上越教育大過去問ー不登校への行動療法的アプローチ
2022年03月26日
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○○○○さん、こんにちは。
温かくなったり寒くなったり…気温の変化が激しい日々ですがいかがお過ごしでしょうか?
さて、今回は、行動療法に関する問題を取り上げました。行動療法の理論は、用語説明などで説明できたとしても、具体的にどうやるのか?となると、うまく答えられなかったりしますよね。
具体的な「不登校」に落とし込んだ問題をとりあげました。
(こちらの過去問は、読者Nさんより頂きました。ありがとうございます。)
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レスポンデント条件づけやオペラント条件づけの臨床場面での活用方法について、不登校を呈する児童生徒の登校支援を例として説明しなさい。
(2018年度 上越教育大学大学院)
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【レスポンデント型行動療法】
・レスポンデント条件づけとは、
無条件刺激(虫歯の治療)と中性刺激(キュイーンという音)の対呈示により、
(中性刺激が条件刺激(条件反応を誘発する刺激)に変わり、)
本来は無条件刺激(虫歯の治療)によって誘発される無条件反応(恐怖)が、条件反応(条件刺激によって誘発される習得性反応)となって、条件刺激との新たな連合が生まれること。
(例:キュイーンという音を聞くだけで、恐怖を感じるようになる)
・レスポンデント条件付けの「消去」とは、
無条件刺激をあたえず、条件刺激だけを呈示すること。この操作を反復することにより条件反応が生じなくなっていくこと。やがて生起しなくなること。
(例:キュイーンという音だけを聴かせ、虫歯の治療は行わないということを繰り返し続けると、やがてキュイーンという音を聞いても恐怖を感じなくなる。)
➡レスポンデント条件付けを生かした行動療法はこの「消去」を利用。
ほかには、「別の新たな望ましい刺激との対呈示」を利用する場合もある。
系統的脱感作法、暴露法、EMDRなど。
【オペラント型行動療法】
・オペラント条件づけとは、
行動の直後に好子(あるいは嫌子)を提示することによって、行動の生起頻度が増加(または減少)すること。
★「正の強化」
刺激を与えることで、行動が増加すること
例:勉強したら、母親に褒められた(好子が与えられた)ので、もっと勉強した。(行動が増加)
★「負の強化」
刺激を取り除くことで、行動が増加すること
例:頭痛薬をのんだら頭痛がとりのぞかれた(嫌子が取り除かれた)ので、いつも飲むようになった(行動が増加)。
★「正の罰」
刺激を与えることで、行動が減少すること
例:彼女にLINEを送ったら、無視された(嫌子が与えられた)ので、LINEを送らなくなった(行動が減少)
★「負の罰」
刺激を取り除くことで行動が減少すること
例:いたずらをしたら、ゲーム禁止になってしまった(好子が取り除かれた)ので、いたずらをしなくなった(行動の減少)。
・オペラント条件付けでは、不適応行動を三項随伴性で考えます。
A(先行条件)➡B(行動)➡C(結果)
例えば対人恐怖であれば、
A=人に会う
B=人を避けて、ひきこもる
C=安心する(報酬)
安心が得られることで、どんどん人を避けるという回避行動が強化されていくというメカニズムが起こる。
・オペラント条件付けの「消去」とは、
条件づけられたオペラント行動に対し、刺激の操作(強化・罰)を行わないこと。それによって当該のオペラント行動の生起頻度が基準値(条件付け以前の状態)にもどすこと。
例:学校をさぼっても、家でゲームができない(好子が与えられない=強化が行われない)と、仕方なく学校へ行くようになる。
➡オペラント条件付けを生かした行動療法は、「消去」のメカニズムや「強化」「罰」のメカニズムなどを利用。
トークンエコノミー法、タイムアウト法、シェイピング法、バイオフィードバックなど。
【不登校例】
例えば、毎朝、おなかが痛いと言って、学校を休む小学生。
〇不登校のメカニズム
不登校は、レスポンデント条件づけによって発生し、オペラント条件付けによって維持される、と考える。(マウラーの2要因説)
<レスポンデント条件づけ>・・不登校の発生
学校生活のなかで、嫌悪感情を抱くような体験をしたとする。
たとえば、いじめ。
いじめ(無条件刺激)からは、恐怖感情(無条件反応)が生じる。
いじめ(無条件刺激)と学校(中性刺激)が対呈示されることによって、学校が条件刺激となり、恐怖感情が条件反応となって、連合されてしまった。
そうすると、いじめがなくても、学校という刺激(条件刺激)が与えられるだけで恐怖感情をもつように学習されてしまっている。
<オペラント条件づけ>・・・不登校の維持
三項随伴性から考えると、
A(先行条件)➡B(行動)➡C(結果)
A=学校は恐怖が生起される
B=回避行動(家にいる)
C=安心
安心が得られてしまうため(負の強化)回避行動が強化される。→不登校が維持されてしまう。
〇介入法
・まず、回避行動ではない行動で、安心を得られるようにし、回避行動をやめさせる。(オペラント条件づけの消去)
・その上で、不安や恐怖をもたらす条件刺激(この場合は学校)に徐々に晒していき、不安や恐怖を消去する(レスポンデント条件づけの消去)
「朝布団から起きる」という不安の低いものから始める。
「玄関から出る」➡「途中のコンビニのところまでいく」➡「校門のところまでいく」➡「保健室までいく」➡「教室までいく」➡「授業を受ける」
といった具合に、不安の低いものから消去しつつ、無理のない形で外出課題を克服しながら段階的に、学校に近づけていく。不安の強いものに対しては弛緩法を適用することもある。
※補足
実際には、学校の中でおきる嫌子(たとえばいじめなど)は取り除かなければいけないし、学校の中に、楽しいと思えるような好子を作ることが必要となる。
また、段階的に学校という場面に暴露するというレスポンデント条件付けを利用したように見えるけれど、実際には、スモールステップで進んでいく過程のなかで、ひとつひとつの行動に対して報酬を与える(ほめる)といったオペラント条件付けを利用した強化を差し込んでいく。
参考になれば幸いです。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
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