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○○○○さん、こんにちは。

花粉の季節になりました。いかがお過ごしでしょうか。
私は、毎日目薬とマスクがはなせなくなりました。

さて，今回は，心理統計に関する問題を取り上げました。

統計学には様々な分析方法があります。研究計画書を書く際も，どういう方法で，どういう分析をしたらよいのか，よくわからないという人もいるかと思います。

そこで，今回は，代表的な分析方法の違いについて取り上げました。おさえましょう。

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通常，変数は4水準（名義・順序・間隔・比率尺度）に区分されるが，代表的な変数間の連関性分析である「カイ二乗分析」「分散分析」「相関分析（ピアソンの積率相関係数）」は，それぞれどの水準間の連関性を析出しようとするものか，論じなさい。
（駒澤女子大学大学院　2005年度）

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【まずは尺度水準】

統計学を勉強するにあたって，尺度水準がまずわからないと，ちんぷんかんぷんになってしまいます。
統計学では数字(データ）を扱います。尺度水準というのは，そのデータの質はどんな種類なのかというものです。

〇名義尺度
・数値にする意味がないもの
・順序はない。
例：男性と女性，血液型，住所，所属学部など

〇順序尺度
・数値間に順序があるもの
・間隔は一定ではない。
例：リレー1位/2位/3位，結婚したい男性1位/2位/3位，英検1級/2級/3級
がんのステージⅠ/ステージⅡ/ステージⅢ

〇間隔尺度
・数値間の間隔が一定のもの
・絶対原点をもたないもの（絶対原点とは，何も存在しないことを示すゼロのこと）
例：気温（摂氏），西暦，テストの点数（テストの点数が０点だった場合，点数が「無い」わけではない）

〇比率尺度
・数値間の間隔が一定
・絶対原点もつ
例：体重，身長，速度，睡眠時間，値段，給料

質的なのか量的なのかしっかり把握しておこう。超重要！
※質的尺度➡名義と順序（分類を目的にしたもの。計算できない）
※量的尺度➡間隔と比率（計算できるもの）


【どの分析法が，どの水準間の連関性を析出しようとするものか】

各分析方法に適用される尺度水準を把握することがポイント。

＜ノンパラメトリック検定＞
（パラメトリック検定は、母集団に正規分布など特定の分布を仮定する検定手法の総称で、ノンパラメトリック検定は特定の分布を仮定しない検定手法の総称→わからない人はスキップでOK.）

〇カイ二乗検定
・ノンパラメトリック検定のひとつ。

➡名義尺度と名義尺度の連関を扱う。
実際の度数と推定期待度数のズレから各変数の連関の有無を調べる。

例：ランダムに選んだ100人に対して「カレーが好きか，好きではない」と「お酒を飲むか飲まないか」の2つの質問をして，得られた結果から、この２つの要素に連関があるかどうかを検討する。「好き/好きではない」、「酒を飲む/飲まない」はいずれも名義尺度。



＜パラメトリック検定＞

〇分散分析
・因果関係を想定している
・要因の２水準以上の平均値の差を分析する際に用いる統計手法

➡独立変数は名義尺度であり，従属変数は，量的変数（間隔尺度と比率尺度）。

例：卓球部，野球部，バレーボール部の３グループ（３水準）で，「背の高さ」に統計的に違いがあるかということを検討する。
部活の種類は名義尺度。背の高さは比率尺度。

注意）要因が3水準以上の場合，下位検定として多重比較を行う。
（多重比較については，今回は説明を割愛します。知らない人はおさえておきましょう。）

〇相関分析（ピアソンの積率相関係数）
・2つの変数の共変関係を分析する手法
・因果関係は想定していない。

➡２変数はどちらも量的変数（間隔尺度と比率尺度）をとる。

注意）相関関係と因果関係は違うことに注意。
☆相関関係は，二つのものが関係していて，一方が変化すれば他方も変化するような関係であること。
☆因果関係は，二つ以上のものの間に原因と結果の関係があること

・相関分析は，因果関係でないので，そのため，独立変数（原因），従属変数（結果）の区別なく，その点は分散分析と異なる。

例：気温が高いことと，ビールの売れ行きがよいこととには相関があるか，について検討する。
→気温とビールの売れ行きを得点化して，両者に共変関係があるかどうか調べる。（因果関係ではない）



以上になります。
もしよくわからなければ，尺度水準だけでもおさえておきましょう。

尺度水準をクリアしている人は，ぜひ分析方法と尺度水準の関係をおさえておきましょう。

ここまでお読みくださりありがとうございます。
お役にたてば幸いです。