リーフ通信 Vol.67 【住宅と自然災害】2022年3月11日
本日は3月11日
あの大震災から早くも10年ですね。
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当時、私はOBのお客様宅へメンテナンスへ。
途中の車中でテレビをつけるとヘリから映し出された
信じられない光景が。
南港のお店に戻ると展示のペンダントライトが
すごく揺れて大変だったとスタッフ。
その後は心病む光景をメディアから見ることになりました。
大きな災害、特に地震に見舞われるたびに
住宅建築も課題が指摘されて
その都度、対策が練られてきました。
逆に言えば、そういう災害がない限りは
今までのやり方で安全と
特に改良もされずに昔からのやり方を
踏襲していたものです。
自分の記憶に残るところでいえば
阪神淡路大震災。
神戸で建築を学んだ自分にとって
かなり衝撃的な事件でした。
これをきっかけに改正された建築基準法
いわゆる2000年基準が
今の木造住宅の耐震構造の基本となっています。
耐震等級は１から3まであり
建築基準法をクリアできるレベルが耐震等級１
その1.25倍の地震力に耐えうるのが耐震等級2
その1.5倍の地震力に耐えうるのが耐震等級3
2000年当初の私は
「あの阪神淡路を経験して改正された基準だから
耐震等級1で十分」
などと考えていました。
そしてその考えは熊本地震で
打ち破られることに。
震度7クラスが2回起きると
耐震等級1の建物でも全壊の事例が見られた反面
耐震等級3の建物ではすべて軽微な損傷で済んでいます。
また、大災害の後は基本的なライフラインは止まり
停電なども長引くと
空調機器なども使用不可に。
真冬に被災されたことを考えると
いくら耐震等級3で建物自体の損害は免れても
断熱性能が伴っていないと
そこで住み続けることはできない。
断熱性能を高めたうえで、パッシブ設計を行い
無暖房でも20度近くの室温が維持できるような
家づくりをしていればそのような災害時でも
避難所に行かずに自宅で過ごすことはできます。
家に求められる要素は
耐震、気密断熱、耐久、デザイン、間取り
様々なものがありますが
まずは地震から命をまもり
その後のライフライン途絶でも
なんとかしのげる住宅
その基本性能は当たり前に担保したうえで
間取りやデザイン、インテリアの話に
行くべきかと思います。
また昨今の世界情勢を見ていると
もともとエネルギー自給率の低い日本に
住むことのリスクが際立ってきています。
よく太陽光発電について
元が取れる、取れないの論議がありますが
これはもうエネルギー安全保障の視点で
考えるべき時代に来てるのではないかと。
おそらく、今後の原油価格の高騰を通じて
一般の電力価格はとんでもない値上がりを
迎える可能性が大いにあります。
多くの人は自分が支払っている電気代に
燃料調整費や再エネ賦課金といった
自分の家の電気代以外に課金されて
いることを知らない。
今度、電気料金の明細書が届いたら
ぜひ確認してみてください。
許容応力度計算
による耐震等級3
高気密高断熱仕様とパッシブ設計
による冬の無暖房室温維持
太陽光発電設備
によるエネルギー安全保障
この3つは、今後の家づくりを考える際に
まずは充足すべき3原則になると思います。
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