【第2話】え?誰もおらんの?駅伝シェア0%の悪夢
0.0%。
箱根駅伝 シューズ着用率、、、
2016年 28.6% (当時2位)
2017年 31.9% (当時1位)
2018年 26.7%(当時1位)
2019年 21.9%(当時2位)
2020年 17.1%(当時2位)
2021年 0%
…
0%。。。
2021年1月、
箱根の歴史からASICSの名が完全に消えた瞬間でした。
====音声版はこちら====
https://stand.fm/episodes/689feff4f384edf4aac4be42
===============
これが意味することは、何か、、、
実況カメラにも、
ASICSのロゴは一切映らない。
まるで、そこに存在していないかのようでした。
箱根に存在しないと言うことは、
ランニング領域において、、、
存在しないのと一緒。
「……これはまずい。いや、かなりマズい。」
当時社長だった廣田康人さんは、
その瞬間をこう語っています。
「ランニングはASICSの屋台骨。
ここで負ければ、ブランドの信頼が崩れる。
“国内トップ"という長年の看板が、
音を立てて剥がれ落ちる音が聞こえた、」
と。
悪夢の始まりは2017年。
ナイキが
「ヴェイパーフライ」という厚底シューズを発表しました。
「厚いのに軽い」
「カーボンプレートで反発がバチンと来る」
それまでのランニング界の常識は、
「速さ=軽さ=薄底」。
そこに厚底で世界記録を塗り替える靴が現れた。
若手社員
「これ…ヤバいっす。早く対応しないと!」
シニア層
「厚底? そのうちブーム終わるやろ」
「履ける選手は限られるし、怪我のリスクもあるしな」
……この温度差。
現状維持バイアス、成功体験の呪い。
ASICSを長年支えてきた経験が、逆に動きを鈍らせます。
これって、どうですかね?
過去の成功にすがりたいですよね?笑
先日、ユニクロ柳井正さんの本に書いてあった一節を
ご紹介します。
「最も恐ろしいのは過去の成功体験。
今の時代は、昨日の成功は今日の足枷になる。
私も常に間違っていると思っている。」
あぁ…ASICSは、この状態
昨日の勝ちパターンが、今日の敗因になる。
これだけのゲームチェンジが起きる革命時代。
これは経営者にとっても、
現場にとっても、恐ろしい真実です。
社長の廣田さんはどう思っていたのか・・・
当時、2018年に三菱商事から、アシックスの社長へ就任。
2019年末、箱根駅伝でのナイキ着用率は急増。
2020年、国内主要マラソン大会でもナイキの波が押し寄せる。
廣田さん「このままじゃ、完全に飲み込まれる」
頭では分かっていても、組織を動かすのは簡単じゃない。
ベテランを説得すれば過去を否定することになる。
でも、動かなければ未来を失う。
社長室でひとり、深夜まで考える日が続いたそうです。
「どうすれば、この会社をもう一度勝たせられるのか?」
そして迎えた2021年1月。
結果は、ゼロ%。
廣田さんは腹を括ります。
「これは、今すぐ頂上を獲りにいくしかない」
思い出したのは、創業者・鬼塚喜八郎の口癖。
「頂上から攻めろ」
アシックスは起死回生のため、
当時の世界トップランナーに直談判しました。
厚底シューズの勢いに押されながらも、
「ASICSの技術なら、必ずあなたを勝たせられる」と。
その場の反応は…手応え十分。
笑顔で「ぜひ履いてみたい」と言ってくれた。
「これは、いけるかもしれない」
ところが数週間後。
その選手の足元にあったのは、
別ブランドのシューズ。
裏で契約を持ちかけられていたのです。
「惜しかった」ではなく「完全に負けた」瞬間でした。
この悔しさは、社内にも強烈に共有されます。
そこで改めて、
徹底的に頂点を目指す。
トップ選手に勝たせるシューズを作れ。
そこから技術もブランドも下に広がっていく。
こうして始まったのがCプロジェクト。
Cは「頂上」のC。
通常3年かかる開発を1年半でやれ。
若手中心でやれ。
全員集まって同時並行でやれ。
もはや開発現場は、合宿所の鬼コーチ状態。
昼夜関係なく、議論と試作を繰り返す日々。
試作品がダメなら、その場で分解して作り直す。
廣田社長の指令は至ってシンプルでした。
「世界で一番速く走れる靴を作れ」
「ナイキの後追い? そんなプライドは捨てろ」
「トップ選手が1秒でも速く走れるなら、それが勝ちだ」
2020年、試作シューズを履いたサラ・ホール選手が
ロンドンマラソンでラストスパートを決め、2位に。
廣田さんはその瞬間、確信したそうです。
「……いける」
次回は、このCプロジェクトから生まれた
「厚底のメタスピード」の開発秘話をお伝えします!
【おまけ動画】
今日のおまけ動画は、
今後の私たちのCプロジェクト動画です。
私たちにとってのCプロジェクトとは…?
革命が起きる序章はすでに始まってます。
https://youtu.be/QBa-B9M9hVo
追伸
このCプロジェクト、社内では
「C=チャレンジ」「C=チェンジ」「C=チャンス」と、
勝手に解釈して名刺に刷る猛者もいたとか。
こういうノリ、いいですよね。
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