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【Tear’s Letter】障がい女性が暴力を経験するリスク

2020年10月11日

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★　Tear’s Letter
★　障がい女性が暴力を経験するリスク
★　2020年10月11日　No.466
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こんにちは！NPO法人しあわせなみだです。

性暴力後の通院に係る様々な規制が、緩和される見込みです。

まず現在、新型コロナウイルス感染予防の観点から進められて
いる、オンラインによる診療が、恒久化される見込みです。
↓詳細は10/9付『時事通信』をご覧ください
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020100900617&g=soc

また、性交直後の服用で、妊娠を高確率で避けることのできる
「緊急避妊薬」について、医師の処方箋がなくても薬局で購入
できる方針が固まりました。
↓詳細は10/7付『共同通信』記事をご覧ください
https://this.kiji.is/686547850115990625

内閣府の調査では、性暴力後医療関係者に相談した方は、わずか
1.8％でした（※）。対面診療を不要とすることで、人に会う
ことに抵抗を感じやすい、性暴力後の受診を促し、早期の適切な
支援につながることが、期待されます。

※内閣府『男女間における暴力に関する調査（平成29年度調査）』
https://bit.ly/3lywfES

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！

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┃【Tear’s Letter No.466 Topics】
┃★１．障がい女性が暴力を経験するリスク　
┃★２．編集後記
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★１．障がい女性が暴力を経験するリスク
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性別にとらわれず、個性と能力を十分に発揮できる豊かな社会の
形成を目的に策定される「男女共同参画基本計画」。先日、
第5次計画策定に当たっての、基本的な考え方が公表されました。

↓案はこちらです（PDFファイル）です。
https://bit.ly/3nwWc9s
↓計画を策定する調査会のウェブサイトはこちらです
http://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/5th/list.html

計画の中には、「女性に対する暴力」そして、しあわせなみだが
取り組む「障がいのある女性に対する暴力」も、取り上げられて
います。
そこで今回のメールニュースでは、障がい女性が暴力を経験する
リスクについて、3つの視点から考えます。

☆１）女性であること
暴力は「権力構造に基づく支配」を目的に、行われます。上下の
人間関係があれば、どこでも暴力が起こる可能性があります。
女性は、政治や経済等における、重要な意思決定の場への参加率が
低く、国会議員（※1）や社長（※2）に占める、女性の割合が、
低くなっています。これは「男性が上、女性が下」という関係を
生み出しやすく、女性は、職場であれば「セクシュアル・
ハラスメント」、パートナー間であれば「ドメスティック・
バイオレンス」等のリスクを負うことになります。

☆２）障がいがあること
現在裁判が進行している、「優生保護法」に伴う強制不妊手術では、
障がいのある人が子どもを産めないよう、卵管の摘出や精管の切断
などを、本人の同意なしで行っていました（※3）。現在も、
障がいのある人が、結婚、出産、子育てをすることは、想定
されているとは言い難く、周囲の理解の不足から、子どもを持つ
ことをためらう方は、少なくありません（※4）。
障がいがあることによって、「性」や「生殖」がなきものとされ、
ないがしろにされる、暴力的な状況があります。

☆３）障がい女性であること
DPI女性障害者ネットワークの調査では、回答した障がい女性の
35％が、性的被害の経験を回答しています（※5）。
「女性」であること、そして「障がい」を有することは、暴力を
経験するリスクを一層高めることでもあります。とりわけ、
ヘルパーとの外出や、排泄、入浴といった、介助時における
暴力は、訴えれば「支援が受けられなくなる」＝「自らの生死に
関わる」ことから、潜在化し、長期化しがちです。

障がいがない人も、女性以外の性も、暴力を経験するリスクを
有しています。一方で、「障がいの有無」や「性別」といった、
カテゴライズ化による分断は、マイノリティや弱者の存在を
見えづらくし、不当な不利益を付与してきた現状があります。
法制度の整備を含めた、すべての人が暴力を経験しない、
インクルーシブ（包摂的）な社会の実現を、ともに考えて
いきたいですね。

※1 内閣府『男女共同参画白書令和2年版』によると、2020年
6月時点の、国会議員に占める女性の割合は、9.9％です。
https://bit.ly/3nGX4Zo
※2 東京商工リサーチ『第9回「全国女性社長」調査』によると、
2018年時点の、社長に占める女性の割合は、13.4％です。
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20191209_02.html
※3 詳しくは「優生手術に謝罪を求める会」ウェブサイトを
ご覧ください
http://www.soshiren.org/motomerukai/index.html
※4 障がい者総合研究所『出産、子育てに関する調査』によると、
「子どもを授かる」うえで「障がいはハードルになる」と考える
障がい当事者は65％、「子どもを育てる」うえでは70％でした。
その理由として「親族の反対」「サポート体制が整っていない」
「援助を得られにくい」等が挙げられています。　
http://www.gp-sri.jp/report/detail036.html
5 DPI女性障害者ネットワーク『障害のある女性の複合差別
共通テキスト資料集』p.3
https://bit.ly/3iOCRx5

★２．編集後記
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内閣府は、新型コロナウイルスが女性の雇用や生活に与えた影響に
ついて、有識者による研究会を設置しました。検討結果は、
本メールニュースで紹介した、「男女共同参画基本計画」に反映
される方針です。
コロナ禍においては、DVや虐待、そして自死の増加等も、指摘
されています。感染症や災害等の社会不安は、今後も必ず
起こります。非常時には、平時の脆弱性が顕在化します。
日頃の取り組みが着実に遂行されるよう、声を届けていきましょう。

内閣府『コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会』
ウェブサイトはこちらです
http://www.gender.go.jp/kaigi/kento/covid-19/index.html

☆最後までお読みいただきありがとうございました。

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