【OCHI企画】あなたは「右」を説明できますか？
OCHI企画 出版寄り添いコーチ・田谷裕章です。
今回のテーマは「言語化」です。
編集の仕事をしていると、
見出しはもちろん、
オビコピーに書籍タイトルと、
「言語化」に頭を悩ませることばかり。
いや、正直に言うと、
ほとんどの時間を悩んで過ごしています……。
そんな中、三浦しをん原作の映画
『舟を編む』を初めて観ました。
十数年もの長い歳月をかけて
一冊の国語辞典を作るという、
辞書編集部を舞台にした物語です。
辞書編集なんて、
正直ちょっと地味そう…
と思っていたのですが、これが大間違い。
言葉に向き合う登場人物たちの姿が、
あまりに真摯で、
目からうろこの連続でした。
とくに印象的だったのが、
言語学者が編集部の面々に投げかける、
こんな問い。
「君は、“右"を説明しろと言われたら、どう答える？」
うーん、、、
……出てきません。
映画を一時停止して考えたけど、出てこない。
「箸を持つほう？ ボールを投げるほう？」
いや、それじゃ人によって違うし。
そんな中、主人公が出した答えが
「体を北に向けるとき、東にあたるほう」
ああ、なるほど……！
素直に唸ってしまいました。
物語の終盤では、各社辞典での
「右」の語釈がずらりと並ぶシーンがあります。
_______________________________________
・アナログ時計の文字盤に向かった時、
1時から5時がある方
・この辞典を開いて読む時、偶数ページがある方
・西を向いたとき、北にあたる方 などなど。
_______________________________________
そして、彼らの作る辞書『大渡海』では、
「算用数字10の0の方」
という語釈を採用します。
もう、しびれるほどの言語センス！！
でもそれ以上に、
「自分はふだん、一体どれだけの時間を
言語化せずに感覚だけで
過ごしているんだろう……」
と痛感させられました。
たしかに、言語化って、難しいですよね。
でも、鍛えることは、できる！
映画を観て、そう思えました。
たとえば、こんな頭の体操はいかがでしょう？
_______________________________________
「上」
→ 重力に逆らう方向。「気をつけて」の姿勢をとった時、指先が示す方
「遠い」
→ 歳とともに変わる、20分歩いて到達する地点
_______________________________________
ちょっとした遊びでも、
確実に“言語化力"が上がっていきます。
お風呂に入りながらでも、
電車の中ででも、
いつでも手軽に取り組めます。
みなさんの執筆力、コピー化力に
深みが増していくこと、請け合いです！
この映画、たくさんの気づきがあったので
あと2回くらいに分けて、
書いていこうと思います。
楽しみにしていてくださいね！
OCHI企画では、
「できなかった頃の自分を忘れないあなた」
を応援していきます！
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OCHI企画
発行人・越智秀樹
https://ochikikaku.com/
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