本物に触れる
琵琶、鏡、鏡箱、物差し、刀子……
そこにあったのは1200年以上前の品々なのに、螺鈿、金銀、珠玉が惜しげもなく使われ、精巧で華やかなつくりのものばかり。
信じられないほど精緻な技術と、それらを粘り強く完成させた当時の人々のメンタリティに驚嘆しました。
どうして北斗七星が逆に描かれているのか？
分厚い象牙の物差しは、何をはかるために作られたのか？
それぞれ「なるほど！」という理由があるのですが、
なにより私が衝撃を受けたのは、道鏡の自筆の署名です。
（相変わらず地味な越智ですｗ）
―――――――
道鏡といえば、一介の僧でありながら、女帝の信任を得て「法王」に上りつめ、
天皇にまでなろうとした怪僧。
小学生の頃、『日本の歴史』というマンガで彼の存在を知った私は、
孝謙上皇との間におこる様々なエピソードがあまりにもドラマチック過ぎて、
実在の人物だという感覚が薄かった。
しかし、時を経ること40数年。
『正倉院展』の古文書に見る彼の力強い筆跡と
けっこう上から目線な（笑）文書の内容から、
「道鏡は実在していたんだ」とはっきり実感しました。
そして、この紙に実際に彼が触れて文字を書いていたかと思うと、
時を超えた感動に心が震えました。
―――――――
小説家は、舞台に選んだ地や場所に
実際に足を運んでイメージを広げる、と聞きます。
「本物」を見て、感じてみる。
これは、ビジネス書を書く上でも、とっても大切な要素です。
マナーの本を書くのなら、礼儀作法に欠かせないお茶の教室に通ってみる。
料理本を書くのなら、野菜や肉の産地に足を運んでみる。
自分の専門であっても、いや自分の専門分野だからこそ、
自ら足を運んで「体感」する。
それが、よりリアルで深みを感じさせる文章を書くことにつながるのです。
OCHI企画では、
「『本物に触れる』あなた」
を応援していきます！
次回のメルマガは11月24日（金）に
配信予定です。
お楽しみに！
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