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経営者のためのZEI-Kメルマガ

【ZEI-Kメルマガ】オーナー企業で気をつけたい「みなし贈与」

2025年11月03日

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【経営者のためのZEI-Kメルマガ】Vol.208
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○○さん、おはようございます。
京都の税理士、加藤博己です。

今週のメールマガジンをお届けします。
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まつわる情報を皆様のお手元に。

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★先週のブログ記事
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インボイス制度:免税事業者からの仕入れについて2026年10月以降の変更点と注意すべきこと
https://katoh-tax.com/2025/11/02/202510_nta-invoice-faq/

給料や年金をもらっている親族が扶養控除の対象となるか判定する際の「合計所得金額」とは
https://katoh-tax.com/2025/10/30/total-incom-amount/

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■今週のコラム:
オーナー企業で気をつけたい「みなし贈与」
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今回は、一般の方には理解しづらい
「みなし贈与」を取り上げます。

「贈与」と聞くと
「お金やモノをあげること」
を想像されるかと思います。

しかし、税金の世界には
「贈与したつもりはないのに、
 贈与したものとみなされて税金がかかる取引」
が存在します。

これが「みなし贈与」と呼ばれるものです。

特にオーナー企業では、この「みなし贈与」に
該当する可能性が潜んでいるケースがあります。

例えば、以下のようなケースを考えてみましょう。

・X社(オーナー企業)
・株主:Aさん、Bさん(Aさんの妻)
・AさんはX社へ多額の貸付金あり

この状況で、AさんがX社に対して持っている
「貸付金」を免除した。

貸付金を免除すると、X社の負債が減り
会社の純資産が増加します。

結果として、X社の「株の価値」が上がります。

この価値が上がった部分について
Aさんから他の株主であるBさんへ
贈与があったものとみなされ
「みなし贈与」として贈与税がかかる可能性が
あるのです。

こうした取引を行ったとしても
「税務署が把握できるはずがないだろう」
と思われた方もいるかもしれません。

しかし、残念ながら、そうとは言い切れません。

みなし贈与が見つかるケースとして
最も多いのが「相続税の税務調査」です。

例えば、Aさんが貸付金を免除した翌年など
比較的近い時期に亡くなられた場合です。

相続税の申告後に税務調査が入り
Aさんの相続財産であるX社の株式について
細かく調べる中で、過去の貸付金免除が
発覚するケースがあります。

ご存じの方も多いかもしれませんが
亡くなる前の一定期間内の相続人への贈与は
相続財産に含めて相続税を計算します。

これまでは「3年以内」でしたが
これが段階的に「7年」まで延長されます。

これにより、こうした「みなし贈与」が
相続税の申告漏れとして指摘される可能性は
今後ますます高くなります。

そして、もう一つ、注意が必要なのが
「相続時精算課税制度」です。

この制度は、改正により贈与額110万円までは
相続税の計算に含めなくてもよいため
選択する方が増えています。

しかし、この制度を選択した後に、上記のような
「みなし贈与」に該当する取引があった場合
通常の贈与とは異なり、7年超の期間であっても
相続税の申告漏れとして、指摘を受ける可能性があります。

相続時精算課税制度は
先般の改正で非常に使いやすくなりましたが
こうした「みなし贈与」という落とし穴もあります。

この制度を選択しようと検討されている方が
いらっしゃいましたら
通常の金銭による贈与以外の部分にも
十分にご注意ください。

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編集後記
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今回取り上げた「みなし贈与」のように
税金の世界には一般の方からすると
「なぜそれで税金がかかるの?」
というルールがいくつかあります。

こうした内容については
専門家でないと判断がつかないものです。

とはいえ専門家でないと見落しが生じるという話は
税金の世界に限ったものではありませんので
専門外の内容については
私も素直に相談するように心掛けています。

そうすることが「転ばぬ先の杖」として
トラブルを避けることにつながるんじゃないかと。

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