こんにちは。
日本住宅ローンコンサルティング協会の鴨藤政弘です。
前回のメルマガでは夫婦で借りる際の連生団信には要注意!
という話を取り上げましたが、今回は団信の中でも “短期団信"について取り上げようと思います。
以前も短期団信については取り上げたことがありましたが、
簡単に言えば 「注文住宅の建築期間中を保障する団信」 になります。
多くの住宅ローンは建物引き渡し時に実行されます。
従って、土地購入や中間金などの支払いには、自己資金もしくはつなぎ融資、商品によっては分割融資を活用するしかありません。
自己資金はともかくとして、つなぎ融資等に通常団信はありません(金融機関によっては取り扱いのある場合も存在します)ので、 建築期間中に万一があると遺された家族は大変なことになってしまいます。
ちょっと例を上げて見ましょう。
2025年7月請負契約
2025年10月中間金支払い
2026年1月引渡し
という住宅があったとします。
7月の請負契約締結時につなぎ融資を利用したとして、10月もそのまま利用。
しかし、12月にローン契約者(施主)が亡くなってしまったらどうなるでしょうか?
ローンは実行されません。そのため支払いも出来ません。
家は引き渡せません。家族はどうなってしまうでしょう?
考えただけでも恐ろしいですが、これをカバーするための保険が“短期団信"になります。
「もし建築途中にご主人に万一のことがあったら、ローンはどうなりますか?」
「家は建っていません。団信も始まっていません。でも土地代は支払ってます。建築業者への支払いも始まってますよね?」
「その負債、誰が払うと思いますか?」
こんな感じで説明されれば多くの方が必要性を理解し加入すると思います。
しかし、我々保険営業パーソンとしては“短期"で解約されると戻入が発生します。
建物が無事に引き渡されれば必要のない保障ですので解約は当然の選択になるでしょう。
そうなることが分かっていても契約手続きを行う方は少ないと思います。
そこで、減額という選択肢はいかがでしょうか?
例えば収入保障保険を月額20万円で加入したものを、建物引き渡し後15万円に減額するという方法も存在します。
もっともその方のライフプラン上必要な保障額は慎重に検討する必要はありますが、 減額であれば戻入こそあれ解約時よりもその金額は少ないはずです。
手数料だけを考えて営業を行ってはいけませんが、我々もボランティアではありませんので 必要だと分かっていても積極的には勧めにくい物はどうしても存在してしまいますね……。
ともかく短期団信は建築中という“盲点のリスク"に対応する、非常に価値のある保険です。
保険営業パーソンである皆さんがそのリスクに気づき、適切なアドバイスができれば、お客様の信頼は格段に高まるはずです。
ぜひ、お客様面談で「短期団信」という言葉を使ってみていただければ幸いです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。