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【ほぼ日刊 リーフ通信】

【ほぼ日刊 リーフ通信】Vol.110 プロ向け完成見学会 2022年9月8日号

2022年09月08日

こんばんは。リーフの猪倉です。

昨日の水曜日は日帰りで栃木県まで。
プロ向けの完成見学会に行ってきました。
見学会は午後3時からだったので
午前中は上野駅近くの東京都美術館へ。
フィンユール展も見ることができました。
一日フルに移動し体力的にはなかなか
きつかったですが大きな学びを
得ることができた一日でした。

今日も家づくりに役立つ情報を
お送りしていきたいと思います。

よろしくお願いいたします。
____________________

今回完成見学会にお邪魔させていただいたの
は栃木県で設計事務所をされてるラファエル
設計の神長さんの現場です。
http://raphael-pd.com/

弊社と同じく、新住協の加盟店でℚ1住宅
マスター会員でもあります。

神長さんは建築専門雑誌に連載している記事
の中で室温設計を謳われていて、Ua値やQ値、
C値といった数字はあくまでも参考とした
うえで「真冬の朝に無暖房で室温18℃以上」
という、体感できる室温を重視した
設計をされてます。

私も実は、かなり前から神長さんの記事を
読み、その手法に着目していました。

2,3年前に比べるとUa値、Q値、C値など
の性能を表す数字はかなりエンドユーザーさん
にも広がりを見せるようになりましたが、
数値だけが独り歩きしている感もぬぐえず、
本当に大切な、「どうすれば快適で低コスト
な室内環境ができるのか」といった視点が
ないがしろにされていたからです。

今では弊社も最低でもG2程度の断熱性能や
0.2~0.3程度のC値を出していますが、
それはあくまでも参考数値で有り、
快適な生活を送るには部屋の温湿度を
どう管理するか、という視点からの
空調設計が大切です。

そこで、昨年の暮れに全館空調講座を
受講し、住宅全体の冷暖房負荷を計算
してエアコンの容量と設置位置を計算に
基づいてご提案できるようになりました。

最近の夏は数十年前から見ると考えられ
ないくらいの酷暑。

冬よりも夏の冷房をどう聞かせるか、
特に湿度をどう下げていくかがテーマと
なってきています。

同じ27度の室温でも相対湿度70%と5
0%では全く体感が違います。

50%では絶対湿度は11.15g/㎥となり、
かなりさらさらとして快適です。

神長さんの建てる家はまさにこの
絶対湿度11gをオリジナルのエアコン
1台での全館空調システムで
実現されています。

今回のプロ向けの見学会は、私たち
実務者のためにあえて神長さんが
作られたオリジナルのシステムを
無償で公開されるというもの。

自社の利益だけ考えてクローズに
されるところも多い中、
業界全体、なによりも出来るだけ
多くの住まい手さんがより低コストで
快適な環境が手に入るように
という思いで開催されました。

これまでも、住宅の省エネ政策で
トップリーダーの東京大学前准教授や、
省エネ住宅実務者で著名な松尾設計室、
松尾さんが見学に行かれ、
絶賛されていました。

栃木への日帰りはなかなかきついですが
、これは見に行かねばと
頑張っていってきました。

現場では神長さんから直接説明をして
いただいたのですが本当に
見どころ満載の現場でした。

【床下空間高さ70㎝】
床高を通常より30センチほど上げて、
床下の空間が60センチほどの高さに
なっています。

通常の建物でしたら基礎を貫通して
いる設備配管も外壁の基礎より高い
部分に設けられています。

人通口をつくる必要もないので補強の
配筋も不必要。この方式を発案された
のは何年か前に北関東を襲った大水害
でした。

川が氾濫して取り残された住民が
ヘリコプターで救助された映像を見た
覚えがある方もいらっしゃいますよね。

それからできるだけ床下浸水を避ける

ように、床の高さ上げを検討してこの
システムをつくられたそうです。

【エアコンは床下1台のみ】

床下エアコンは通常暖房用。冷房は別
にエアコンを設けることが常識とされ
ていたのですが、こちらでは冷房にも
床下エアコンを使われていました。

通常、重たい冷気を上に持ち上げるの
は大変なのですが、直径300㎜の断熱
ダクトをパイプスペースに配置し2階
の天井近くまで持っていきそこから
冷気が出てきます。

冷気を押し出す力はエアコンと熱交換
換気装置から出てくる給気、1階と2階
の階間の空間を床下に送る循環ファン。

これで500㎥/hもの風量で冷気が2階まで
持ち上げられます。

吹き出し口の下には2階の廊下、
そのすぐそばに吹抜があり、
2階から落とした冷気が家全体を
めぐるようになってます。

【給気は1か所】

通常の空調システムでは給気口が
いくつかの部屋にダクトで分配されている
場合が多いのですが、こちらは床下から
2階へ行くルートの1カ所のみ。

それで各室まで新鮮空気がいきわたるのと
疑問に思うところですが、その秘密が
各部屋の排気口。

排気口から吸い出された空気は階間や
間仕切り壁を通って床下空間に行って
熱交換換気の排気口から屋外へ排出。

またその一部はダクトを通ってエアコン
ルームに行って、除湿を行います。

文章だけで説明するとなかなか
わかりづらいかと思いますが
要は今までの空調計画の逆を
行ってるわけです。

これで素晴らしく快適な温湿度環境を
実現できているわけですから
そこそこトップクラスの実務者でも
驚愕されてたのもうなずけます。

【PDCAを回す】

何より素晴らしいと思ったのは、
神長さんの、従来の常識にとらわれず、
自ら仮説を立て、実証し、検討し、
改善して、その歩みを止めない姿勢。

愚直に新住協の鎌田先生の提唱された
断熱構成を自分なりの考えで進化させ
て空調計画とミックスさせていったこと。

また、それをクローズにせず、ライバルに
なるかもしれない同業他社へも惜しみなく
技術の公開を行っているところです。

建築業界というのは、特にFC
(フランチャイズ)系によくありがちですが、
何かで成功した工務店があればそれを
ノウハウ化し高額な加盟金と年会費で
加盟店を募集、技術をクローズにして
しまうことが多い。

今回のプロ向けの完成見学会で刺激を
受けた全国各地の工務店経営者
(私もまたその一人ですが)が技術、
スキルを磨き、それぞれの地でそれぞれの
お施主さんに喜んでいただけるような仕事
をしていくことで日本の住宅業界が
地方工務店から良くなっていく、
その可能性を感じた見学会でした。

それでは、また!


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