コンセプト説明

上羽崇之です。

今日も人間の行動心理についての勉強です。

さて、早速ですが
あなたは次の広告をみたときに、
どれを買うでしょうか？


１．エコノミスト・ドット・コムの購読　−　59USドル
２．印刷版の購読　−　125USドル
３．印刷版およびウェブ版のセット購読　−　125USドル


「なんでやねん」という選択肢が入ってますよね？

おそらく、１のウェブ版のみか
３の印刷版とウェブ版のセットを選んだはずです。

実際、これをある大学院生に選ばせたところ、、、

１が16人、
２が0人、
３が84人

という結果でした。


そして次に、
この中から真ん中の「印刷版の購読」
の選択肢をなくして同じ質問をすると、、、

印刷版とウェブ版のセット購読を選ぶ人が32人、
ウェブ版のみを選ぶ人が68人になったそうです。

商品は何も変わっていないにも関わらず。


もし人間が常に合理的な存在であれば、
0人だった印刷版のみがあろうがなかろうが、
数は変わらないはずです。


つまり、その「おとりの」選択肢があることで、
僕たちは３を選ぶ意思決定をしてしまうわけです。

めちゃくちゃ不合理な行動だと思いませんか？
面白いですよね。


ちなみに、この話は
ダン・アリエリー著『予想どおりに不合理』
に書かれています。

他にも、、、
「現金は盗まないが鉛筆なら平気で失敬する」
「頼まれごとならがんばるが安い報酬ではやる気が失せる」
「同じプラセボ薬でも高額なほうが効く」
など興味深い話がたくさん載っています。


人間は不合理な存在です。
合理的に組み立てても物は売れません。

ただ、その不合理を知って、
予想することができれば
もっと上手く売ることができそうですね。


では、こちらのテレビはどうでしょうか？
どれを買いますか？

１．パナソニックの36インチ（690ドル）
２．東芝の42インチ（850ドル）
３．フィリップスの50インチ（1480ドル）


もし２を選んだとしたら、
まんまと引っかかっています。

こんなものどれが良いか、どれが得かなんて
僕たちには判断できません。

だから、なんとなく２番目のテレビを
選んでしまうのです。


人間は相対性でしか判断できないので、
基準を提示されるとその基準に引っ張られます。


僕たちは、値段と商品だけでは判断できなくて、
絶対に何かと比べて意思決定をしようとします。


あなたの商品やサービスは
一体何と比べられているでしょうか？

逆に比較対象をこちらから提示することで、
一見高いものでも納得してもらいやすくなります。


ちなみに、これはコピーライティングの分野でも
そのまま使えるテクニックでもあります。

実際に使われているコピー（広告文のことです。）も
山程見たことがあります。

あなたの商品やサービスでもきっと使えるので、
セールスのときに使っている
メニュー表や申込書などで採用してみてください。

もし今資料を使っていなければ、
これから作ればいいですね。

そして毎回対面で見せるようにすればいいです。


ポイントをまとめると次のとおりです。

１番めの例は、
あえて意味のない同じ値段の商品を置くことで、
同じ値段のセット商品が得に見える。

おとり商品は真ん中の商品で、
売りたい商品を最後に置く。


２番めの例は、
「比べにくいものを並べる」と
中価格帯の商品が選ばれる。

おとり商品は一番高い商品で、
売りたい商品は真ん中に持ってくる。


おとり商品を置くことで、
人間の購買行動をコントロールできます。

あなたのビジネスにも取り入れてみてください。