統的な剪定技術によって、芸術的な域にまで高めたという事例を紹介する。

 

庭木としてのシャリンバイの見どころは、枝葉が先端から放射状に広がる、低くがっしりとした樹形と革質常緑厚手の葉である。葉は、通年光沢のある濃い緑色を保つ。 一部の葉が赤く色づき、そのコントラストに趣がある。春、 梅の花に似る白い花が咲く頃の新芽は茶褐色に色づき、華やかな衣替えの印象を与える。

 

植木職人の間で  "みっぱすかし" と呼ばれる「三つ葉透かし」は、モッコク、モチノキなどの常緑樹に対して行われる伝統的な剪定技術である。樹種固有の樹形を維持しつつ、旺盛な成長を抑えるために行われる。具体的には、虚弱枝を除去した後、枝先に葉を2〜3枚だけ残し、他の古葉を手で取り除く。

 

この写真のシャリンバイは、一株で庭園の主役として昇華されている。

 

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▷ column by 小島理恵 vol.10

「ガーデンキュレーター協会が事業協同組合になった理由」

国税庁から届いた法人番号指定通知書

このたび、ガーデンキュレーター協会は、事業協同組合としてスタートを切りました。総会を行った2月6日に登記申請を行い、つい先日、登記が完了しました!

 

さて、なぜ、この協会が事業協同組合という形を選んだのか、今回は、その背景にある考えをお伝えしたいと思います。

 

これは、ガーデンキュレーターという新たな職能をつくったきっかけとも通じています。(詳しくは、YouTubeガーデンキュレーター協会公式チャンネル「質の高い緑を未来につなくガーデンキュレーターとは?」をご覧下さい。)

緑地管理の現場において、欠かせない知識や知見を持っている人間が、「なんとなく」「ボランティア」に近い形で活躍している事例は決して少なくありません。だからこそ私は、社会に役立つ仕事を、きちんと価値のある仕事として成立させたいと考えました。

 

また、この協会に関心を持ってくださっている方は、個人事業主や小規模事業者の方も多いです。事業協同組合とすることで、仕事を共同受注することができ、組合員に配分していくことができます。

 

そして、重要なのは、新しい技術の開発・事例データの蓄積と公開・次の世代の人材育成といった活動です。協働で得た利益は、このような活動に充て、組合員へ、そして、世の中に還元していきたいと考えています。

 

社会に役立つ仕事をして、しっかり稼ぐ。そして、それを社会に役立つ活動にまわす。そんな「価値の循環」をつくる仕組みとして、私たちは、事業協同組合という形を選びました。

 

ガーデンキュレーターを、社会にとって必要な専門職としてきちんと成立させていく。それが、この協会が目指す未来です。

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▷  「ガーデンキュレータが知っておきたい鳥の話」 by 上原健|vol.10

柿の木で囀るホオジロ 

今号発行日の3月9日は、啓蟄の初候  "蟄虫啓戸 (すごもりのむしとをひらく)" に当たります。日が伸びて、生き物がごそごそ蠢く時季が到来しましたね。

と言ったものの、日本列島は南北に長い上に、標高の差も大きいので、地域によっては "春はまだまだ" あるいは "もうとっくに過ぎた" という所も多いかと。私の地元、横浜では、ウグイスやホオジロ、シジュウカラなど(の雄)は、2月にはもう囀り始めていました。皆さんのところではどうでしたか?

 

雄がフライング気味なのは、縄張りを構えるにも、雌へラブコールを送るにも、出遅れれば、繁殖確率がぐっと減ってしまうからでしょう。かといって、あんまり早すぎてもダメ。囀り続けるのは体力を消耗するので、囀り期間が長すぎると息切れしてしまいます。雌は雌で、餌が豊富で安全な、子育てに適した環境を見極め、そんな場所を縄張りにしている雄、我が子の父親として良い形質を持った雄をしっかりと選ばなくてはなりません。これまた大変です。

 

こんな鳥の必死さに同情して、身につまされていたら、私たち人間も、"のどかだなぁ"などと能天気なことを言わないと思うのですが、所詮ひとごと?なのでしょう。鳥の囀りを聞けば自然と、春の浮き浮きした気分になっています。

 

心理学的な研究によると、実際に鳥の囀りを聞いた人は、副交感神経が活性化し、ストレスホルモンの分泌が抑えられ、ネガティブな感情が緩和されるとのこと。また、人々は昔から鳥の色や模様、しぐさにも目を奪われてきました。鳥は聴覚だけでなく視覚の世界においても人々を魅了する存在。でもどうして、私たちは鳥の存在や振る舞いに癒され、好ましく思うのでしょうか。

 

きっかけは、アフリカの森林で暮らしていたわれわれホモ・サピエンスの祖先が、開けたサバンナ(草原)に生活圏を広げたこと。見通しと引き換えに自分たちの姿が丸見えになったご先祖様は、常に「外敵に襲われるのではないか」という怯えや緊張感にさらされました。そんな時、警戒心の強い鳥が傍で普通に鳴いて、餌をついばんでいるのを見れば、周囲に外敵はなく「安全で平穏な状況」なんだと安心できたから、という説が有力です。つまり鳥は大昔から、人類にとってセイフティ・シグナルだったというのです。

 

ちなみに鳥の囀りと並ぶヒーリング効果の高い自然音は、そよ風が木々の梢を撫でる音と水がさらさらと流れる音だとか。この三つが揃う開けた場所、平和なひと時を約束してくれる場所といえば、皆さんのホームグラウンド、言わずもがなの「庭園・ガーデン」でしょう。

 

でもそれは平和であればこそ!日々緊張を強いられている国の人々にも庭園・ガーデンをのんびり楽しめるひとときが1日も早く訪れますように。春にはどこでも鳥が鳴いていてほしいです。

 

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▶︎協会からのお知らせ

 

①YouTube公式チャンネルはご覧になりましたか?

前回のメルマガでもご紹介しましたが、ガーデンキュレーター協会公式Youtubeチャンネルを開設しました。

 

「ガーデンキュレーター」とは?「ガーデンキュレーターの仕事とは?」を、広く伝えるための新たな試みです。月に1、2本ののんびりペースでの配信になりますが、多くの方にご視聴いただけると嬉しいです。

(写真をクリックするとご覧いただけます)

 

今後は、関わっている緑地の話、協会の活動の情報や、ゲストの方との対談なども企画していますので、「チャンネル登録」と「いいね!」や「コメント」をよろしくお願いいたします。

 

②ガーデンキュレーター即戦力キャンプ2026 in 大阪 開催予告

 

人とガーデン、そして、デザイナー・オーナー・施工者をフラットに繋ぐガーデンキュレーター®養成のための講座を、今年は大阪で行います。会場は、The Day Osakaというリゾート施設のガーデンです。 

 

日時 :2026年7月4日(土)・5日(日)

場所:The Day Osaka

(大阪市此花区北港緑地2-3-75)

 

The Day Osakaは、埋立地でありながら、環境省の自然共生サイトに登録されたことや、会長・小島と、鈴木先生、古賀くんとの、デジタルツイン技術のガーデンキュレーションへの活用の実験場でもあります。、他にはない学びの場になると思いますので、。ぜひ今から日程を調整しておいてください。

 

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▶︎   書籍紹介 

 

初心者はこの1冊だけ読みなさい!

協会アドバイザー鈴木雅和先生オススメ!

「 剪定の「コツ」の教科書 副題 名人庭師のCODIT理論で基本が身につく!」(木下透著 KODANSHA 税別1,500円 )

 

「剪定を学び直すには,この本以外読む必要はありません。」と鈴木先生が太鼓判を押す、こちらの書籍。既にお持ちの方もいるでしょうか?

 

「昨今、発注者も業者も素人という現場が増えています。『植木職人』が『剪定作業者』になり、行政等の発注側にも剪定の良し悪しを判断できる人がいないのです。勉強をしても、読んだ本が間違っていると結果は当然間違いになります。例えば、「三ツを割る」枝の剪定方法は,伝統的な植木屋さんは中央を剪定すると解いていますが、すべてそのようにした結果、カニバサミ状態で、非常に不自然な樹形になっているといった問題が多くの現場で起きています。この本では、枝全体の流れを見て、流れに乗らない2本を切ることを推奨しています。全く正しいと私は思います。ガーデンキュレーターが関係者に適切な説明や指示を出せるよう、いつか、協会のキャンプで剪定の実技をレクチャーしたいと思いますが、それまでに勉強しておいてください。」

 

※鈴木先生がこの本をオススメするに至った背景については次回のメルマガでご紹介します。

 

講談社の書籍紹介ページ

https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000353735

 

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編集後記

 

今月は、剪定に関する話題が山本先生と鈴木先生から寄せられました。ちょうど、個人的に関わっている庭で新たに梅畑の剪定を頼まれて、初心者なりに仲間と学びながら取り組んだばかりで、復習と経過観察に早速役立ちそうです。また、たまたまですが、野鳥好きな仲間が地域に急に増えるなど、メルマガ効果(?!)をいち早く感じている今日この頃です。掲載を希望するイベントや求人、書籍等の情報も引き続き受け付けております。掲載の可否はこちらで判断いたしますので毎月末までにご相談ください。(メルマガ担当A) 

 

GCA magazineは毎月9日に発行しています。

 

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発行元

ガーデンキュレーター協会 事務局

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