【Tear’s Letter】G7に考える「戦時性暴力」｜【しあわせなみだ】Tear's Letter バックナンバー

【Tear’s Letter】G7に考える「戦時性暴力」

2023年05月21日

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★　Tear’s Letter
★　G7に考える「戦時性暴力」
★　2023年5月21日　No.575
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歌舞伎俳優一家の事件に、強い衝撃を受けた人も、少なくない
ですよね。背景には、性的指向を含めた、性暴力に関する報道が、
指摘されています。
個々の性的指向は尊重されるものですが、他人に強要するものでは
ありません。また、自殺未遂によって、性暴力被害が矮小化する
ことはありません。被害の告白は、プライバシーの保護を含め、
丁寧に扱われるべきものです。
厚生労働省は、自殺報道に対する、注意喚起を行っています。
WHOによるガイドラインも、掲載されています。
性的指向が、自分や他人への暴力とならないために、性に対する
知識や理解を深めていくことが、私たち一人ひとりに
求められています。

↓厚生労働省「自殺に関する報道にあたってのお願い」ならびに
「自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい
基礎知識」
https://tinyurl.com/3msp6pu7
↓厚生労働省「自殺対策　相談先一覧」
https://tinyurl.com/2p93hhct

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！

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┃【Tear’s Letter No.575 Topics】
┃★１．G7に考える「戦時性暴力」
┃★２．編集後記
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★１．G7に考える「戦時性暴力」
───────────────────────

先進国の首脳が一堂に会し、世界の経済や情勢、地球規模の課題を
議論するG7（主要7か国首脳会議）が、本日5/21まで開催されて
います。
第二次世界大戦で、原爆が投下された、広島での開催、またロシア
による軍事侵略が続く、ウクライナのゼレンスキー大統領の来日等、
「戦争と平和」が1つのトピックになっています。
国連は、ロシアによるウクライナへの軍事侵略においても、性暴力の
報告を受けていることを、明らかにしています（※1）。
そこで今回のメールニュースでは、「戦時性暴力」について、
考えます。

☆１）戦時性暴力とは

戦時下で起きる性暴力です。レイプだけでなく、売春の強制、
望まない妊娠・出産、もしくは性器切除を含めた強制不妊手術や
中絶、性的拷問等が挙げられます。
2018年のノーベル平和賞を、コンゴ民主共和国で性暴力被害者の
治療を続けてきた、医師のデニ・ムクウェゲさんと、
IS（イスラミックステート）による性暴力被害の実態を訴えてきた、
人権活動家のナディア・ムラドさんが受賞したことで、多くの人が
その実態を知ることになりました。

☆２）なぜ戦時性暴力が起きるのか

まず、「民族浄化」を目的とした国家戦略として、性暴力が正当化
されます。制圧した都市の住民に対し、男性は身体的暴力、女性は
性的暴力によって、支配構造を明確にします。
次に、紛争や災害といった、心身のストレスが増幅する状況に
おいては、ストレスを解消する方法として、暴力行為が増幅します。
それが、自分より弱い立場にある人々への、性的暴力として、
発散されます。
性暴力は、道具や費用、特別な技術等が不要であるにも関わらず、
相手に絶大な恐怖を与え、服従を強いることが可能です。このため、
戦時下では、極めて有効なツールとして、積極的に活用されます。

☆３）戦時性暴力を撲滅するには

平時の性暴力がなくならなければ、戦時下の性暴力は
なくなりません。戦禍にない日本だからこそ、できる取り組みや、
発信できる声明があります。
次に、被害当事者の声を聴くことが、求められます。戦争について、
最前線の兵士だけでなく、戦火を逃れた人々の経験にこそ、戦争の
実態が織り込まれています。
そして、加害者が適切に処罰されることが、期待されます。平時の
性暴力においても、裁判で有罪判決を得るまでには、多くの困難が
あります。戦時性暴力の被害を安心安全に訴えることができる
環境の整備が、期待されます。

G7を巡っては、去年の首脳宣言に「ジェンダー平等」が掲げられた
こともあり、国内では、G7で唯一法律がない、性的マイノリティに
関する差別禁止法の成立に際し、議論が紛糾した経緯もありました
（※2）。
G7を機に、性暴力のない、誰もが安心して過ごせる社会の実現に
向けた環境整備を、自分事として考えていきたいですね。

※1 2022/6/7付時事通信「ウクライナで性暴力124件
報告は「氷山の一角」―国連」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022060700137&g=int
※2 2023/5/18付NHK「G7広島サミット主なテーマは？
「首脳宣言」はどうなる？」
https://tinyurl.com/4r7vvb5y

★２．編集後記
───────────────────────

5/17衆議院法務委員会で、刑法性犯罪改正案の質疑が行われました。
質問に立った与野党6党のうち5党から、「障がいのある人への
性犯罪」に関する質問がありました。
法案は衆議院での修正審議を経て、参議院に送られる見通しです。
障がいのある人が取り残されない刑法性犯罪改正となるよう、
声を届けていきましょう。

↓法務委員会の様子は動画でご覧いただけます
https://tinyurl.com/3njybdb6
↓各議員の質問概要はこちらをご覧ください
https://blog.canpan.info/shiawasenamida/archive/1597

☆最後までお読みいただきありがとうございました。

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