【ほぼ日刊 リーフ通信】Vol.118 住宅の防火性能 2022年10月2日号
今日は地元のだんじり祭り。
朝から囃子声が聞こえてます。
下手に車で出かけると渋滞に出くわすので
基本的には会社でおとなしくしています(^^;
今日も家づくりに役立つ情報を
お送りしていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
____________________
予告していた住宅の防火性能について。
構造(耐震等級3を許容応力度計算で取ること)
や断熱(断熱性能の強化)は建築会社はしきり
に謳ってるのになぜ防火性能は取り組みが
少ないのか。という議論です。
もちろん、準防火地域などの区域で建てるのなら
かならず準耐火建築物とする必要があり、
議論の余地はないのですが、そのような規制の
無い地域で建てる時でも耐火性能を高める
べきではないか、という議論です。
もちろん、取り組んでいるところがないわけ
ではなく、省令準耐火構造を標準仕様として
採用しているところもあります。
まあ、この省令準耐火も結構グレーゾーンの部分
が多く、いろんな意見があり、あえて採用してい
ない建築会社さんも多いのですが。
それはまた別の機会にお話しいたしましょう。
*構造と断熱は法規制の強化が決まっている
防火性能に比べて建築業界が構造、断熱強化
に力を入れているのはこれが挙げられます。
構造に関しては現在は木造2階建てまでなら
構造計算(許容応力度計算)を省略しても
良く、仕様規定と言われる、壁量計算など
でのとっても簡易な確認方法が
認めれれています。(4号特例と言います)
ところがこれが2025年には改正され、2階
建てまでの木造住宅でも構造計算が必要と
なります。
また断熱に関しても2025年の省エネ基準
(Ua値0.86)義務化が決まり、2030年には
ZEH基準(Ua値0.6)義務化もほぼ
確定しています。
カーボンゼロを目指す2050年になると
おそらくG2レベル(Ua値0.46)には
しておかないと、その時代での基準に
満たなくなるでしょう。
これら、構造や断熱はきちんと計算した
建築物にはその計算書やそれに基づいての
証明書が長期優良住宅や住宅性能評価書に
よって担保されます。
例えば何らかの理由で建物を売却しなければ
ならなくなった時もこれらの証明書があれば
資産価値の低下を防ぐことができます。
建築基準法はその設立当初から年々強化され、
建築当初はその時期の基準法に適合していて
も、年数を経て、法改正された後の基準に
照らし合わせると不適合となることがあります。
(これを既存不適格建築物と言います)
通常住んでる分には支障はないのですが
、前述のように売却するときは資産価値が
下がりますし、確認申請が必要な大規模改装を
するときにはその時点の基準法に適合させる
必要が出てくるのです。
構造や断熱は経ててから後の強化はなかなか
むつかしい。それならば、たった3年、
あるいは10年もたたないうちに既存不適格と
なるレベルで造るよりも、
少なくとも予想される住宅の耐用年数
(30年、いや今なら50年でしょう)を経ても、
その時に予想される基準法レベルの家にして
おこうというのが理由の一つであると考えます。
少なくとも当社はそういう考えで構造と断熱
は2050年を見据えたレベルの仕様にしています。
*防火構造には認定番号が必要
構造や断熱はある程度計算によって明確に
エビデンス(証拠)が出てきます。
どんな材料を使っていようがこの組み合わせ
だとだめ、なんてことがありません。
しかし防火構造の場合、壁となって立ちはだ
かるのがいわゆる「防火認定」です。
これは各材料メーカーが材料試験を行い、
その結果を国土交通省へ提出、防火認定番号
をもらって、初めて防火材料として
認定されるというもの。
明らかに防火性能尾が同じ程度と思われていても、
認定番号がないと使えません。
また外壁の耐火性能も外壁、断熱材の組合せ
ごとに試験を行い、防火認定番号をもらう
のですが、少しでもこの組み合わせを変えると
認定番号がおりません。
構造や断熱と比べると非常に扱いにくく、
コストもまたかかるので、その建物が
準防火地域に建つという、条件でなければ
なかなか採用するのは難しい。
とはいいつつも、以前に比べると木造住宅の
防火性能に対する理解は広がりつつあり、
「もえしろ設計(木が燃焼して既定の寸法
まで減少する時間を耐火時間とみなす)」
などによって木造中高層建築物が誕生したり、
準防火地域内でも天然木の表しの内外装が
認められるようにはなってきています。
しかしこれも、確認申請などを認定する
機関や担当者によって見解が分かれたり
するなんともグレーな現状です。
住宅の耐火性能は向上させるに越した
ことはありません。
そのためには建築行政が前例踏襲ではなく
もっと最新の知見をもとに、全国的に
共通な見解をもっていく
必要があるでしょう。
今後に期待したいところです。
それでは、また!
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