国家の健康を決める場所で、燕の巣の“次の物語”が動き出しました
2日目の今、私は、
マレーシア名物? トラフィックジャム(交通渋滞)の
中から、メルマガを執筆しております。
今日ですね、私達がが訪れたのは
NIH(National Institutes of Health/国家衛生研究所)。
ここは簡単に言うと、
「マレーシアの医療・健康政策を、
科学的エビデンスで支える場所」
です。
マレーシアの方々も立ち入ることは基本的にない施設。
当然入場するのは厳格なセキュリティがありました。
ここは、病院でも、大学でもなく、
“国の健康の判断材料"をつくる中枢といった場所。
NIHで話されたテーマは、
いわゆる“美容"の話ではありません。
話題の中心にあったのは、
・高齢化社会
・神経変性疾患
・アルツハイマー
そして「予防医療」
といったかなり深いテーマ。
実はNIHでは、
2000年頃からアルツハイマー関連の研究が継続的に行われています。
そこで強く共有されていたのが、
「治療が難しい疾患だからこそ、
予防、あるいは“進行を遅らせる選択肢"を
本気で考えなければならない」
という、非常に現実的な問題意識でした。
そんな文脈の中で、
少し意外に感じられるかもしれませんが、
研究者の間で自然と話題に上がっていた素材があります。
それが、
燕の巣(Edible Bird’s Nest) です。
燕の巣は、
マレーシアにとって数少ない世界に誇れる独自資源。
「世界に打って出る研究」を考える以上、
マレーシアならではの原料であること。
そして、機能性と希少性を兼ね備えていること。
この2点を満たす素材として、
燕の巣は極めて合理的な選択だった、という印象を受けました。
もちろん、
燕の巣といえば シアル酸。
これは研究者の世界では、もはや常識です。
実際、初期の研究は
ほぼ例外なく「シアル酸」にフォーカスされていました。
ただし、ここに大きな壁がありました。
燕の巣に含まれるシアル酸は、
実はごく微量。
そのため、
・コストが跳ね上がる
・実用化が難しい
・社会に流通させる設計が成り立たない
という現実にぶつかってしまったのです。
そこで転機となったのが、
燕の巣を“成分の一部"ではなく、
“構造そのもの"として捉える視点でした。
燕の巣を
サイエンスとして、
バイオプロジェクトとして研究してきた
エリックさんとの出会いにより、
研究の軸は、
シアル酸 → グリコプロテイン(糖タンパク)
へと明確に移っていきます。
エリックさんの研究姿勢は、一貫していました。
「どうすれば、
燕の巣を“本当に人の役に立つ形"で届けられるのか?」
だからこそ、
微量なシアル酸ではなく、
燕の巣に豊富に含まれている糖鎖構造=グリコプロテインに
研究の重心を置き続けてきたのです。
つまり、ここで行われている議論は、
「研究として面白いか?」
ではありません。
「社会に実装できるかどうか?」
そこまでを前提にした、極めて実務的で、
同時に国家研究機関らしい議論だと感じました。
もし、
シアル酸だけの研究を続けていたとしたら
「確かに良い。
でも、高すぎて流通しないよね。」
「燕の巣って言ってるけど、
実際には“入ってるかどうか分からない量"しか
使われていない商品が多い。
結果が出なくて当然だよね。」
そんな結論に行き着いていた可能性も、
決して低くなかったと思います。
この“研究の軸の違い"こそが、
今回NIHで強く印象に残ったポイントの一つでした。
ここで一つ、
どうしてもお伝えしておきたいことがあります。
これは、
「もう答えが出ました」
という話ではありません。
研究は、まだ途中です。
正直に言えば、
結果を断定できる段階ではありません。
でも、、、
だからこそ、今回の訪問には意味がありました。
というのも、
予備試験の段階ではすでに、
・神経変性に関わる酵素に対して
確かな反応が見られていること
・研究者たちが
「これは次に進める価値がある」
と、静かに、でも明確に判断していること
この空気を、言葉は専門用語すぎましたが、、、
雰囲気、目、言葉の勢いから、
現地で肌で感じることができたからです。
派手な言葉はありません。
誇張もありません。
でも、その分、
本気で次を見ている人たちの温度がありました。
今回、NIHを訪れて、
私が一番強く心に残ったのは、
「燕の巣は、無限の可能性がある。
しかし、まだ未知の領域があまりにも多い素材だ」
という感覚でした。
話の出発点は、
確かにアルツハイマーでした。
けれど、
議論はそこに留まりません。
気がつけば、
・炎症
・酸化ストレス
・エネルギー(ミトコンドリア)
・生活習慣病
・予防医療
と、
自然と話題が広がっていきます。
つまりこれは、
「一つの疾患のための研究」では終わらない。
もっと大きな、
ツバメの巣の原料が、
生き方そのものに関わるテーマへと
つながっていく可能性を感じたのです。
これまで私たちは、
主に美容や健康のマーケットで仕事をしてきました。
それはそれで、
本当に大切な領域です。
ただ今、
確実にフェーズが変わり始めている。
そう実感しています。
医療。
予防医療。
国家研究機関。
大学。
こうした視点の中で、
燕の巣という素材が
改めて見つめ直され始めている。
この話は、
「すごい研究があります」
「新商品が出ます」
という話ではありません。
未来に向けて、
どんな土台をつくるのか。
その話です。
そして、
この土台があるからこそ、
その先に
“本当に意味のある商品"が生まれる。
私は、
そう信じています。
次回は、
UKM(マレーシア国民大学)で進んでいる
より具体的な研究の中身について、
もう少し踏み込んでお伝えしますね。
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