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こんにゃろう通信

東京大学過去問☆診断分類の活用の長所短所

2025年03月08日


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○○○○さん、こんにちは。

3月になりました。春受験が終わろうとしていますね。来年度にぜひ受験するぞと意欲を高めている方も多いと思います。

さて、今回は、臨床心理アセスメントについてとりあげました。

臨床心理アセスメントとは、

「面接や観察、心理検査を用いて、その人の特徴や問題点の所在をあきらかにし、どのような方法で援助するのが望ましいかを検討すること」
です。

つまり、ある人を助けようと思った時には、まずは、その人を理解することが必要。面接やか観察や心理検査を行って、十分に理解した上で、どうやって援助しくのがベストかの方針を考える過程です。


今回は、アセスメントをする上での留意点に関する過去問です。

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臨床心理学のアセスメントにおいて、精神医学の診断分類を活用する場合がある。診断分類を活用することの長所と短所について説明しなさい。その際、異常行動を分類することの肯定的な側面と否定的な側面にも言及すること。

(東京大学大学院 2010年度)
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【精神医学の診断分類】

精神医学の診断分類に使われるものとして、以下の2つがあります。

★WHOが作成した、国際疾病分類 ICD(International Classification of Diseases)
★アメリカ精神医学会が作成さいた、精神障害の診断・統計マニュアル DSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)
医師は、こういうマニュアルを使いながら、精神障害を診断しています。


・心理士は医師ではないので、診断はできません。しかし、カウンセリングを行う中で、この人は、統合失調症ではないか、自閉症ではないか、境界例などのパーソナリティの問題を抱えているのではないかなど感じることがあります。

そういった場合に、精神医学の診断分類を参考にする場合があります。


【精神医学の診断分類を活用する長所】

〇先人の知恵が得られる。

悩み、苦しみ、困難があって、人は相談に訪れる。その苦悩を理解していくことが心理士の仕事であるけれど、「どうしてこの人(クライエント)はこうなのか?」「どうして苦しいのか」に対して「名前」があるということで、援助の糸口がみえてくる。

例えば、どうしてこんなに気力が出ないんだろう?どうして手を洗い続けずにいられないんだろう?こうした当惑や不安にぶつかったときに、「うつ病」「強迫症」など、何等かの名前(分類名)を知ることによって、自分だけ(この人だけ)ではなく、広く一般性をもった苦悩なんだと、理解することができる。

つまり、その体験がどんな性質のものかについて、すでに社会には知見の積み重ねがあり、どうしたらよいか、これまでの先人たちの経験値や工夫がすでにあるということになる。

そうならば、
この症状には、こういう援助が有効である、といったある一定の、社会が積み重ねてきた知恵を手掛かりに、援助に役立てることができる。



【短所】

〇個別性が見失われる危険性がある。

一方で、仮定された(疑い)病名があったとして、その病気の特徴のすべてが、目の前のクライエントに当てはまるか?というと、これはまた別問題。

その人のもつ苦しみには、一般性もあるけれど、個別性もある。

クライエント個人に向き合うには
その人がどういう人なのか、その人の主観的な世界や その人に即した理解が必要となる。今どんな状況なのか、周りの環境はどうなのか、だからどうすればよいのかなどには、個別性がある。

つまり、(一般的なものに)分類することと(個別的に)理解することとは違うということ。
診断名ばかりに重点をおきすぎると、個別的にクライエントを理解していくという過程が見過ごされる危険性がある。


〇事例性を見失う恐れ(疾病性と事例性の問題)

・疾病性―クライエントの病的な側面にフォーカスした捉え方(例:幻聴がある/被害妄想がある)
・事例性―クライエントの生活という視点から個人の苦痛や困難を理解する捉え方(例:仕事が遅い/落ち着きがない)

精神医学の診断分類を考えることは、疾病性の視点となる。疾病性だけに重点をおいてクライエントをとらえてしまうと、その人の生活面での困難がみえにくくなる。例えば、うつ病になった人がいて、疾病性だけを考えれば、病院へ行って投薬して、はい治りましたと安易な治療だけに目をむけることになる。

クライエントを支援するには、疾病性だけではとらえられない、心理的苦痛や不安、職場や学校などの社会からの疎外感、劣等感、それによる家族関係の問題などもあるだろう。

臨床心理学的アセスメントにおいては、疾病性もある程度は重要だが、事例性という観点からの査定も重要となる。

※そのほかにもレッテル貼りや偏見の問題もあるかと思います。そのあたりも含めいろいろ考えてみてください。


【異常行動を分類すること】

〇メリット
名前(疑いとなる診断名)があることでそれを共通語として、臨床家間、他専門家間との共通理解ができやすく、協働に役立つ。
(例:「A君は自閉症の疑いがある」と言っただけで、相手に通じやすくなる)

〇デメリット
個別性を見失う危険性がある。
分類は所詮、人間が考えだした引き出しなので、分類にあてはまらない異常行動もあれば、AとBの中間に位置するような異常行動もあることに留意する。

(最新のDSM―5は病因ではなく目に見える症状のみに注目して分類する「症候論」をもとに分類が行われているため、症状のみに注目することで症状の裏にある、潜在的要因が見落としがちになるというデメリットもあげられる。)

他にもいろいろ考えてみてください。

ここまでお読みくださりありがとうございました。
お役にたてば幸いです。

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