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【Tear’s Letter】災害後の性暴力に対し、今できること

2020年07月12日

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★　Tear’s Letter
★　災害後の性暴力に対し、今できること
★　2020年7月12日　No.457
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こんにちは！NPO法人しあわせなみだです。

東京都で、3歳の女児を放置し死亡させたとして、20代の母親が
逮捕されました（※1）。同様の事件は、後を絶ちません。
親を責めるのは簡単です。しかし、こうした事件が度々起こる
ということは、その責任を、個人ではなく、「その家族が
置かれた社会構造」から考える必要があるのではないでしょうか。
母子世帯の貧困率は5割を超え（※2）、ひとり親世帯の相対的
貧困率は、OECD加盟国中最も高くなっています（2010年時点）
（※3）。今回の事件の容疑者のように、児童福祉施設で暮らした
方が、施設退所後様々な困難を抱えることも、少しずつ明らかに
なってきました（※4）。
二度とこのような事件が起きないために、私たち大人ができる
ことを考え、取り組んでいきたいですね。

※1　NHK『3歳女児死亡母親を逮捕育児放棄か東京大田区』
https://bit.ly/2AVdJ7W
※2　独立行政法人労働政策研究・研修機構『子どものいる
世帯の生活状況および保護者の就業に関する調査2018』
https://www.jil.go.jp/institute/research/2019/192.html
※3 内閣府『平成26年版　子ども・若者白書』
「第3節　子どもの貧困」
https://bit.ly/2Zhhj5A
※4 例えば以下の調査等が実施されています
特定非営利活動法人ふたばふらっとホーム『社会的
養護施設等および里親出身者実態調査概要報告書』
https://bit.ly/3gMIpaA
みずほ情報総研株式会社『社会的養護対象の 0 歳児～18 歳
到達後で 18 歳到達後で引き続き支援を受けようとする者に
対する効果的な自立支援を提供するための調査研究報告書』
https://www.mhlw.go.jp/content/000348460.pdf

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！

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┃【Tear’s Letter No.457 Topics】
┃★１．災害後の性暴力に対し、今できること　　
┃★２．編集後記
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★１．災害後の性暴力に対し、今できること
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7/3から九州や中部地方などで、豪雨による被害が相次いでいます。
この災害は「令和2年7月豪雨」と名付けられ、災害派遣等、
様々な対応が行われています。罹災し、避難所で暮らす人々も、
増えています。
災害後は、性暴力が起こり、潜在化しやすいリスクが指摘されて
います。そこで今回のメールニュースでは、災害という天災に、
性暴力という人災が加わることがないよう、必要な取り組みを
紹介します。

↓災害時の性暴力に関する詳細はこちらをご覧ください
【震災後の性暴力】
http://shiawasenamida.org/m03_07
【「災害時の性暴力撲滅に向け医療従事者に期待すること」
（性の健康医学財団発行『性の健康』Vol.17 no.3）】
http://shiawasenamida.org/data/1810sexualhealth.pdf
【「災害時の性暴力とは～見えないリスクを可視化する」
（日本自治体危機管理学会主催「第10回研究大会」）】
http://shiawasenamida.org/data/jemathesis.pdf

☆１）なぜ災害後に性暴力が起こり、
　　　潜在化しやすいリスクがあるのか
災害後には、街灯が消え、建物が倒壊することで、死角が
増えます。また避難所では、就寝場所やお手洗い等、生活の場が
男女共同となりがちです。こうした物理的な事情は、性暴力の
リスクを高める可能性があります。
一方心理面においては、生命の危機に接する高まる不安や、避難所
での集団生活や物資の不足等によるストレスを、自分より弱い立場
にある女性や子どもへの暴力行為によって、発散しようとする方が
います。
加えて、周囲の人々が、物資の確保やライフラインの復旧に
追われる中で、たとえ暴力を振るわれても、「これ以上皆さんの
手を煩わせるのは申し訳ない」という躊躇や、「命が助かったの
だから」という想いが、相談をためらわせ、暴力の存在を
見えづらくします。

☆２．今、被災地でできる取り組み
「災害後には性暴力が起きり、潜在化するリスクがある」ことを
前提とした、避難所運営や災害復興の取り組みが求められます。
具体的には、例えば、避難所に間仕切りやプライベートスペースを
設けることで、物理的に暴力を振るいにくくすることができます。
また、被災地支援に関わるスタッフやボランティアが、いつでも
性暴力等の相談に応じ、適切な窓口を知らせる役割を担うことが、
期待されます。
災害時の性暴力を「なかったことにしない」ことが、暴力の早期
発見や、さらなる被害の防止につながります。

☆３）今、被災地以外でできる取り組み
1点目は「知る」ことです。災害後は、平時以上に、性暴力が
見えづらくなることを知っている人が増えることで、「警察に
届け出がないのだから、嘘だ」「きずなやつながりを損なうような
発言をするな」といった「バッシング」を防ぐことができます。
2点目は「伝える」ことです。「デマ」ではなく、自治体や公的
機関、日頃から性暴力被害者支援に取り組む団体等、信頼できる
発信元の情報が、冷静な判断のもとで広がることが、重要です。
3点目は「応援する」ことです。新型コロナウイルスにより、
被災地でのボランティアに制限のある中、「地元団体への寄付」や
「SNSなどでの情報発信」等を通じて「忘れない」気持ちを
定期的、継続的に届けることは、できるのではないでしょうか。

災害は、これからも必ず起こります。しあわせなみだでは、
今後も「災害後の性暴力」に関する情報を発信してまいります。

★２．編集後記
───────────────────────

新型コロナウイルスの感染拡大が指摘される中、プロ野球や
Jリーグ等のプロスポーツでは、観客を入れた試合が再開
されました。政府は「緊急事態宣言」ではなく「市民一人
ひとりの責任を持った行動」により、感染を防ごうという
方針です。公共インフラの継続や生活の保障等、様々な
課題が山積する中で、今私たちにできる、「自分が感染
しないこと、他人に感染させないこと」を考え、行動して
いきたいと思っています。

☆最後までお読みいただきありがとうございました。

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