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釉薬(ゆうやく)の種類 [Able通信577]

2021年02月12日

項目2
○○ 様

お世話になっております。
エイブル株式会社の長又です。

陶磁器(とうじき)や琺瑯(ほうろう)の表面をおおっている
ガラス質の部分を釉薬(ゆうやく、うわぐすり)と言います。

陶磁器などを製作する際、
粘土などを成形した器の表面に薬品をかけて生成します。

粘土や灰などを水に懸濁(けんだく)させた液体が用いられます。

https://bit.ly/2Zb58qg
▲釉薬を掛ける工程の様子

https://bit.ly/3aeknEV
▲野々村仁清『色絵藤花茶壺』(国宝)

https://bit.ly/3qiY1aU
▲琺瑯(ほうろう)製の壺

粘土でつくった器をそのまま焼いたものは「素焼き」と呼ばれ、
表面が粗く、材質の異なる粘土を選ぶ以外には色を選べない上、
水を吸収しやすく用途が限定されます。

素焼きした陶器の表面に釉薬を付けてして焼くと、
表面をガラス質が覆い、小孔をふさぐために耐水性が増します。

また、ガラス質特有の光沢を得ることができ、様々な色や模様も得られます。

これは、釉薬の中の長石が焼成時に溶け出してガラス質を形成し、
金属成分が熱による化学変化を起こして色を付けるためです。

昔の釉薬は、粘土を水で溶いたものに木灰・わら灰を加えたもので、
灰や粘土の中に含まれる金属成分によって色が付いていました。

しかし、この方法では、望む色が付かなかったり、色むらができたり
してしまっていたため、現在では、あらかじめ金属成分を溶かしいれ、
絵具のように用い、素焼きの陶磁器に模様を付けます。
(絵付けと呼ばれます)

木灰は、薪ストーブ・薪を使った焼成窯などから比較的簡単に得られます。

わらは、需要の減少に伴い、流通が減っており、入手に手間がかかるため、
陶芸家の中には、農家と契約し安定的にわらを供給してもらっている方もいます。

このような手間をかけて自己で灰から釉薬を作るのは陶芸家のこだわり
そのものといえますが、分業化の進行とともに一般的でなくなっています。

衛生陶器メーカーでは、セフィオンテクトのような
汚れが付きにくい釉薬や加工法の開発を行っています。

釉薬の主な種類;
・灰釉;
 草木の灰を主原料とし、長石、珪石などを配合した高温用の釉薬。
 灰釉を基にして配合したものに青磁釉、ワラ灰釉などがああります。

・透明釉;
 石灰釉など透明度の高い無色の釉薬の総称。染付磁器などに用いられます。

・緑釉;
 透明釉に3~5パーセントの酸化銅を加えたもの。
 三彩などで使われる低温用と、織部釉のような高温用があります。

・鉄釉;
 鉄分を呈色剤とする高火度用釉薬の総称。
 代表的な釉には飴釉、黒釉、天目釉などがあります。

https://bit.ly/2Np4m63
▲龍泉窯青磁(南宋)

https://bit.ly/3abdlkr
▲伊万里 染付皿(芙蓉手)

https://bit.ly/2ZdmcMd
▲唐三彩の馬

https://bit.ly/3qiY32w
▲織部脚付角鉢(東京国立博物館)

「琺瑯(ほうろう)」も陶磁器と同様に釉薬を塗って
焼成しますが、下地に金属を使用しています。

陶器が保水性の確保のために釉薬を塗る、または漬けるのに対し、
琺瑯の場合は主に金属の酸化を防ぐために行われています。

琺瑯の多くは、実用的な鍋や漬け物樽等に使用されており、軽いこと
などから多くの家庭で使用されていますが、琺瑯は衝撃などで釉が
剥がれ落ちることがあり、扱いには十分注意を払う必要があります。

琺瑯特性の光沢や色合いを生かして、
金属に繊細な絵付けを施し焼成したものも存在しています。

これは、七宝焼き(しっぽうやき)と呼ばれるもので、
実用的な使われ方よりも、女性のアクセサリーや、男性のネクタイピンなど
の装飾品として使用されることが多いです。

七宝の釉薬は、主に珪石や硝石などの粉末に、出したい色に応じて、
二酸化マンガン、酸化銅、重クロム酸カリ、酸化コバルトなどの金属を
加えて作ります。

https://bit.ly/3abdh4b
▲花鳥文花瓶(七宝焼き)
 並河靖之/明治時代/ロサンゼルス・カウンティ美術館所蔵)


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▼信楽焼一覧(Amazon)
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参考文献;
釉薬(ゆうやく、うわぐすり)
https://bit.ly/3d5Uc57
陶磁器(とうじき)
https://bit.ly/3jKqow8
琺瑯(ほうろう)
https://bit.ly/3aXFJWv
懸濁液(けんだくえき)
https://bit.ly/3peOrVd
素焼き
https://bit.ly/2N0jFlR
長石(ちょうせき)
https://bit.ly/3jGg9t1
草木灰(そうもくばい)
https://bit.ly/3jHYUHG
セフィオンテクト(CeFiONtect)
https://bit.ly/3tRCM2g
珪石(けいせき)
https://bit.ly/3rKdp0q
青磁(せいじ)
https://bit.ly/2LKNd6D
染付(そめつけ)
https://bit.ly/3adVKs9
唐三彩(とうさんさい)
https://bit.ly/3abTdOY
織部焼(おりべやき)
https://bit.ly/2OAbRbf
硝石(しょうせき)
https://bit.ly/3adNmZB
七宝焼き(しっぽうやき)
https://bit.ly/3qrZXyd

追伸;
今後も、お役に立つと思われる情報をお届けします。
メール案内ご不要の場合は、大変お手数ですが、
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解除専用ページURL

よろしくお願いいたします。

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エイブル株式会社
担当:長又 秀雄(ナガマタ ヒデオ)
〒177-0041
東京都練馬区石神井町4-11-16 アドホック石神井公園1B
TEL:03-6766-8981 FAX:03-6766-8971
携帯:090-9687-4960
E-MAIL:nagamata-able@jcom.home.ne.jp
HP:https://www.glass-able.jp/
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