今日だけ 日々の瞑想 10月4日 30日間の陶酔
ベーシックテキスト P.79
「30日間の陶酔」を経験したことのある仲間は私たちのなかにもたくさんいる。NAのミーティングに初めてやってきたときには絶望のなかで死にそうだった私たちなのに、NAで出会ったたくさんのアディクトや、彼らが分かち合ってくれたメッセージに共感することができた。私たちは彼らに支えられながら、ついに使うのをやめ、やっと人心地をつくことができた。長い、長い道のりのなかで初めて感じたくつろぎだった。たった一晩のうちに生き方が180度変わったのだ。私たちは足を使い、話をし、よく食べ、よく眠り、そしてナルコティクスアノニマスの夢を見た。
やがて、ナルコティクスアノニマスの目新しさが消えてくる。胸を躍らせて参加していたミーティングは退屈極まりないものになってきた。すばらしいと思っていたNAの仲間たちも、もううんざりだ。励みになった彼らのNAの話は、いまはたわ言にしか聞こえない。そんなとき、昔の薬物仲間から連絡があり、昔のようにまた一緒に楽しもうよ、と声がかかる。そこで私たちは回復に別れを告げて立ち去った。
だが私たちは結局ナルコティクスアノニマスに戻ってきた。昔の世界は何も変わっていないことが分かったからだ。向こうの世界では、自分も、薬物仲間も、薬物も、何から何まで同じだった。あえて変わったものがあるとしたら、以前よりもひどくなっていたことだ。
NAのミーティングはおもしろくないかもしれないし、NAの仲間たちもスピリチュアルな聖人ではないかもしれない。だがミーティングにはパワーがあり、メンバーをつなぐ絆があり、プログラムに沿った生き方がある。もしそれがなかったら私たちは何もできない。私たちの回復は、一時的に熱に浮かされることではない。それは生き方なのだ。私たちは、自分の命がかかっていると思って、このプログラムに取り組み、生きようとしている。なぜなら実際に命がかかっているからだ。
今日だけ:私は「30日間の陶酔」のなかにいるのではない。NAの方法は私の生き方だ。だからずっとここにいるつもりだ。
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