トレビアンフランス語アカデミー講師のロスティ泉が、フランス語学習に関する役立つ情報を配信していきます。

【TBフランス語通信】

土曜日まで戻りません / 卒業式

2025年08月25日



受講生さんに面白い質問をいただきました。

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カッコに入る前置詞は何かという問題だったのですが、
Je ne reviendrai pas ( ) samedi.
答え: avant とのことでしたが、
jusqu’à は間違いでしょうか?

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この文章の意味は「私は土曜日まで戻りません」ですが、
結論から言うと

Je ne reviendrai pas jusqu’à samedi.

は間違いです。

日本語では「私は土曜日まで戻りません」というので、

jusqu’à

を使えそうな気がしますが、jusqu’à は「~まで(継続して)」
という意味の前置詞なので、通常「継続する動詞」と一緒に
使います。

では「継続する動詞」とはどのような動詞でしょうか?
例えば:

rester(とどまる)
travailler(働く)
attendre(待つ)

などは「継続する動詞」と言えます。
質問にあった revenir (戻ってくる)は、「ある一点での動作」なので
jusqu’à を使うと不自然な文章になります。

どのような文章であれば自然かというと(質問では否定文だったので、
否定文に限定してみます)

● Je ne resterai pas jusqu’à minuit.「真夜中まではいないつもりだ」

● Nous ne travaillerons pas jusqu’à demain soir.「私たちは明日の夜までは働かない」

● Ils n’attendront pas jusqu’à samedi.「彼らは土曜日までは待たない」

● Le magasin n’est pas ouvert jusqu’à 22 heures.「店は22時までは開いていない」

のように、やはり「継続する動詞」と使う場合です。


質問では
Je ne reviendrai pas ( ) samedi.

で、revenir という「ある一点での動作」を表す動詞を使っているので、
このような場合には avant (~より前に)を使って

Je ne reviendrai pas avant samedi.
「私は土曜日より前には戻りません」
=「土曜日までは戻りません」

と言います。

「~まで○○しない」と言いたい場合、
avant を使うべきか jusqu’à を使うかは
動詞の性質を考えてみてください。

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モントリオールから成田を経由して、日曜日の真夜中に
ジャカルタに戻ってきました。

今回のモントリオール滞在は、娘の大学の卒業式に出席するためでした。

フランスでは大学の卒業式のことを "remise de diplôme(s)"
と言いますが、ケベックでは

collation des grades

というのが面白かったです。
(フランスでは collation は通常「軽食、おやつ」という意味で
使います)

実は4年前にも彼女の別の大学の卒業式があったのですが、
当時はコロナの真っ最中で、卒業式は中止となりました。
ですから今回の卒業式はどうしても出席して
お祝いをしてあげたかったのです。

卒業式の日は、小学校教員としての娘の仕事始めの日でもありました。
彼女の頭の中はもう仕事のことでいっぱいで
大学の卒業式なんてどうでもよかったみたいですが、
17歳で親元を離れてモントリオールにに行ってしまい、コロナや進路変更を経て
カナダで立派に教員になった娘を見て、胸がいっぱいになりました。

卒業式のガウン (toge) と四角い角帽 (mortier) を身に着けて
壇上に現れた彼女に対して、私と息子と彼女のボーイフレンド君の三人で
大声で声援を送りました。

Félicitations, et bonne chance pour ton travail !


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