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～本メルマガは、経営コンサルタント・中小企業診断士の米澤裕一と、
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「バリューアップ通信」は、経営のお役立ち情報を隔週でお伝えします。
合同会社バリューアップ 　代表　米澤裕一

----------------------------------経営計画を「逆算思考」で考える-------------------------------

前回の内容は、目標を定め、その目標から逆算して計画を立てて実行する
「逆算思考」という考え方についてでした。
今回は「逆算思考」の最初のステップである目標設定について考えます。

年間の経営計画を立てる際にありがちなのは、今の売上額をベースに考え、
今年度は売上を対前年で何％増にしたい、そうすると利益はこのくらいになるという考え方です。

この考え方は、「今の売上」に焦点を当てているため、「積み上げ思考」です。
「逆算思考」と「積み上げ思考」の大きな違いは「どこに焦点を当てるか」であり、
逆算思考は「未来」に焦点を当てます。

「逆算思考」と「積み上げ思考」は、どちらがよくてどちらが悪いというものではありません。
例えば、２０年後、３０年後の企業や組織といった遠くの姿を逆算思考で考えようとしても、
机上の空論になる可能性が高いです。

こういった場合は長期的な視点で「今、当社にできること」「今、組織が取り組むべきこと」を
積み上げ思考で考え、その中で短期的なゴールについては逆算思考を用いることが有効です。

経営計画の話に戻りますが、正しい年間の経営計画の立て方を説明します。

企業にとって利益は、事業を継続・発展させていくために必要な条件です。
そして、さらに優れた事業を行なうため、社員とその家族を守るため、の必要コストです。
よって、まずは「今期は利益をいくら出すのか」ということを最初に決めなければなりません。

１． 最終利益の目標を決める。
目標利益を決める上で必要な要素として、例えば、
・３年後に、借入をせずに設備投資するための原資を確保したい。
・不況が来て利益がゼロになっても、１年間社員に給与を払える内部留保を確保した。
・社員に決算賞与を払う原資を確保したい。などを考え、
その上で「これらを達成するために今期はどの程度の利益が必要となるのか」を導きます。

２． 固定費を予測する。
固定費とは、売上に関係なく企業が支払う経費で、人件費や家賃などが該当します。
これは前期までの損益計算書を参考に、固定費に該当する項目を確認して算出します。

３．１の最終利益と２の固定費の合計を賄う粗利（限界利益）を算出する。
ここまでで、目標利益と固定費が出るので、これに必要な粗利（限界利益）が算出できます。

４．マージンミックスで目標売上を算出する。
３で算出した必要粗利を獲得するために、「具体的に、どのように売上を確保すべきか」を、
マージンミックスの視点で考えます。
マージンミックスは、粗利率の高低を加味し、商品を組み合わせて販売を行なうことです。
例えば、粗利が高い商品Ｘもあれば、粗利が低い商品Ｙもあります。
よって、商品Ｘを今期は何個売ればよいのか？
商品Ｙを今期は何個売ればよいのか？　の組み合わせを、主要顧客別に考えていきます。

最初に売上目標を決めて、その達成を最優先する「売上至上主義」にはりスクがあります。
売上を優先した事業展開を行うと、売れば売るほど運転資金が必要になり、資金繰りが悪化します。
また、無理に売り込んで押し込み販売をすると、回収条件が悪化したり、返品や値引きも増大します。

売上は、あくまでも利益を上げるための「手段」です。
経営計画の立案は、目標利益からの逆算思考が適しています。


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