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～本メルマガは、経営コンサルタント・中小企業診断士の米澤裕一と、
名刺交換やセミナーなど、ご縁をいただいた方へお送りしています～

「バリューアップ通信」は、経営のお役立ち情報を隔週でお伝えします。
合同会社バリューアップ 　代表　米澤裕一

-------------------------------中小企業がＤＸ化を進めるポイント-------------------------------

ＤＸ（デジタルトランスフォーメーション）とは、デジタル技術を活用してビジネスを変革することです。
採用難の昨今では、ＩＴでできることを人がやっていたのでは、
いくら人を採用しても足りなくなってしまいます。

そのためにも、自社の身の丈に合ったＤＸ化を進めることは重要ですが、
中小企業は大手企業と違ってなかなかＤＸ化が進展しません。

先日、日本ＤＸ大賞2024「MX部門大賞」と「サイボウズ賞」をダブル受賞した、
山形県の（株）後藤組の後藤社長に、ＤＸ化を進めて定着させるポイントを聞く機会がありました。
https://www.gto-con.co.jp/topics/2921/

後藤組は建設業です。建設業と言えば、ＤＸとは縁遠く、アナログな印象が強い業種です。
そのような業種において、どのようにＤＸ化を進めたのかをよく聞かれるとのことですが、
後藤社長は「目的の明確化」「ＤＸ推進者の専任化」「全員ＤＸ」の３つを挙げています。

まず「目的の明確化」ですが、ＤＸ化は「目的」ではなく「手段」です。
後藤組の目的は、「データの二重入力をなくす」ことでした。

例えば、従来、現場と管理部門で数字を二重入力していました。
現場で売上や仕入の数値を入力し、その数値を管理するために管理部門も同じ数値を入力するなど、
社内のあちこちに二重入力が存在していました。
この非効率性を改善し、省人化を実現するためにＤＸ化に取り組む決意をしました。

ＤＸ化の助言を求める企業に目的を訊ねると、あいまいな場合が多いそうです。
これでは「食べたい料理が決まってないのに調理のノウハウを教えてくれ」というのと同じと言います。
まずは「何を食べたいのか＝ＤＸで何をしたいのか」を明確にすることが重要だと言います。

次に「ＤＸ推進者の専任化」ですが、中小企業の多くは人材に余裕がなく、
１人で複数の業務を兼任することも多いです。
しかし、兼任にすると「他の業務が忙しいから、この仕事には時間が割けない」
という逃げ道を作ってしまいます。

後藤組も人材に余裕があったわけではないですが、本格的にＤＸに取り組むために専任化にしました。
後藤社長は、ＩＴスキルはないものの、やる気のある社員に目を付け、ＤＸの推進役に任命しました。
その際、他の仕事との「兼任」ではなく「専任」にしてＤＸに集中させ、充分に勉強させました。

最後の「全員ＤＸ」ですが、ＤＸに詳しくなるにつれて、任命した専任担当者に対して、
様々な部門から業務改善プログラムの制作依頼が舞い込んできました。

依頼を受けてプログラムを制作していた担当者の動きに気づき、
後藤社長は「君の仕事は依頼されてプログラムを作ることではなく、
プログラムの作り方を人に教えることだ」と注意しました。

専任化と言ってもプログラム作成の専任では意味がありません。
全社で１人しかプログラム作成ができなければ、業務が属人化してしまい、
その人がいなければプログラムが作れなくなってしまいます。

今では、全社員がプログラミングの知識がなくても業務システムがつくれる
サイボウズ社の「キントーン」を使って、全員ＤＸを実現しています。

以上のインタビュー記事は商工ジャーナル３月号で特集されます。
https://www.shokoken.co.jp/publish/publish01


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