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【ほぼ日刊 リーフ通信】

【ほぼ日刊 リーフ通信】Vol.97 高断熱高気密 2022年8月15日号

2022年08月15日

こんにちは。リーフの猪倉です。

今回訪れているのは高知県の西の端、
足摺岬のまだ西側の安満地(あまじ)
透明度が良くて有名な栢島の隣。
混雑する栢島と違い、のんびり空いていて
快適です。

さて、本日も家づくりのヒントになる
お話をお届けします。
よろしくお願いいたします。

____________________

~何をもって高気密高断熱?~

高気密高断熱という言葉があります。
私は、あえてこの順番を逆にして
高断熱高気密住宅をしています。
なぜかというと、優先順位的には
断熱>気密であるから。
その理由も、今回のメルマガでお話いたします。

さて、世の中、高気密高断熱ブームです。

住宅会社のチラシやパンフレットに
「当社は高気密高断熱住宅!」
という文言が踊っています。

しかし一体、
何をもって高気密高断熱というのでしょうか?

トリプル断熱だから!
断熱等級最高の4だから!
○○という断熱材を使っているから

いろんな文言が飛び交います。

しかし、断熱や気密性能はそのような「ポエム」
で語られるものではなくあくまでも数値という
エビデンスに基づいて語られるものなのです。

____________________

~高断熱の基準はG2~

ちなみに、以前から「断熱は最高ランクの
断熱等級4!」という言葉を見かけますが、
実はこの断熱等級4は20年も前に制定された
「省エネ基準レベル」と呼ばれるもので、
本来、2020年に義務化されるはずだったもの。

それが延ばしに延ばされ、ようやく2025年に
義務化(建築基準法上の最低レベル)となります。

すでに、断熱等級は5,6,7まで制定されており、
2030年には等級5が実質義務化の予定です。

なので、高断熱をまじめに追及している工務店
では断熱等級6を標準仕様とし、場合に寄っては
それ以上の断熱性能を実現しています。

この断熱等級と言われるのはUa値という数値で
表されます。熱の逃げやすさを表した数字で、
小さければ小さいほど断熱性能が良い。

国土が南北に長い日本では地域によってこの
数値が異なり、大阪などでは
等級4 Ua値0.87(2025年に義務化決定)
等級5 Ua値0.6(2030年義務化予定、ZEHレベル)
等級6 Ua値0.46(HEAT20 G2)
等級7 Ua値0.26(HEAT20 G3)
となっています。

カッコ内のHEAT20というのは民間団体の
定めた断熱性能の基準。

体感的に言うと、等級6以上になると、エアコン
での冷暖房も大きな気流を感じることなく、
室内の温度ムラも均一になり、全館を各階1台
ずつのエアコンで賄えるほどになります。

WHOでは冬の室温の最低気温を18℃以上にする
ことを推奨していますがG2だと過大な暖房を
することなく、それが可能です。

今後、高断熱を歌うのであればせめてこの
等級6(G2)レベルの断熱性能が必要でしょう。

____________________

~Ua値だけでは語れない断熱性能~

断熱性能を評価するのに一つの指標となるUa値
ですが、これだけでは快適な家は実現しません。

Ua値は熱の逃げにくさを表す数値ですが、
壁よりも窓の方が断熱性能が低いため、
理論的には窓を無くせば無くすほど、
Ua値は良くなります。

しかしだからと言って、南の窓まですべて無く
してしまうと冬場に太陽の輻射熱の取り込みが
出来なくなり、暖房として利用できず、暖房
エネルギーが過大に必要な家になってしまいます。

また換気設備には、外気からの空気を取り込む
ときに、室内の空気温度と熱交換し、エネルギー
ロスを防ぐ熱交換換気というものがありますが、
Ua値はこの効果を反映しません。

Q値という別の指標があり、これですと換気設備
の効果も反映されます。

快適な室内環境を実現するにはUa値だけでなく、
Q値や冬の日射取得率、夏の日照遮蔽率などが必要で、
最終的には、望む温湿度の環境(真冬の室温25℃
湿度60%のような)を実現するために、冷暖房費が
いくらで納まるか、というところまで
シミュレーションしないと意味がありません。

昨今、youtubeなどのSNSで住宅に関する知識が
広まった反面、情報の一面しかとられることが
できていない方々も増えてきているので、
何のためにその数値を出しているのかという
根本を抑えておくことが大切です。

____________________

~高気密の基準はC値1未満~

次に、気密について。
コロナが蔓延しだした当初、高気密住宅は換気
ができないので感染率が高い、などというデマ
がまことしやかに広まりました。

真実は全くの逆で、気密が必要な理由は計画
通りの換気を実現するためです。

気密性能が悪いと、冬場、吹き抜けやリビング
階段の2階から冷気が1階に下りてくる。

暖房するほど暖気が上に上がり、隙間から逃げ
て行って、1階の床付近の隙間から冷気が侵入
するといった現象が起こります。

よくyoutubeに「冷気が起きるから吹抜はつく
るな」なんて動画を見かけますが、それはその
お家の気密がとれていないことの裏返し。

きちんと気密がとれていれば、隙間から入っ
ちゃいけない外気の侵入がなく、快適に過ご
せるのです。

この気密性能を表す数値がC値。これは家全体
の隙間の総面積(c㎡)を床面積(㎡)で割った
もの。
これにより、実質の断熱性能が影響を受けてきます。

Q値が2.0の住宅があるとして隙間が大きければ
大きいほど、冬でしたら室内の暖気が逃げて、
外から外気がはいりますから実質のQ値は悪化
します。

Q値はあくまでも隙間が全くない状態(C値=0)
が前提で計算されています。

C値と実質Q値の関係は次の通り
C値   Q値
5.0 2.66
2.0 2.27
1.0 2.13
0.5 2.07
0.0 2.00

これらの結果からも、「高気密」と名乗る
にはせめてC値1.0未満、
できれば0.5は切りたいところです。

また、Ua値やC値、日照遮蔽、日射取得は
設計段階で決まりますが、C値は丁寧な
気密施工ができていないと良い数字は出せません。

住宅会社の中では、実際のお客様の気密測定を
していないのに、モデルハウスで測定したC値を
お話ししていたり「気密施工は普段やってない
けど、やろうと思えばできますよ」というとこ
ろもあるようですが、大切なのは毎現場
気密測定を行う事。

回を重ねるにつけ、現場の職人さんも気密施工
のコツをつかんでいってくれます。

____________________

~高断熱高気密はなんのため~

ややもすると、数値ばかり追い求めがちなUa値や
C値、Q値ですが、その目的は
何だったのでしょうか。

住む人が夏でも冬でも暑さ寒さを感じることなく、
快適に過ごすことができ、健康な生活を送ることで
健康寿命が増進する。

住宅性能が良くなることで、冷暖房に必要な
エネルギーが激減し、太陽光などの再エネを組合
させればゼロに近づけることができる。

エネルギーコストをゼロに近づけることでことで、
個人的には家計が楽になり、国としてはエネルギー
問題が(多少なりとも)解消され、健康な人が増
えることで健康保険の国費負担額も減少する。

特に、エネルギー自給率が低い日本にとっては
避けれれない道であり、そのような観点から
今まで業界団体の顔色ばかりうかがってきた国
(国交省)がようやく本腰を上げて住宅の
断熱性能の強化や太陽光の推進に取り組みだして
北のです。

ただの数値競争をするのではなく、常に、この
大きな流れ、目標を忘れてはいけないと思います。

____________________

~住宅会社選びの指標に~

まとめとして、今回のお話を住宅会社選びの
指標にしていただくためにキラー質問集を
お届けします。

これは聞かれたらいや~な顔するところと、
待ってましたとばかり、自社の建築への想い
を語り始めるところに見事に分かれますから
面白いですよ。

*許容応力度計算で耐震等級3を取得してますか?
*住宅性能表示、長期優良住宅は取得してますか?
*屋根のルーフィングは何を使ってますか?
*断熱性能Ua値、Q値はいくらですか?
*気密測定を毎現場行ってますか?
*その場合、平均的なC値は?
*冷暖房負荷を計算し空調計画をしてますか?

これがすべて答えられたらその住宅会社は
かなり優秀なレベルということができます。


それでは、また!



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