【ほぼ日刊 リーフ通信】Vol.354 【建築書籍紹介 郊外を片付ける】 2025年8月3日(日)
新からもろもろの発信作業。以前は発信ツール
というとブログぐらいだったですが、最近はそ
の量が格段に増えたのでなかなか手が回りませ
ん。広報を専任か外注化する必要がありそう・
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さて、メルマガ日曜日は特別企画。
今回のオススメ本はこちら。
https://amzn.asia/d/0srVkoS
「郊外を片付ける 住宅はこのまま滅びるのか」
著 野沢 正光
発行 新建新聞社
実は、この本、このコーナーでご紹介しようか
どうしようか迷いました。だって、著者の意図す
るところは、少々乱暴にいうと
「これ以上家を建てるな」ですから。
いや、正確に言うと、経済論理が先行して豊かな
郊外住宅地が細切れになり、住宅寿命の短い家が
乱立していけばおのずと町(郊外)が壊れていく。
という主張です。
著者はそれにあらがうべく「郊外を片付ける」
と称してその対策の著作の中で述べられています。
建築コストも土地価格も上がった今、
日本全国に見られる現象です。
弊社のある大阪狭山市は50年ぐらい前に
大規模な住宅開発が行われ「狭山ニュータウン」
としての街並みを形成していきました。
その区画は80坪~100坪で、そこに40坪前後
の戸建が立ち並んでいるわけです。
当時、大阪中心部から土地の安い郊外に移り、
ゆったりとした敷地に庭つきの戸建て住宅を
皆さん建てることが出来たのですね。
それから数十年、建築価格も土地価格も上昇。
しかし所得はこの30年際立って伸びていない。
経済性から言うとやむなく土地は分筆され
そこにミニマムな住宅が建っていきます。
隣等間隔も少なく、庭もあまりとれないので、
窓は締めっぱなしで隣家同士の
コミュニケーションもとれない。
庭の代わりにコンクリートで固められた
スペースは熱がこもり、夏の通風など考えられない。
ところが著者が手掛けたコモン(共有の園地)
をもつ住宅開発では、土をコンクリートで
覆うことなく、そのままに植栽することで
住宅周辺の気温が36度の真夏でも
園地は26℃程に抑えられたそうです。
高断熱高気密が進むことで家はどんどん閉じ
られ、土はコンクリートで覆われていく。
私もかなり前からそんな懸念を抱き、
大阪狭山市に戻って初めて手掛けた物件は
「まちに開く家」として、住宅地の皆さん
に庭の緑や花をおすそ分けできるような
プランニングも試みました。
https://leaf-arc.com/works/works-2441/
著者は、今の現状の原因を、住宅は公共の
性格を持つものなのに、利益優先の会社が
行っている、こととし、本来であればNPO
の団体がその街のプロデューサーとともに
創り上げるもの、と提案しています。
これから人口はどんどんと減っていくのに、
かっての豊かな住宅地は細分化されていく。
行きつく先は空地や空き家の
点在する街になりかねない。
その問題をどう解決するかは住宅に
係るものにとって大きな課題だと思います。
著者はこの本を著した後、
2年前に急逝されました。
いわば遺言としての著作になります。
私たちは家具、住宅をはじめとする住まい
にかかわる仕事をさせていただいています
が、その活動がこのような課題の社会問題
の解決につながるようでならねばいけないと
、改めて襟を正された本でした。
どちらかというと、実務者向けの本では
ありますが、「家」だけでなく「街」や
「コミュニティ」、また著者が著作の中
で述べている
「公」「私」だけでない「共」の部分
にぜひとも関心を持っていただきたく、
このコーナーで紹介させていただきました。
それではまた!
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家づくりを考え始めた際に行う事、
土地探し、資金計画、住宅の性能、などなど
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